KaiserシリーズやKHANといったハイクラスイヤホンで名を馳せたブランド「Noble Audio」がついに完全ワイヤレスイヤホンも出すのか！と話題になったのは2019年10月のことでした。その技術力の高さからイヤホンマニアの間で「Wizard（魔法使い）」と呼ばれた開発者ジョン・モールトン氏が手掛けるとあって、大変な人気を博したモデルがFALCONです。その後発売された後継機種「FALCON2」や上位機種「FALCON PRO」もあわせ、完全ワイヤレスイヤホンの世界においてFALCONシリーズは確固たる地位を築いています。

そのFALCONシリーズについにノイズキャンセリング機能付きモデルが登場します！その名も「FALCON ANC」

今回はこちらの「FALCON ANC」について、その特徴と音質をレビューでお届けしたいと思います。

まずはパッケージの内容物をチェックしましょう。イヤホン本体が収められた充電ケースにキャリングポーチ、充電用USBケーブル、耳からの落下を防ぐオプションのイヤーフック2種類、そしてイヤーチップはシリコン製とウレタン製の2種類・3サイズが付属しています。

続いてイヤホン本体もチェックします。これまでのFALCONシリーズ3モデルがコンパクトなカナル型だったのに対し、この「FALCON ANC」はいわゆる”スティック型”となっています。ドライバーは従来モデルが6mm径のダイナミックドライバーを採用していたのに対し、「FALCON ANC」ではPU（ポリウレタン）層とチタン層の2層構造を採用した10mm径の「Dual-Layered Titanium Driver」を搭載しています。そのため、本体サイズはやや大柄です。

また、これまでのFALCONシリーズがカサの薄いイヤーチップを採用していたのに対し、「FALCON ANC」では一般的なサイズ感のイヤーチップが使われています。

操作はタッチパネル方式です。Bluetoothチップはクアルコム製「QCC3056」を搭載し、低遅延・高音質のほか高い接続品質と高効率化を実現しています。

FALCON ANCに搭載されているノイズキャンセリング機能は、外音を取り込むための「フィードフォワード用マイク」と、装着時の外耳道の反響を取り込むための「フィードバック用マイク」を組み合わせたハイブリッド方式です。これにより、自然なノイズ抑制が可能となっています。

また、ノイズキャンセリング効果は専用アプリで3段階の調整が可能です。
マイクといえば、最近の完全ワイヤレスイヤホンでは通話品質も重要な要素となっていますがこのFALCON ANCは音声通話用コーデック「aptX Voice」に対応しています。32kHzの音声通話品質を提供することで音声通話体験を向上させ、クリアな通話が可能となっているそうです。

こちらが専用アプリ「FACLON ANC」の画面です。このアプリではFALCON ANCの各種機能調整のほか、ファームウェアのアップデートも可能です。

なお、外音取り込み機能とノイズキャンセリング機能は同時に動作させることはできず、どちらか片方だけONにするか、両方ともOFFにすることになります。
※アプリは正式リリース前のバージョンのため、正式版では表示および機能に変更が入る可能性があります

Noble Audioのこだわりを感じさせるのが「マスターゲイン」という項目です。これはFALCON ANCの出力を0～マイナス12dBまで下げることができ、接続先のスマートフォンなどの組み合わせではちょっと音量が大きすぎる…という時に非常に便利な機能です。

もちろんイコライザー機能や、ゲームプレイ時に最適な低遅延モードなども搭載しています。

専用アプリでいろいろと設定変更している時に「あれ、これってどんな機能だったっけ？」と迷ったとしても大丈夫。各項目をタップするか、画面下に表示される歯車マークを押すと各機能の詳細が表示されます。

さらに項目の表示方法を1列、2列に切替できたり…

スマホのガジェットのように、あまり使わない機能は非表示にすることも可能とカスタマイズ性もバッチリです。

それでは音質の方も確認してみましょう。今回はスマートフォンとaptXで接続し、サブスク音源を数曲再生しながらFALCON ANCの各種機能も切り替えて使ってみます。

まずはノイズキャンセリング機能をONにした状態での試聴です。やや中低域の厚みと柔らかさを感じさせるサウンドバランスですが、高域のヌケや響きも良く音のこもり・詰まりは感じません。音場は頭のまわりに少し広がる程度ですが、前後の立体感を充分に表現しています。ボーカルの情感表現も良好で、歌モノに適したイヤホンであるように思います。ノイズキャンセリング機能の効き具合はしっかりと騒音を打ち消しながら、話し声などはちょっとボリュームを落とした感じで届けてくれます。

外音取り込み機能をON（ノイズキャンセリング機能はOFF）にすると、エアコンなどの暗騒音をちょっと拾いやすいもののそれ以外はわりと自然な感じで外音が聴こえ、マイクで集音しましたという印象はあまりありません。

ノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能をON/OFFした場合の音質変化については、特にノイズキャンセリング機能をOFFにした場合にほんの少し低域が薄くなる印象はあるものの、これらの機能を使うことで音質が悪くなるような影響はありませんでした。安心してノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能を使いながら音楽を楽しめるモデルになっています。

Noble Audio FALCONシリーズ初となるノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスイヤホン「FALCON ANC」は
・Noble Audio自慢の音質を維持したままノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能を実現
・豊富な機能でも使いやすくカスタマイズ性の高い専用アプリ
・中低域の厚みとボーカルの情感表現が際立つ聴き取りやすいサウンド
と、人気シリーズならではの安定した品質と新しいテクノロジーが見事に一体化したイヤホンとなっています。

「FALCON ANC」は本日よりご予約受付開始、発売は5月13日を予定しております。デモ機も本日よりご用意しておりますのでぜひ一度店頭でお試しください。