メーカーによって有線イヤホンの特徴や音質は様々です。有線イヤホンはメーカーごとの個性が際立っており、自分の好みに合った1台を見つける楽しさがあります。今回はオーディオ専門店が自信を持っておすすめする有線イヤホンメーカーと、その特徴について解説します。
目次
SENNHEISER(ゼンハイザー)
final(ファイナル)
Audio-Technica(オーディオテクニカ)
radius(ラディウス)
THIEAUDIO(セーオーディオ)
SHURE(シュア)
AZLA(アズラ)
FIIO(フィーオ)
DUNU-TOPSOUND(ドゥヌゥ)
MADOO(マドゥー)
HiFiMAN(ハイファイマン)
SIMGOT(シムゴット)
64 AUDIO(シックスティーフォーオーディオ)
Acoustune(アコースチューン)
水月雨(MoonDrop)
Maestraudio(マエストローディオ)
intime(アンティーム)
qdc(キューディーシー)
Campfire Audio(キャンプファイヤーオーディオ)
Noble Audio(ノーブルオーディオ)
まとめ
SENNHEISERは、1945年にフリッツ・ゼンハイザー博士が測定機器メーカーとして 創立したドイツの音響機器メーカーです。
SENNHEISERのイヤホンは、オーディオファンから「モニターサウンド」と評されるナチュラルで疲れにくい音作りが特徴です。リスニング向けモデルだけでなく、モニタリング向けやワイヤレスイヤホンなど、比較的手ごろな価格からハイエンドモデルまで幅広くラインナップされています。上質なビルドクオリティと音質で、高い人気を誇ります。
finalは、2007年に設立された日本のオーディオブランドで、有線イヤホンや有線ヘッドホンを多数展開しています。独自の音響哲学と設計思想を持った製品は、測定では表せない「自然な音の響き」「余韻の美しさ」に定評があり、有線イヤホンはAシリーズ、Bシリーズ、VRシリーズ、Eシリーズを、2,000円台からハイエンドモデルまでラインナップしています。
クリアな中高域とタイトな低域、そして開放的なサウンドを特徴としており、オーディオファンから高い支持を獲得しています。
Audio-Technicaは、「オーテク」の愛称でも親しまれている日本のオーディオブランドです。カジュアル用からプロ仕様の製品まで幅広いラインナップを展開し、1962年の誕生から現在まで、国内外で根強い人気を誇る老舗ブランドです。
有線イヤホンにおいても多くのラインナップを誇り、高いコストパフォーマンスと個性的な音作りで定評を得ています。
radiusは、独自の音作りやデザイン性で国内外に根強いファンがいるオーディオブランドです。もともとはアメリカで設立され、Macintoshのコンピューター周辺機器・アプリケーションソフトウェア開発企業の日本法人から独立してオーディオ機器メインの製品開発を行うユニークな歴史を持つオーディオブランドです。
中低音中心のバランスの良いサウンドとユニークな製品づくりを特徴としています。
THIEAUDIOは、中国・深圳を拠点とするオーディオブランドで、ハイエンド志向の有線イヤホンを手ごろな価格帯で提供していることで注目を集めています。THIEAUDIOの有線イヤホンは、複数のドライバーを組み合わせたハイブリッド構成が多いことが特徴としてあげられます。また、エントリー機から10万円以上のハイエンドモデルまで幅広いラインナップを誇り、他社の同等性能イヤホンより価格が手ごろなことでも知られています。
音質は、分離感と空間表現に優れたサウンドで、モニターライクなフラット傾向の音が特徴です。
SHUREは、プロ用マイクやイヤホン、ヘッドホンで高い評価を受けているアメリカの老舗音響機器メーカーです。特にプロ用マイクのメーカーというイメージが強いですが、一般やスタジオ用に向けたイヤホンやヘッドホンが販売されており、高いクオリティで人気を集めています。有線イヤホンでは、リスニング用途だけでなくモニター用としても、世界中のプロミュージシャンに使用されていることで知られています。
音質は、スタジオやライブのモニター用イヤホンとして設計されている製品が多いことから、バランスが良く原音に忠実なフラットな特性の音を特徴としています。その特徴から、近年ではゲームプレイ用イヤホンとしても高い人気を誇ります。
AZLAは、2017年に韓国で設立された注目のオーディオブランドです。有線イヤホンは装着性へのこだわりや独自チューニングが特徴で、高い評価を受けています。 特にストレスフリーな装着性は、イヤーピースを多く販売している同社の強みが現れています。
買いやすい価格ながら高音質を実現しており、硬めでドライな音質で、ロックやボーカル曲との相性が良い音を特徴としています。
FIIOは、中国の広州に本社を置く音響機器メーカー「FiiO Electronics」のポータブルオーディオブランドです。 2007年の設立以降、コストパフォーマンスの高さや最新トレンドにも柔軟に対応した製品づくり、豊富な製品ラインナップで高い評価を獲得しています。
音質は、高解像度でクリアなサウンドを特徴としています。中高域寄りのフラットなサウンドは、特徴的な味付けをすることなく原音に忠実に鳴らしてくれます。その音質特徴と高いコストパフォーマンスから、高い人気を誇っています。
DUNU-TOPSOUNDは、1994年に設立された中国・深圳を拠点とするイヤホンメーカーです。当初はOEM専門メーカーでしたが、自社ブランドモデルの発売をスタート。2012年10月秋のヘッドフォン祭で日本国内初出展して以降、現在では多くのイヤホンマニアから定評を獲得しています。
自社開発ドライバーと高品質ケーブルを内製することで、音の伸びが良い力強いアタック感のライブサウンドを特徴とした音を実現しています。
MADOOは、2021年に日本で設立されたイヤホン専業のオーディオブランドです。Acoustune製イヤホンや高級イヤホンのOEM/ODM開発を手掛けてきた日本人エンジニアが、「次世代のドライバーや新しい素材を使ったイヤホンを作る」というコンセプトの元に立ち上げられたAcoustuneのサブブランドです。2022年に発売されたデビュー作・typ711をはじめ、歴代モデルにはフェイスプレート部にサファイアクリスタル製の”窓”が設けられているというユニークな特徴を持っています。
武骨なデザインのイメージ通り、低音域の重厚感、キレのある寒色系のサウンドが特徴です。
HiFiMANは、2007年設立の中国天津市に本社を置く「海菲曼(天津)科技」の高級オーディオブランドです。近年では特に平面型ヘッドホンで人気が高く、高額品というイメージだった平面型ヘッドホンをリーズナブルな価格で販売し、ファンを増やしています。有線イヤホン分野でも実力派として知られ、フラッグシップイヤホンであるSvanarは高い評価を獲得しています。
音質は、開放的な音場、ナチュラルな響きを特徴としています。
SIMGOTは、中国のハイファイオーディオブランドで、有線イヤホンに強みをもつ注目のメーカーです。リーズナブルな価格帯から高コスパモデルまで揃い、ハイブリッドドライバー構成を搭載した機種も多いことなど、品質・音質ともに評価されています。
中高域が明るくクリアで引き締まった音質が特徴です。また、ボーカルが前面によく聞こえるので、ボーカル曲をメインに聴く方に特におすすめです。
64 AUDIOは、ワシントン州バンクーバーに本拠を構えるプロミュージシャンやオーディオファン向けカスタムIEMのメーカーです。聴覚障害リスクを抑える技術「apex(Air Pressure Exchange) Technology」や、独自のチューブレス設計を採用した「tiaドライバー」などの新しい技術を次々に生み出し、カスタムIEM業界をけん引しているメーカーのひとつです。
音質傾向は、高解像度かつ自然な音場を特徴としており、ロックやクラシックなどジャンルを問わず活躍します。
Acoustuneは、日本のイヤホン専門メーカーで高品質の有線イヤホンを手がけるブランドです。アルミ削り出しのメカニックなデザインと、医療用途にも使われるポリマーバイオマテリアル「Myrinx(ミリンクス)」を振動板素材に使用した「ミリンクスドライバー」など先進技術を活用することが特徴で、近年では国内外で熱心なファンを獲得しています。
シャープな空間表現を特徴としており、姉妹ブランドやコラボモデルも人気があります。
水月雨(MoonDrop)は、2015年に創業した中国発のイヤホンブランドで、高品質なイヤホンで世界的な評価を獲得しています。2017年にブランドの代表作ともいえるイヤホン「Liebesleid」を発売以降、あっという間に人気ブランドとなりました。有線イヤホンは、買いやすい価格~ハイエンドモデルまで幅広く、初心者からマニアまでカバーする多彩なラインナップを誇ります。
明瞭で解像度の高い中高音域とクオリティの高さを特徴とした音質で、世界中のオーディオファンの心をつかんでいます。
Maestraudioは、オーツェイド株式会社のイヤホンブランド(intime)で培った「セラミックオーディオテクノロジー」を、より高度にブラッシュアップした精密チューニングのイヤホンブランドです。有線イヤホンに特化した高い品質とモニター志向の設計が魅力で、こだわりのドライバーと筐体加工によって、解像度・音場・装着性のバランスに優れたモデルを展開しています。
歪の少ない、中高域主体のナチュラルな音質を特徴としています。
intimeは、2017年に設立された群馬県発のイヤホンブランドです。その最大の特徴は電子セラミックの技術を投入して開発したセラミックツイーター「VST」です。このVSTを用いることで低価格でも圧倒的な広帯域再生能力を実現したイヤホン・碧 (SORA) シリーズが話題となりました。
最近では自社製品だけでなく、他メーカーへの技術協力も活発に行っています。セラミックツイーター「VST」を用いて煌びやかでキレが良く、解像度の高い高音域を特徴としています。
qdcは、中国深センに本拠を置くカスタムIEMブランドです。中国のプロフェッショナル・オーディオ市場において、ステージモニター用カスタムイヤーモニターで70%を超えるシェアを誇るブランドとして知られ、近年ではカスタムIEMだけではなくユニバーサルモデルもエントリークラスからハイクラスまで幅広く展開しています。
また、ドライバーにおいてもダイナミックドライバー一基搭載のものからハイブリッドタイプまで幅広いドライバー構成のイヤホンを展開しており、明瞭で力強いサウンドを特徴としています。
Campfire Audioのイヤホンは、リキッドメタル合金筐体を採用したモデルや特別な加工処理を施したダイナミック型ドライバー、3Dプリンターによるアコースティックチャンバー設計を採用するなど、新しい価値を追及した製品づくりを追求、煌びやかさと重厚感のあるサウンド、そしてユニークなデザインを特徴としています。
Noble Audioは、アメリカで設立されたIEM(イン・イヤー・モニター)イヤホンを専門とするオーディオブランドです。オーディオロジスト(聴覚学者・聴覚専門医)であるジョン・モールトン博士により、2013年に設立されました。世界には数多くのイヤホンブランドが存在していますが、オーディオロジストを擁する数少ないブランドがNoble Audioです。
専門家の知見を生かした製品づくりと芸術的なデザインが特徴で、世界各国で高い評価を獲得しています。
有線イヤホンメーカーのおすすめとその特徴を紹介しました。メーカーごとの個性が際立っており、製品ごとに大きく音質が変わります。この記事で紹介した特徴を参考にしてみてください。自分の好みに合った1台を見つける楽しさを味わっていただければうれしいです。