今回は厳選されたパーツを搭載したハイスペックモデル、MUTEC REF10 SE120をご紹介します。
ハイエンドホームオーディオのDAコンバーターにはかなりの確率で装備されているのが、「外部クロック入力」。
本来はスタジオなどで、複数台のDAコンバーターに対して内部での発振(クロック)する時間軸を同期させる目的で使われますが、その他の確かな効果のひとつである「DAC内蔵のクロックよりも精度の高い発振器を使うことで、デジタル信号のジッター(ゆらぎ)を少なくする」という点に注目が集まり、ハイエンドピュアオーディオでは多くのDACが外部クロック入力を可能にしています。これは眉唾物の話ではなく理論的に確かなもので、実際プロが使っているのもそのためです。
当然ですがデジタル対応ヘッドホンアンプのDAC部にも同じ効果があるので、一部のハイエンドUSB DACヘッドホンアンプには外部クロック入力端子が装備されてきていて、上記 TEAC UD-505 などが比較的お手頃な価格帯のDACヘッドホンアンプで外部クロック入力を装備しているモデルです。
その「クロックジェネレーター」はフジヤエービックでもいくつか販売していますが、今回プロ用デジタル機器を手掛けるMUTEC(ミューテック)から、従来モデルの精度をさらに高めたハイクラスジェネレーターが2020年8月7日に発売されます。
既に発売されている MUTEK REF10 のスペシャルバージョンモデルです。
REF10は高価になりがちなセシウムやルビジウムといった天然元素の結晶の発振を利用せず、OCXO (Oven Controlled Crystal Oscillators:温度制御型水晶発振器)を使用することで安価な水晶(クリスタル)発振でありながらセシウムやルビジウムの制度に匹敵する精度をたたき出します。
今回発売されるMUTEK REF10 SE120は、このOCXO素子の選定基準をREF10 に使用される高品位なOCXO から更に厳しくし、ワンランク上の基準に従って選定されたOCXO を選出して搭載しています。この基準をクリアした最高品質のOCXO は安定した供給量の確保が難しい希少品ですが、それゆえのハイスペックを実現しています。
厳選されたOCXOを使用したREF10 SE120は、位相ノイズ-120dB/c @ 1Hz という圧倒的なハイスペックをもたらしました。REF10の-116dB/c という値もかなり優秀ですが、REF10 SE120は更にその上を行く高品質です。 1Hzばかりでなく、10Hz、100Hzでの測定値においても性能の向上が見られ、それぞれ-145dB/cと-160dB/cが-150dB/cと-162dB/cに改善されています。
また、ジッター値においても、この近接する周波数領域でREF10 に比べて約7fs も向上した≒ 15fm という値を出しており、世界トップクラスの水準に達しています。
REF10ノーマルモデルと同様に、リクロックジェネレーターの MUTEC MC3+ USB と組み合わせることで、外部クロック入力の無いUSB DACの音質改善も図れます。MC3+ USB海苔クロックによる音質改善効果の解説は、 こちらのファイルウェブの記事 をご参照ください。
またREF10は合計8系統のクロック出力を備えており、1台で複数機器への外部クロック入力への供給が出来ます。1台持っておけば安心、の機材でもあります。
フジヤエービックでは、このMUTEC REF10 SE120 シルバー(アルミニウム)/ブラックの予約を受け付け中です。外部クロック入力のあるUSB DACをお持ちの方も、試してみる価値はあると思います。