RAPTGO（ラプトゴー）は中国Minami Medical Technology社が立ち上げた、新しいオーディオブランドです。Minami社は音響の分野で長年の研究開発と生産の経験を積んだメーカーでもあります。

そのRAPTGOのデビュー作であるイヤホンがここ日本でも本日発表、発売開始となりました！それがこちらの「HOOK-X（フック・エックス）」です！

今回はこのHOOK-Xについて、詳細と音質レビューをお伝えします。

HOOK-Xは、14.2mmという大口径の平面駆動ドライバーと、18個のセラミック圧電素子からなる両面積層方式で設計された圧電(PZT)ドライバーという、珍しい組み合わせのハイブリッド型インイヤーモニターとなります。

平面駆動ドライバーの高音域の伸びやかなレスポンスを、PZTドライバーで音の解像度と空気感をそれぞれ実現しているとのことです。

メタリックグリーンで縁取りされたフェイスプレート部をよく見るとお分かりのとおり、HOOK-Xは開放型のイヤホンとなっています。これは平面駆動ドライバーの特性を際立たせるために、最大限の空気の流れを確保することが目的だそうです。

HOOK-Xのケーブルコネクタは一般的な0.78mm径の2pinタイプとなっています。

HOOK-Xのステム（軸）は一般的なサイズで、イヤーピースもさまざまなタイプのものが使用可能です。ステム先端にはパンチングメタル状のフィルターが装着済みとなっています。

付属のケーブルは布巻で柔らかく、取り回しは良好です。プラグ部はモジュラーコネクタによる交換式で、2.5mmバランス、3.5mmシングルエンド、4.4mmバランスの交換プラグが付属しています。交換方法はまっすぐ抜き差しするだけですが、同様の交換式プラグと比べるとやや差し込み部分が浅いので交換時にはご注意ください。

それではHOOK-Xの音質チェックといきましょう。今回はAstell&Kern KANN ALPHAと組み合わせ、バランス接続での音質も確認してみます。

全体的にはやや高域寄りの柔らかいトーンのサウンドで、開放型らしい音場の広がりと優しく伸びる高域が印象的です。平面+圧電というドライバーの印象から高域表現に気を取られがちですが、平面駆動ドライバーが直径14.2mmもの大口径であることが効いているのか、予想以上に芯のある重い低域を再生してくれます。丸みのある音のため解像感は際立って高い感じではありませんが、左右に広さを感じる音場の中でそれぞれの音の定位もしっかりと表現されます。

バランス接続にすると音像がさらに大きく、はっきりと現れるイメージです。出力が高くなっている影響か、アタック感も増しているように感じます。その反面、ボーカルがかなり近くに感じられるところもあるので、このあたりは好みが出る部分かも知れません。とはいえプラグ部分のみを交換するだけで簡単にシングルエンド・バランスの切替ができるので、使用シーンにあわせて気軽に使い分けるのが良いのではないでしょうか。

一方で、開放型であるためやはりフェイスプレート部からの音漏れはかなり大きめです。刺激が少ないサウンドなのでついつい音量を上げたくなってしまうイヤホンですが、周囲の環境にはしっかり配慮して楽しむ必要がありそうです。

新鋭ブランド・RAPTGOのデビュー作となるイヤホン「HOOK-X」は
・14.2mm径の平面駆動ドライバーと、セラミック圧電(PZT)ドライバーという珍しい組み合わせのハイブリッド型
・モジュール交換で2.5mm/3.5mm/4.4mmのプラグに対応可能
・優しく伸びる高域と芯のある低域をあわせ持った柔らかなサウンド
と、仕様・サウンドともになかなか個性的かつレベルの高いイヤホンとなっています。

HOOK-Xは本日から発売開始、試聴機もさっそく展示しておりますので、ぜひ店頭でお試しください！