【正統進化】Sony WH-1000XM6 レビュー

WH-1000XM6を、前モデルのWH-1000XM5と聴き比べてみました。 今回の試聴では、Bluetoothのトランスミッター等は使わず。iPhoneとAAC接続というごく一般的なリスニング環境を想定しました。 特に「音質」の面を中心に、その違いと進化点を簡潔にまとめます！ ■ 音質比較：XM6は解像度とバランスの進化を実感 まず、音質のキャラクターに明確な違いがあります。 XM5は、低域が豊かでボリューム感のある音作りが印象的。 ときに歪みやブーミーさを伴いながらも、それが心地よい「厚み」として作用し、リスニング用途には非常に魅力的なサウンドです。 一方、XM6では全体的な解像度が一段引き上げられ、特に中高域の伸びや細部の表現が格段に向上。 音のバランスもよりナチュラルになり、少し中高域寄りの印象さえ受けます。 この変化により、ボーカルやアコースティック楽器のニュアンスがより鮮明に浮かび上がり、ワイヤレスでも“解像感のある音”を楽しめるようになっています。 ノイズキャンセリング機能についてはXM5の時点で既に非常に高い性能を誇っており、静かな室内での使用ではXM6との明確な差は感じづらいのが正直なところです。 しかし、今後は街中や電車内など、より騒がしい環境で試すことで、XM6の強化されたマイク数や処理能力の進化が実感できると思われますので今後確認してみたいところです。 ■ 空間表現とジャンル適性：女性ボーカルやピアノが美しく映える XM6のもう一つの大きな魅力は「空間表現の進化」です。 同じ楽曲を聴き比べても、XM5に比べて音場が広がり、特にボーカルが“空間の中に定位している”ような感覚が強くなりました。 女性ボーカル曲やピアノ主体の楽曲ではこの差が非常に明確で、声が透き通るように滑らかに伸び、一音一音がくっきりと聴き取れます。 低域はXM5ほどの量感はありませんが、代わりにタイトで歪みの少ない、整った低域に仕上がっています。これが中高域の美しさをより際立たせている印象です。 ■ 総評：XM6は完成度を高めた正統進化モデル WH-1000XM6は、XM5でやや惜しかった点とくに中高域の表現力や音の広がりを着実にブラッシュアップしたモデルといえます。 音質傾向での選び方の基準は明快です。 •低域の厚みやリスニングライクな“楽しさ”を重視したいなら XM5 •中高域の透明感や解像度、音場の広さを重視するなら XM6 どちらも完成度の高い機種ではありますが、XM6は現時点でのソニーのベストサウンドを体現した、まさに“次の基準”といえるワイヤレスヘッドホンだと感じました！！