この線材との出会いは僥倖そのものでした。詳細はトップシークレットですが、伝説の初代フラッグシップケーブルである「Sieve Sheep」を始めとして、「Hidden Sheep」や「Floating Sheep」などの超絶レアワイヤーと同様に、「同じ製造元」「前述の3ワイヤーと近い年式（推定1940年代後半）」そして「これまでにない質量感のもの」のワイヤーを少量ですが入手いたしました（ただしSieve Sheepと同線材かは定かではありません）。
入手ルートのブローカー曰く、見つけた当初は巻かれているワイヤーの表層部分に経年劣化の影響による外観的な汚れと腐食の状態が見受けられたものの、その表層部分をある程度除去したヴェールの先に「美しいシルク巻きの真新しいようなワイヤーが現れた！」と語っていました。
こうして巡り巡って運命かのように我々の手元に舞い降りたこの超絶レアワイヤーの気になるスペックですが、なんと1芯あたり0.07mmが束となった「1巻140芯」という驚くべき芯数の非メッキ銅線で、そこに二重シルクが施された極めて物量にコストの掛けられたリッツ構造となっております。1接点につき140芯、イヤホンのLRの+-接点合計4束（合計560芯！）を使い製作を行った、WAGNUS. のスタンダード構成でもある4コアリケーブル開発史上で最多芯数になります。
今回の5本をもちまして「Woodland Sheep」はついに終売となります。この機会をどうぞお見逃しなく！

Woodland Sheep最大の特徴は、その膨大な情報量から繰り出される「微細音の超明確化」と、艶やかに「燦々と輝く中域」を中心とした特大のホール感が気持ち良い程の一体感を生み出す、「熱量のあるサウンドステージ」です。
ボーカルのボイスの息継ぎはおろか、ほんの微かな一音まで余すことなく明瞭に表現し、それでいて主役音との強弱も見えやすく、ウォームで非常に「音楽的」であり、文字通り「全てが聴こえてくる」ような圧巻さが心地よい至上のエモーショナルケーブルとなっています。

高域は耳当たり抜群のスーパーシルキーさで、金物音は主張しつつも滑らかなエッジ感が美味しくも上質。スティックの力加減まで見えてくるようなレガートの繊細表現が見事です。
中高域におけるギター表現の音ノリの良さやそれに伴う追随性が聴き応え十分で、ロングサスティンの描写も優雅です。
中域は美しい倍音に圧倒的な存在感を放つボーカル表現・・もはやこれに尽きるといった具合で、明瞭感と伸び感、そしてツヤ感の中に無二のブライトさがあり、力強く説得力に満ちたクリスタルクリアーボイスをご堪能頂けます。リバーブの音伸び、コーラスや副旋律に関しても繊細な充実ぶりが印象的です。
低域のバスドラムはタイトでありながら広く深く、インパクトの残響感がステージいっぱいに響き渡ります。
そして中低域の重厚なコシ感が身体にまで響くようなベースラインが、ソウルフルな熱気あるグルーヴを展開します。

新たな音の発見と、それが立体的にしっかり耳の奥まで届ききるような聴こえ方が、本作における情報量の凄まじさを物語っています。雰囲気と本質をパーフェクトでかつ絶妙なレベルのピント描写を兼ね備え、それがどこか懐かしいような、はたまたどこか現代的でもあるかのような・・まさに「タイムレス」なスーパーエモーショナルサウンドが炸裂します！