Ghost は、全く新しい革新的な 40mm サファイア・ダイナミック・ドライバーを採用しています。このドライバーの基盤は、サーメット(セラミックと金属の複合材)を熱可塑性ポリマーフィルムスタビライザーに重ねた新しいダイアフラムです。
組成する素材を決定するため多くのテストを重ねた結果、チタン合金とポリマーセラミック酸化物の配合のサーメットを選び、マグネトロンスパッタリング方式でメッキ処理を施しています。真空マグネトロンスパッタリング法により、サーメットを分子ごとに 30 層ずつ積層し、180 ナノメートルの超薄型・超精密シートを作り、それを切り出して振動板を形成します。
その結果、サファイア振動板は、平均密度 1.4g/cm3、ヤング率(縦弾性係数)7.45Pa、ドライバー反射時間2301ns、内部ダンピングファクター0.032 という高い測定値を得ることができました。
(参考までに他の素材でメッキ加工したものは、同じポリマーフィルムにニッケルのみをメッキしたものは、ヤング率 5.82Pa、反射率 2002ns、内部ダンピングファクター0.029、グラフェンメッキはヤング率 6.21Pa、反射率 2162ns、内部ダンピングファクター0.027 となった。)
定性的なリスニングでは、サファイア・ダイナミック・ドライバーは非常に高い応答性とトランジェント、明瞭さ、そして低音の力強さを特徴としています。振動板に十分な磁束を供給するため、GHOST では強力な N52 マグネットが使用されています。

Ghost は、THIEAUDIO のヘッドホン音響工学のあらたな先例となりました。最大の目標は、ヘッドホンのトーンバランスを再定義し、妥協のないオーディオクオリティを実現することでした。これを実現するために、ダイナミック型ドライバーの音響的な空気の流れや、振動膜の圧力を細かく調整するための音響キャビティを一から設計し直しました。無数の微細な音響チューニングを施した結果、あらゆる周波数帯域で人間の耳が感じる聴覚と完全に一致するトーンバランスを実現しています。
特に、Ghost のチューニングは人間の耳の耳介と耳小骨の音響特性にマッチするように調整されています。この丁寧な調整により、楽器やヴォーカルの音にメリハリをつけ、粗さや鋭さを感じさせない、生き生きとした音を実現しています。中音域は、自然でありながら無機質でないようにチューニングされています。中音域の肥大化や濁りを抑えつつ、楽器のボディやヴォーカルのふくよかさにはほのかに温かみのある質感を持たせるよう、丁寧なエンジニアリングを行っています。また、低音は豊かでありながら、強調しすぎず、自然なトーンバランスを保っています。

Ghost プロジェクトの重要な目標の 1 つは、ヘッドホンで可能な限り自然なサウンドを提供することでした。
これを実現するために、開放型のヘッドホンデザインを選択しています。Ghost の開放型デザインは、ドライバーの外側の音響キャビティに自然な空気の流れを作り出します。この自然な空気の流れがドライバーの駆動力を高めるとともに、リスナーの周辺感覚を向上させることができます。Ghost の開放型デザインは、すべての楽曲に生命力あふれるステージを提供し、ステレオスピーカーで聴くような完全なオーディオ体験を提供することに成功しています。

*上記仕様は 2023 年 4 月現在の情報に基づきます。品質の向上のため予告無く変更する場合があります。