管楽器の素材として使われることの多い真鍮を筐体に採用、温かで芳醇且つ濃密で繊細なサウンド

フラッグシップヘッドホンである平面磁界型ドライバーを搭載したD8000と、その音質設計を受け継いだ有線イヤホンE3000を発売した2016年以降、finalは主にダイナミック型ドライバーを中心にイヤホン・ヘッドホンの開発を行なってきました。
一方で、それ以前は、Heavenシリーズや、フラッグシップイヤホンFI-BA-SSなど、バランスドアーマチュア型ドライバー(以下BAドライバー)を搭載したイヤホンを設計・製造していました。
長年にわたる音響技術やそれを実現する設計ノウハウや製造技術の蓄積によって、BAドライバーの新たな可能性を引き出す技術を複数開発することに成功し、それらを搭載するイヤホンシリーズとして新しく「S series」を立ち上げます。

ドライバーのフロント部に特別な音響空間を設ける「トーンチャンバーシステム※」は、BAドライバー本来の音響特性を活かしつつ、筐体素材による響きを引き出します。
また、BAドライバーはフルレンジで2基搭載しています。2つのドライバーはできる限り同じ音響特性であることが望ましいため、通常よりも厳しい基準で選別やペアリングを行なっています。さらに、ドライバーは内部の振動がキャンセルされる「水平対向配置」にすることでドライバー自体の不要な共振を抑えています。
これらのシステムを正確に機能させるためには、筐体内の容積を精緻にコントロールすることが必要となるため、内部に使用する接着剤は音質に影響を及ぼさないごく一部に限定し、それ以外は接着剤レスで組み立てられています。そしてこの設計は同時に、私達メーカーによる修理を可能にする構造でもあり、万が一、故障した際などは修理をしながら年月を経てもご愛用いただける製品となっております。

さらに、超密度フォーム×柔らかシリコン×高弾性シリコンの3素材を組み合わせたトリプルハイブリッド構造で、高い遮音性と圧迫感のない快適な装着感を両立した次世代イヤーピース「FUSION-G」を3サイズ同梱しています。
BAドライバーでしか味わえない音の魅力、さらに、筐体素材によって生まれる音の響きのちがいをfinalの最新技術を通じてぜひご体感ください。

※トーンチャンバーとは:ギター等の楽器の響きや音色をコントロールするためにボディ内部に施される空間設計。