今回、WAGNUS.が幸運にも手に入れたのは米・ペンシルベニア州最大の都市であるフィラデルフィアにて1898年頃より本格稼働し、2003年にその幕を閉じたという100年以上の大変歴史のあるワイヤーカンパニー「Philadelphia Insulated Wire Co.」の超絶激レアなヴィンテージのダブルシルク巻き単線になります。
E.B.フィリップス氏によって創業された、米国を代表する老舗ワイヤーメーカーで、19世紀末から20世紀半ばにかけて電気通信・モーター・産業機械向けの高品質な絶縁銅線を供給してきた名門です。
特に当時としては先進的だった絹巻き（シルク）絶縁や綿巻き、特殊ワニスコートなど、機械的耐久性と柔軟性を兼ね備えた巻線を多く手がけていました。本ワイヤーの推定ですが、1940年～50年代頃のものかと思われます。
本作ではこの「Philadelphia Insulated Wire Co.Pure Copper Electric Wire - 40’s Double Silk Green / Solid core 32AWG」と、以下の超激レアヴィンテージワイヤーを使用して特別製作を行いました。

数多く存在する米国ヴィンテージワイヤーメーカーの中でも、BELDEN社と並びオーディオ向けに特化したワイヤーを製作し続けた稀なメーカー「LENZ（レンツ）」。
そのLENZワイヤーは圧倒的な高音質がウリで、今でも大人気で数も少ない為、そのワイヤーの価値はWestern Electric、BELDENを遥かに凌ぎます。

ケーブル仕様
HOT：Philadelphia 40’s Double Silk Green / Solid core 32AWG wire ×2
COLD：LENZ 1948 wire ×2
Total 4 core, 4 strand

奥行きを感じさせる、まるで年代物の熟成された“ハーブ系リキュール” 重みのあるメロウなフレーバー感と爽やかな薬膳感のサンド的表現。

・高域
鈴鳴り的で綺麗な表現が特徴です。耳障りがなく音の粒が分かれてよく聴こえ、金物音それぞれの迫力や余韻、緻密な表現が繊細に窺えます。

・中高域
安定感のある肉厚さが特徴で、メロウな音像表現は柔らかくも印象に残ります。それらが芳醇さを伴ってギターやストリングス、コーラスワークに映し出されます。

・中域
ウォームでツヤ感に優れ、アナログライクな質感のボーカルが特徴です。それでいて高純度な実直さも含み、ギターは濃厚でクリーントーンからディストーションまで心地良く響かせてくれます。

・中低域
ナチュラルながら丸くて温かみのあるベースラインで、ウェットに富んだ印象もあります。音の輪郭感や粒立ちは整えられていて、熱量的なグルーヴを帯びつつも、芯の部分は明瞭です。

・低域
抑揚感やダイナミクスさに優れ、ストレートなボトム表現が芯にありつつも、バスドラムやフロアタムのアタック音のエッジに独特のとろみに芳醇さを感じさせます。

中音～中低音の濃厚でウォームな音色感と、丸みのある音輪郭がアナログテイストで占めつつも、高音の爽やかでハーブのような清涼感と、低音の重みのあるメロウなフレーバー感でサンドしたような“三層的な味わい深さ”が本作の魅力になっています。
奥行き感にも優れ、芳醇さの中で僅かに覗かせる芯の部分がGreen Silkの高品質さのソレで、ヴィンテージな耳あたりやアナログ感のある音の余韻に反して分離感はハイファイ。それらが破綻せずに、高品位なヴィンテージサウンドとして成立しています。