この10年の傾向として、ミドルクラス~ハイクラスヘッドホン(&イヤホン)では、ケーブル脱着が可能な構造を採用している機種が多くなっています。どんな風に音質が変わるのか、気になる方も多いはず。
そこで今回は、アコースティックリバイブのヘッドホンケーブルで音の違いを楽しんでみました!
これは本来、使用頻度の激しいプロ用モニターヘッドホンなどの場合一番傷みやすいコネクターとケーブル部分を交換可能にしていたものが、最近では「音質の向上、または変化を楽しむため」という目的に変わりつつあり、またこの数年流行している「バランス接続」などに対応するため、ヘッドホンメーカーでも中高級機については積極的にケーブル脱着タイプとする、いわゆる「リケーブル対応」機種が増えてきています。
数あるヘッドホンケーブルメーカーの中から今回は、国産オーディオアクセサリーの専門メーカーとしてピュアオーディオ系でも歴史と実績を持ち、ヘッドホンケーブルもかなり早い時期から手掛けてきている アコースティックリバイブ(関口機械販売) が昨年末に販売を開始したばかりの新型ヘッドホンケーブルを、(営業担当さんのお勧めもあり)今回テストしてみることにしました。
用意したケーブルは、この2本です。
まずはRHC-2.5HE-S-TripleC-FMから、使用するヘッドホンはもちろんこちら、ヘッドホン界のリファレンスと呼んで過言ではない名機、春のヘッドフォン祭2009で国内正式発表されて以来多くのファンに愛されている、 SENNHEISER HD800 を用意しました。
HD800のヘッドホンケーブルは、端子に主に医療機器などに使われる高価ですが信頼性の高い「LEMO」社製コネクターを採用。また、この太い純正ケーブルは非常にクオリティが高く、下手なサードパーティー製ケーブルでは太刀打ちできないほどのもので、このオリジナルケーブルを越えるレベルのものを作ろうとなると相当高額になってしまいます。
それでは比較試聴をスタートしてみましょう、プレーヤーはAstell&Kern AK380 Copper(生産完了)を使用、300Ωというハイインピーダンスでポータブルプレーヤでは鳴らしにくいとされるHD800でも楽々ドライブします。
久しぶりにHD800の音を真面目に聴きましたが、いやぁ、やはりいいですね。イントロのギターの響きからHD800の奏でる音世界に引き込まれます。サビに入る前、左右に展開するコーラスの音の広がり方といったら、ヘッドホンの概念を破られること必至です。開放型ヘッドホンならではの広大な音場、にもかかわらず重低音から最高音までまんべんなく、よどむところ無く出ていて圧倒的な微粒子的な音のシャワーに浸れる、これがHD800の音です。この組み合わせは素晴らしい
・・・おや?純正ケーブルと比較して、すぐ分かったのは「音がカッチリ出てくるようになった」ところ。
「高いヘッドホンにお高いケーブル使えば、そりゃ良いでしょうよ!」という方、ご安心を。こちら、 AKG Q701 でもテストしてみましょう。3万円超えるヘッドホンですから「安くはない」ですが、それでもHD800の1/5以下というお値段。しかし前身のK701(生産完了)をベースに、あのジャズ界の巨匠クインシー・ジョーンズが監修したモデルがこのQ701。これまた「鳴らしにくい」と言われる気難しい一面も持っていますが、その実力はマニアならご存知。ライムグリーンとブラックの2トーンがカッコイイですね。ただ、さすがにケーブルまではお金をかけにくい価格帯になってくるため、見た目普通そうなケーブルが付属してきます。
こちらの端子は、AKGのミドルクラスヘッドホン、スタジオモニターヘッドホンの多くの機種に採用されているタイプ、ミニXLRと呼ばれる端子。AKG以外にもパイオニアDJなどのプロユース・ヘヴィユースのモニターヘッドホンへの採用例が多い端子です。
この2機種の他にもメジャー系の各ヘッドホンに適合するケーブルやアンプ側へのバランス接続用ケーブルも用意されているアコースティックリバイブの新「Triple-C」ヘッドホンケーブルシリーズ、試してみませんか?なお、上記2機種のケーブルについては中野ブロードウェイ3Fのフジヤエービックヘッドフォンショップで試聴用デモ機を用意しており、音を聴いてご確認頂けます。アコリバの新シリーズも試してみませんか?