デスクトップに置けるコンパクトサイズのUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプを中心に、音楽リスニングやDTM制作などでより快適かつ高音質な音を楽しむための据置ヘッドホンオーディオ環境を整えたいというニーズが高まっています。

フジヤエービックの据置ヘッドホンアンプ年間ランキングを1位から5位までご紹介します。
※DAC内蔵されているものも含めた集計となっています。

集計期間は2021年1月1日～11月30日、カラーバリエーションのあるモデルはすべて合算した数値での集計となっています。（ハードスペックが異なる場合は別モデルとして集計）

2019年10月発売
4.4mmのバランス出力付ヘッドホンアンプ付きDACです。対応フォーマットもPCMは24bit/384kHz、DSDは11.2MHzもしくは12.4MHzまで幅広く対応しています。ZEN DAC単体でも充分レベルの高いなサウンドが体験できますが、背面にはRCAと4.4mmバランスの出力端子が付いており、同社製アナログヘッドホンアンプ「ZEN CAN」などと接続する事でより高音質なシステムも構築できます。

シンプル・低価格ながら本格的な音が楽しめる「ZEN DAC」が2021年ランキングの堂々第1位です！

2021年1月発売
BluetoothDAC兼ヘッドホンアンプ。デスクトップオーディオのハブとしての使用が想定されている製品で、固定ライン出力・ヘッドフォン出力（6.3mmシングルエンドおよび4.4mmバランス）はもちろん、可変ライン出力を備えることでDAC＆プリアンプとして使うことも可能です。

水平/垂直を自動認識し、縦置き・横置きでディスプレイ表示の向きを切り替える機能もユニーク。利便性とリーズナブルな価格帯で人気となりました。

2020年2月発売
DTM・レコーディング機材の定番メーカーであるRMEがリスニングユーザー向けに作り上げたのがこちら、ADI-2 DAC FSです。端子や機能をリスニング用途のものだけに限定することでシンプルな操作性を実現したほか、高能率なイヤホンでも使いやすい超低ノイズIEM出力（3.5mmミニジャック）を新たに装備。

ヘッドホン用のバランス端子はありませんが、そのモニターライクかつ端正なサウンドは単体で使うもよし、他のヘッドホンアンプに接続するもよしと非常に使い勝手の良い製品となっています。リモコンが付属するのも地味ながら便利です。

2017年6月発売
本ランキング唯一の、DACを内蔵しない単体ヘッドホンアンプとしてランクインしたのがP-750u。ヘッドホンオーディオ黎明期の2002年に発売された名機「P-1」から世代を重ねてきたラックスマンのヘッドホンアンプですが、その重厚感あふれる作りと「ラックストーン」と呼ばれる独特のサウンドはこのモデルでも健在。

こちらは現在、残念ながら生産完了となってしまいましたが現在は後継機「P-750u MARKII」が活躍中。歴史はまだまだ長く受け継がれます。

2018年5月発売
A4サイズのコンパクトな筐体に凝縮されたハイエンド設計思考の音を搭載したUSB DAC/ヘッドホンアンプ。Bluetoothレシーバーはハイレゾ相当(96kHz/24bit)の音質でオーディオデータを通信できるLDACコーデックに加え、48kHz/24bitで通信が可能なQualcomm aptX HDにも対応。USB接続で高音質再生を楽しむだけでなく、Bluetoothでお手軽＆高音質な環境を構築できるのもポイント。

優れた音質と10万円台というお求めやすい価格でロングランヒットを続けていますが、おりからの半導体不足も影響し2021年9月に後継機「UD-505-X」が発売となりました。こちらはDACチップがESS Technology ES9038Q2M に変更されたほか、アナログ部もさらにブラッシュアップするなど、新たな進化を果たしています。

一時期は圧倒的なポータブルオーディオブームに押されてあまり目立った動きのなかった据置ヘッドホンアンプですが、新型ハイクラスヘッドホンの登場など「自宅でもいい音で音楽を楽しみたい」という需要が増加したことで、お手頃価格な製品を中心にふたたび脚光を浴びるジャンルとなりました。

その一方で新たなキーポイントとしてBluetooth対応などの『拡張性』が浮上、高音質と同時にお手軽さも求められるように変化してきています。来年はまたどんな新機能を取り込んだ製品が登場するのか、大いに期待したいと思います。