根幹となる部分は不変でありつつも、通常のAqualice Sheepとは対を成すかのような、晴天のような突き抜けを感じさせるエモーショナルサウンドに仕上がりました。
例えば、通常版が「Mastering edition」や「NU-1」のイメージだとすれば、本作は「Emotional edition」もしくは「NU-3」のようなイメージくらい別物のケーブルサウンドになっています。それでいてクオリティは非常に高いです。

《高域》
音の粒立ち感に優れ、金物音の響き方に圧倒的な解像度を感じます。
音輪郭と音伸びの中間成分の部分（ディケイ）が非常に見えやすいのが印象的です。

《中高域》
抜群の突き抜け感です。彩色的でエモーショナルに伝わる情感で、ピアノの連符的な表現、ギターではソロのスイートな倍音成分やコーラスの抜け具合、アルペジオの美麗表現など。
音数の多さに比例してより真価を発揮します。

《中域》
溌剌としつつも、エモーショナルな熱量を纏った充実度のボーカルとギターサウンドが特徴です。
残響音のリバーブ感は雰囲気がたっぷりで、特に歪み感のある音色や白熱するプレイに対してパッショナブルに応えてくれるイメージです。

《中低域》
コシのある躍動的なベースライン。前目に引っ張っていくような楽曲も、地を這うような楽曲も華麗にドライブ描写してくれます。特に倍音成分やコード感のあるフレーズ表現が秀逸です。

《低域》
クリアで整ったコンプ感のあるキックが特徴です。
力強くパンチ感のある低音表現が、楽曲を一層エモーショナルに駆り立ててくれます。

《トータル》
圧倒的な音立ちさと線材由来のシルキーなアタック音と質感、晴天・オーシャンビューのような抜けた音像感が全体的な特徴で、そこに楽曲が踊るような音楽的サウンドに仕上がっています。
シャキッとしていて派手さがありながらも嫌味さは全くなく、Aqualice Sheepという完成されたケーブルに別の可能性を示してくれた彩り豊かな一振りをご体感下さい。