Dan Clark Audioの上位モデルに採用されているAMTSを搭載したミドルクラス第2弾、NOIRE-XOが新登場!音質や装着感だけでなく、第1弾のNOIRE-X、そしてハイエンドモデルのEXPANCEと比較しながら、その魅力を専門店スタッフが徹底レビューします。
目次
Dan Clark Audio NOIRE-XOはこんな方におすすめ
Dan Clark Audioとは
Dan Clark Audio NOIRE-XOの特徴
使用感について
NOIRE-Xとの比較
NOIRE-XとNOIRE-XOどちらがおすすめ?
EXPANSEとの比較
専門店スタッフおすすめポイント
Dan Clark Audioの新製品、NOIRE-XOはこんな方におすすめです。
・広々とした音場で音楽に浸りたい!
・ボーカルや楽器の定位、音の抜け感を重視したい!
・重低音よりも、質感や輪郭がはっきりとした低音が好み!
【商品情報】Dan Clark Audio NOIRE-XO
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Dan Clark Audio(ダンクラークオーディオ)は、旧MrSpeakersとして知られ、2012年にカリフォルニア州サンディエゴで設立されたオーディオブランドです。おもに平面磁界ドライバーを搭載した製品を展開しており、500gを切る軽量なモデルが多いのが特徴です。ミドルクラスからハイエンドまで、質の高いサウンドを追求する製品を製造しています。
特に、独自の技術であるAMTS(Acoustic Metamaterial Tuning System)を搭載したフラッグシップモデル「EXPANSE」と「STEALTH」は、多くのお客様にご愛用いただいている人気モデルです。詳細は当店のブログでも紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
【音質レビュー】Dan Clark Audioの開放型ヘッドホンEXPANSEは密閉型STEALTHとどう違うのか?!
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今回は、フラッグシップモデルにも搭載されている「AMTS:Acoustic Metamaterial Tuning System」を搭載したミドルレンジモデルの第2弾として、新たに登場したNOIRE-XOを徹底レビューします。
AMTSは、高周波定在波を低減し、位相を改善することで滑らかなサウンドステージを実現するというものです。上位モデルに採用されている技術を、NOIRE-XO向けに最適化して搭載しています。これにより、低域のレスポンス向上、高域の伸びの良さ、そしてサウンドステージの改善を実現。楽器やボーカルの定位感も向上しています。
STEALTHやEXPANCEに搭載された第4世代ドライバーからさらに進化した第5世代プラナードライバーを、NOIRE-XO専用に再チューニングして搭載しています。これにより歪みを改善し、AMTSと相まって、開放型では不可能とされていた中低域をほぼ完璧に再現しています。
開放型ヘッドホンの課題である低域のコントロールを解決するため、上位モデルE3およびNOIRE-Xに採用されたBass Portを搭載しています。これにより、開放型ヘッドホンにありがちな低域の物足りなさを克服し、上品でキレのある低域を実現しています。
ミドルクラスの有線ヘッドホンでは珍しく、コンパクトに折りたたむことができ、さらに専用のハードケースも付属するため、持ち運びも便利です。
NOIRE-Xと同じイヤーパッドを採用。アルカンターラ調のスエードを採用した表面仕上げで長時間試聴でも蒸れにくい心地よい装着感です。
Acoustic Metamaterial Tuning System (AMTS)と同時期に開発され、それ以降発売される製品すべてに搭載されているヘッドバンド。8時間以上装着しても疲れないを設計方針として開発されています。
ナチュラルサウンドが特徴のRME / ADI-2/4 Pro SEで試聴しました。
「透明感のある女性ボーカル」と「質の良い低域」が、このモデルの大きな魅力です。低域は、過度にドゥンドゥンと響く量感ではなく、深い響きと芯の強さを両立しています。Bass Portの恩恵もあり、上品で聴きやすい鳴り方です。輪郭がはっきりとした弾むようなサウンドは心地よく、物足りなさを感じることはありません。また、まるで広いホールで聴いているかのような広大なサウンドステージも特徴です。優れた定位感と奥行きのある空間表現が、豊かな臨場感を感じさせます。
装着感は、軽いつけ心地ながらも高い密閉感と遮音性を感じられます。側圧も優しいため、長時間でもストレスなく快適にリスニングを楽しめそうです。
ヘッドバンドは負荷がうまく分散されており、頭に乗せている感覚がないほど軽いです。エアコンの効いた環境で1時間試聴しましたが、耳が蒸れることなく快適でした。
NOIRE-XOと同じスタンダードモデルの密閉型ヘッドホン、NOIRE-Xと比較してみます。
NOIRE Xは、NOIRE XOと比較すると、ロックやポップスなどのリスニングに特化したサウンドです。低域はドッシリとした厚みがあり、音楽の土台をしっかりと支えます。中域は存在感が際立ち、豊かに広がる響きがボーカルの温かみを引き立てます。音場はタイトに凝縮されており、より一体感のあるサウンドに没入できます。一音一音に芯があり、ナチュラルというよりも、リスニングを楽しくさせるような魅力的な味付けがされたサウンドが特徴です。
【商品情報】Dan Clark Audio NOIRE-X
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・重厚で濃密な低音を楽しみたい方
・一体感のあるサウンドで音楽に没入したい方
・リスニングライクなサウンドを求めている方
・音の広がりや臨場感を求める方
・低音の質を重視する方
・長時間のリスニングでも聴き疲れしにくいものを探している方
ハイエンドモデルの開放型ヘッドホン、「EXPANSE」と比較してみます。EXPANSEは、2022年発売で、同じ「AMTS」を搭載しており、第4世代のプラナードライバーを搭載しています。同じ開放型ではありますが、Bass Portが搭載されていない点や、プラナードライバーが1世代前である点など、異なる部分があるので、実際に聴き比べてみます。
NOIRE-XOと比較すると、高音域が強めで、低音域は控えめです。全体的にスッキリとしたサウンド傾向で、広々とした開放感のあるサウンドステージはNOIRE-XOと似ています。組み合わせるアンプの性能によりますが、RMEとの組み合わせでは、原音に忠実で、丁寧すぎるほど真面目なサウンドに感じました。低音域の深さや力強さについては、NOIRE-XOのほうが上回っているように感じました。
【商品情報】Dan Clark Audio EXPANSE
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長時間のリスニングでも蒸れにくく、重さを感じさせない快適な装着感です。これだけ軽いのに密閉性が高く、ズレにくいため、ストレスフリーで音楽を楽しめます。
開放型ヘッドホンならではの、左右への音の広がりと奥行き、伸びのある高音域がサウンドステージの広さを際立たせています。 低音域は量感よりも深みとキレを重視した設計で、全体的に完成度の高いサウンドに仕上がっています。Dan Clark Audioのハイレベルな音質をこの価格で楽しめる、とても魅力的です。
【商品情報】Dan Clark Audio NOIRE-XO
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店頭に今回ご紹介したNOIRE-XOはもちろん、NOIRE-XやEXPANSEなどのデモ機もご用意しておりますので、ぜひご試聴ください。