これまでの「Monitor」シリーズでは、ステージモニターやスタジオモニターといった、音楽制作の様々な環境下を想定したチューニングが行われてきました。一方で、往年の名機と称される IEM を振り返った際に、モニターイヤホンでありながらリスニング用途としても広く愛されていることに着目いたしました。時代を築いてきたサウンドをリスペクトしつつ、現代的なクオリティに引き上げることにより、プロユースにも対応するモニタリング性能を備えながら、コンシューマーにとっても気軽にその魅力を体感していただけるチューニングとなっています。

「リスニングモニター」の設計思想のもと、これまでの Myrinx EL をベースに Myrinx EL-B ドライバーを新規開発しました。音場感や空気感を重視しながら、豊かな低音、柔らかなニュアンスのボーカル、特徴をもたせた高域といった難易度の高い要素をすべて揃えるサウンドを実現するために、振動板にベリリウム合金の薄膜成型ドームを搭載。従来のドライバーユニットに比べ、さらに正確なモニタリングを可能とします。

本製品のボディは今までのシリーズから一新し、金型成型ではなく 3D プリントでシェルを作成しています。透明度の高い医療用グレード対応高精度 3D プリンタで出力されたクリアシェルにより、高級カスタム IEM ライクな美しい仕上がりと高堅牢性を実現いたしました。ノズル部分にはステンレスを採用。チタンに迫る高硬度により不要な共振を抑え、微細なサウンドも余すことなく再生いたします。アルミニウム素材の立体的なフェイスプレートと合わせてどちらもバフ加工で仕上げており、メタルパーツを美しい光沢で統一した高級感のあるデザインにまとめています。また、シリーズに共通する小型なボディサイズは踏襲し、幅広い耳の形状に自然にフィットするハウジングデザインとなっています。
*製造の都合上、樹脂部分に若干の気泡などがある場合がございますが、不良ではございません。

ケーブルには、シルバーコートの高純度リッツ線とケブラーワイヤーを編み込んだ専用のイヤホンケーブルが付属。取り回し性を高めるために PU 素材の被覆を採用し、これをツイストすることでしなやかで取り回しが良くかつ、断線しにくいケーブルを実現しました。また、コネクターのグリップ部分もすべてメタル素材に統一しており、シリーズのハイエンドモデルにふさわしい仕上がりとなっています。
コネクターには、(株)日本ディックスが設計・生産する高音質・高信頼性を誇る新 IEM コネクター「PentaconnEar(ペンタコンイヤー)」を採用。従来型の MMCX コネクターよりも、プラグ部分とジャック部分がより密接に接触し、伝導性能に優れます。また、脱着の容易性と堅牢性の両立も実現しています。コネクターにはコネクタ部分に汗が入りにくい構造である Pentaconn Ear Long-Type を採用。Pentaconn Ear は他のコネクタに比べて着脱や使用による摩耗や汗による接触不良リスクを減らし高信頼性のあるコネクタでアクシデントを減らします。また、万が一断線してもケーブル着脱交換が容易に可能な構造であり、実用を重視した構造となっております。

Acoustune イヤホン開発時のリファレンスとしても使用されているシリコンイヤーピース「AET07」、フォームタイプならではの密閉感を得られる「AET02」が付属。音質劣化を避けつつ、高いフィッティングを実現します。

同社の AS2002(USB-DAC)で採用されたコンパクトな合皮製キャリングケースが付属、外箱は無く、Acoustune 初採用のアルミ製スリーブで纏めました。