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2017.03.18
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ACOUSTIC REVIVE TripleCレビュー | ヘッドフォンケーブルを一気に聴く[Part3]

ACOUSTIC REVIVE TripleCレビュー | ヘッドフォンケーブルを一気に聴く[Part3]

アコースティックリバイブ社新ヘッドホンケーブル "RHC-TripleC-FM" シリーズ の、気鋭の社外レビュワーさんによる集中レビューを掲載。第3弾をお送りいたします。

■この記事の監修 フジヤエービック
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AcousticRevive ロゴ

SENNHEISER(ゼンハイザー) HD650

SENNHEISER HD650

【HD650の特徴】何層にも重なる、ジューシー感のある贅沢な音
1層1層丁寧に重ねた音のグラデーションが美しいです。繊細で音の角がないソフトタッチな音が嬉しいです。
肉厚なのに音のウェーブはしっかりと表現する。どこか温もりの感じる安心感のある音です。

低域にググッと沈むような重みがあるので、全体的に深みが出て、管楽器の華やかさも映えます。
音の余韻は空気が振動してみぞおちに響いてくる感じを上手に表現してくれます。
ピアノも深みを兼ね備えた、1音1音のハーモニーも心地良く演出してくれます。

ゼンハイザー社のハイクラスモデルは製品寿命の長いロングセラーが多いですが、このモデルも長年にわたって販売されています。が、改めて聴きなおすたびに良さを実感する、「飽きの来ない」ヘッドフォンですね。

【リケーブル】RHC-2.5HS-S-TripleC-FM

全長2.5m 適合機種:SENNHEISER HD650、HD600、HD580、HD565、HD545、HD535、HD265

ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HS-S-TripleC

余計なものを除去することによってできた、軽やかさと一体感
音のジューシー感ゆえの音の膨らみや、ちょっと重そうにうねる音に、軽やかさが生まれました。
無駄を省くことによって、音にまとまりが出て全体的な音像がスッキリとした印象に変化したように感じます。

従来では肉厚な音の層という感じの音が、こちらのケーブルでは、芯のしっかりとしていて、立体感のある音に感じられるようになりました。
メロディーの流れが滑らかに、そしてより明瞭になったことにより、音に本来の明るさが出たような印象です。

ヴォーカルはクリア感が増したことにより伸びやかより、繊細な表現力ができて、透明感のある、ややウェット感を感じるようになりました。
分解能は増し、音の鳴りに全体的に余裕ができたかのように感じます。
低域もスッキリとして、無駄な膨らみを抑えてより繊細なバイブレーションとして伝わってくるようになりました。

ピアノや弦楽器には1本の筋がスッと入ったような凜としたハリのある印象に。
音の複雑さを繊細に表現することができ、ヌーディなR&BやJAZZ、複雑なオーケストラ演奏を聴くのにも満足度の高い一品になった気がします。

こちらのHD650もバランス接続対応のため、バランス接続型ケーブルが用意されています。

ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HS-S-TripleC
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【バランス】RHC-2.5HS-B-TripleC-FM

全長2.5m 適合機種:SENNHEISER HD650、HD600、HD580、HD565、HD545、HD535、HD265

ACOUSTIC RHC-2.5HS-B-TripleC

霧が晴れて、本来ある叙情的な音が浮き彫りに
まず、ケーブル交換だけでここまで洗練させることができることに驚きました。
バランス型にすることによって、音の粒子1つ1つに、素材のあらゆる表情を表現できるだけの十分なエネルギーが吹き込まれて、本来のイキイキとした音に変化したという印象です。
だけど、そこに過剰な演出はなく、音温度云々ではなく、聴いた後に語りかけてくるような、音の1つ1つに人肌の温もりを感じるというか、心が温かくなる音だなぁと感じました。

全体的なバランスは変わらず、通常のリケーブルと比べて、音の凸凹感をより滑らかにして、よりスムーズな流れになったと感じます。
S/N比も高く、クリアな印象はより洗練されたように思います。相変わらずたっぷりと情報量を持つ音が、心地よく抜けていきます。

また、高音や弦楽器などの音のシャープな音像が掴みやすくなりました。言葉の語尾や音がフェードアウトしていく様、余韻の消える寸前までの丁寧な表現は、なんだか切なさや感情を誘発させる、音の儚さを感じる叙情的な音になり、つい聞き入ってしまいました。
もともとあった音の深みは、重力を感じるような形のない質のいい重みになった気がします。

ケーブルごとの変化を簡単にいうと、本来の「音の層」という印象から、リケーブルしたことによって「まとまりのある音」へ。
そして、このバランス型は、不要なものがさらに細かく粒子となり、生命力を吹き込んで素材のリアリティが追求された音、という印象です。

「音楽」というメッセージを伝える媒体として、一番大切なものを届けてくれる力がある音って、こういう音なのかもしれないと思いました。

ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HS-B-TripleC
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SENNHEISER HD650

SENNHEISER(ゼンハイザー) HD800

SENNHEISER HD800

【HD800の特徴】主張しない。なのに、圧倒的な再現能力が病みつきに
発売開始から8年が経とうとしていますが、イベントなどでもリファレンスとして使われることが多いモデルです。
「名器」と言われ続ける理由は、この繊細さと軽さ、柔らかさ、透けるような透明感と掴みどころのないような、スムーズに抜けていく滑らかさ。なのに不思議と、満足感がある音。上にも下にも全方位にスーッと伸びていくような空間表現は何時間でも聴いていたいと思わせる魅力があります。

低域はややタイトで落ち着いた鳴りの印象で、全体のバランスを整えるかのような主張を抑えた演出です。
色付けもなく、ゼンハイザーが掲げるナチュラルサウンドの真骨頂を体験できる、という贅沢さ。
「冷たい」というわけでもありませんがHD650に比べ、リアルさを追求し続けた故の、淡々とした音というような印象でもあります。

【リケーブル】RHC-2.5HE-S-TripleC-FM

全長2.5m 適合機種:SENNHEISER HD800

ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HE-S-TripleC

パワーが注がれたことにより、音の存在感が増して本来の魅力が浮き彫りに
もともとのHD800の良さをそのままに、鮮やかさと音の密度がプラスされてパワフルになったように感じます。
良くも悪くもあった優れた抜け感ならではの薄さや軽さという物足りなさが、量感がぐっと増したことで、音が厚く、濃くなって一筋通ったように変化し、今まで聞き逃してしまっていた細かい音もしっかり聴かせてくれるようになった印象です。
色付けもせずに、クリア感を維持したまま、HD800本来の魅力を引き出してくれたかのように思います。

全体的にバランスは変わらず、弾く音、エッジの効いた音の演出がより聞き取りやすくなりました。空間表現がより豊かになったおかげで切りぬいたように音像定位が鮮明になった気がします。
高音の伸びも良くなりウィスパーヴォイスも捉えやすくなり、より訴えかけてくるようなヴォーカルになりました。
音の彫りが深くなり、リズムのメリハリもあり、音像が掴みやすくなりましたね。
もともと持ち合わせていた卓越したリアリティのある表現力が、より明瞭になったように感じます。

どちらかというと、何時間も続けて聴くというよりは、短時間でしっかり聴きたい!というスタイルの私には、HD800に少し物足りなさを感じてしまうことが何度かありました。
ですが、これだけ音がハッキリしたことで「しっかり届いている」という満足感が得られ、本来のHD800の持つ表現力に改めて魅力を感じました。

さて、この状態でも素晴らしい音をバランス型ケーブルはどう変えるでしょう。

ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HE-S-TripleC
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【バランス】RHC-2.5HE-B-TripleC-FM

全長2.5m 適合機種:SENNHEISER HD800

ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HE-B-TripleC

音に呑まれる。ワンランク上の優雅なサウンド
先程のケーブルと比べて、エネルギーや勢い、明瞭さ、鋭さが圧倒的に上がりましたね。
まるで無重力空間に浮かんでるかのように、澄んだ空気感とクリアな音。音に包まれるというか、全方位から音が噴き出してくるような感覚です。

かつて影を潜めていた本来存在した音たちも、総出で飛び出してくるかのようですね。
素材の持ち味をありのまま奏でるかのようなパワフルで余裕のある鳴りに、優雅さすら感じます。

ダイナミックレンジが広がったように感じ、まるで不純物を徹底的に取り除いたかのような、純度の高さは圧巻です。
こんなにも高級感のある音は、「庶民の私にはもったいない!恐れ多い!」と、慄いてしまったほどです。笑

全帯域に十分なエネルギーが注がれることによって、力任せのパワフルではない、鍛錬ゆえの余裕と自信を感じさせるクールな音ですね。
クリアな空間と音との境目がより明確になったことにより、さらに繊細な表現が聴き取れるようになりました。

緻密で研いだ刀のような輪郭の表現で、弦を弾く食い込む指の動き、鍵盤を走る両手、ドラムを叩くドラムスティックのスピード感が脳裏に浮かんできます。
ヴォーカルには艶感が増し、優雅でしっとりとした透明感のある歌声に、思わずハッとしてしまいます。口びるや歯の間から抜ける空気まで聴こえてきます。

高域のキラキラとした音や、サ行は洗練された切れ味故に、やや尖っているように感じるかもしれません。
タイトだった低音は程よい広がりに変わり、やや深みが増したように思います。ドラムスなどの打楽器の軽快さ何時間でも聞いていたくなります。

過剰な演出は一切なく、あくまでも従来のバランスを保ったまま、本来のナチュラルテイストに磨きをかけています。 「本気でリアリティを追求したら、ここまでたどり着ける。」ということでしょうか。

ヘッドフォン本体とケーブルで20数万円!という、まさにハイエンドな世界ですが、弱冠(かな?)29歳にして贅沢なサウンドを体験させていただきました。

ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HE-B-TripleC
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ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HE-B-TripleC

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