CHORDのポータブルDAC「Mojo」はポータブルオーディオファンの間で”Mojo旋風”を巻き起こしました。その高い評価を獲得したMojoが大変な進化を遂げ、「Mojo 2」となって発売を迎えます。今回は音質レビューとともに詳しくご紹介します。
CHORD Mojoとは
CHORD Mojo 2の外観
「Mojo」と「Mojo 2」を比較
Mojo専用オプションモジュール「Poly」と接続
CHORD Mojo2 音質レビュー
製品仕様
まとめ
今をさかのぼること6年半ほど前の2015年11月、ハイレゾプレイヤーブームの初期に現れたのがCHORDのポータブルDAC「Mojo(モジョ)」でした。
コンパクトながら厚感あるボディと個性的な3つのボタン、このサイズからは想像できないほどのハイパワーと解像度の高い音であっという間に人気製品となり、今もなお多くの方に愛用されているモデルです。
そのMojoがついにモデルチェンジ、その名も「Mojo 2」となって帰ってきます!
今回はひと足早くこのMojo 2をお借りすることができましたので、さっそくレポートしたいと思います!
まずは「Mojo 2」の外観からご紹介しましょう。ぱっと見は旧Mojoとあまり変わらない感じです。
しいて挙げれば天板のロゴが当然「Mojo 2」になっている点と…
旧Mojoでは3つだったボタンに今回「M」の字がついたメニューボタンが追加されたのが変更点となります。
左から順にメニューボタン、ボリュームダウン(-)、ボリュームアップ(+)、電源ボタンと並んでいます。
旧Mojoと並べてみても、サイズはほとんど変わりません。
イヤホンジャックも旧Mojoと同じく2つ。
反対側の各種インターフェースを見ると、Mojo 2には同軸(COAX)端子とデータ転送用USB microB端子との間に「USB Type-C端子」が増設されていることがわかります。現在主流のType-C端子が搭載されたことで、スマートフォンやDAPなどとの接続もより簡単になりました。
なお、このType-C端子はデータ転送(PCやスマートフォンなどから入力)専用で、充電はできません。充電については旧Mojoと同じく、右端のmicro B端子で行います。
Type-C端子が増設された以外、各端子の規格や位置は旧Mojoとまったく変わりません。というわけで、別売のMojo専用オプションモジュール「Poly」がそのまま接続可能です!
これはすでにMojo「Poly」のセットを愛用している方にとって嬉しい仕様ではないでしょうか。
※Mojo 2でPolyを使用する場合、Polyのファームウェアがversion 3.0以上になっている必要があります。
【商品情報】CHORD Poly Black
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電源を入れた際の挙動がこちらです。
電源のON/OFFは旧Mojoと同じで、右端の電源ボタン長押しで行います。ボタンを押してから使用可能になるまでは約25秒とちょっと長めなので、その間はそれぞれのボタンがイルミネーションのように光る様子を眺めて待ちましょう。両方のボリュームボタンが点灯すれば起動完了です。
ここで今回追加された、一番左の「メニューボタン」についてご説明します。
このボタンは押すごとに
旧Mojoで切望されていた”ボリュームボタンのロック”が可能となります。これで不意に音量が上がってしまうという事故も防げますね。
唯一、旧Mojoからなくなったのがラインアウトモードです。Mojo 2ではユーザーが適切な音量を選んで接続する必要があります。
パッケージの内容物はMojo 2本体、マニュアル類、microBのUSBケーブルと非常にシンプルです。Type-C端子に接続するためのOTGケーブルや、iPhoneで使用するために必要となるLightning-USBカメラアダプタ(カメラコネクションキット)は別途ご用意下さい。
さていよいよ音質面もチェックしていきます。プレイヤーとしてiPhone Xをカメラアダプタで接続、音源はApple Musicでロスレス・ハイレゾロスレスなどを再生しています。ヘッドホンにはULTRASONE Signature MASTERを選んでみました。
【商品情報】ULTRASONE Signature MASTER
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旧MojoはコンパクトながらCHORDらしいスピード感のあるシャープなサウンドが印象的でしたが、今回のMojo 2でもそれがしっかり引き継がれた上、音の階調が非常に細かく、なめらかになっていることに気づきます。
旧Mojoはそのスピード感の高さもあって、一定の音域のかたまりがいくつも耳に飛び込んでくるようなイメージがありましたが、Mojo 2ではスピード感はそのままで音がスーッと流れ込んでくるイメージです。CHORDの上位モデルの音により近づいたサウンドになっていると思います。
この組み合わせでMojo 2から搭載された「イコライゼーション」機能も試してみました。4つの帯域をそれぞれ19段階調節可能でかなり細かい音の追い込みができますが、そのぶん組み合わせるヘッドホン・イヤホンとの相性も重要になってきます。
たとえば今回使用したSignature MASTERは高域がかなり鋭いヘッドホンですが、20kHzをいっぱいまで上げて聴いてみるととんでもない攻撃力に…。もちろんこれは極端な設定例ですが、旧Mojoでは音が素直すぎて面白味に欠ける、という方には大変いじりがいのある機能になっていますよ。
今度はイヤホンでも聴いてみます。Astell&Kern AK ZERO1と組み合わせてみました。
【商品情報】Astell & Kern AK ZERO1
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こちらもMojo 2の持ち味であるスピード感に、AK ZERO1のキレの良さが加わって非常にエッジの効いたサウンドが楽しめます。
この組み合わせではMojo 2から搭載されたもうひとつの機能「クロスフィード」も試してみました。これはヘッドホンやイヤホンのような音の発生源がはっきり分かれてしまう再生環境でも、自然環境と同じように「左右の音が若干混ざり合う」現象を再現するという機能ですが、4段階中最大の状態にしてもそれほど強力に音を混ぜる感じではありません。
逆にいえばあまり違和感のないレベルで頭内定位を和らげる効果をもたらしています。ステレオ録音黎明期の古いジャズなどで試してみると面白い機能です。
なお、イコライゼーションやクロスフィードなどの機能はMojo 2の電源を切っても直前の設定はしっかり記録されますが、いじりすぎて今の状態がわからなくなった…という場合に備えてリセットモードもしっかり用意されていますのでご安心下さい。
デジタル入力 | 光デジタル(角型)、同軸デジタル(3.5mm/デュアルデータ同軸兼用)、Micro USB、USB Type-C | ヘッドホン出力 | 3.5mm/3 極ステレオミニジャック×2 |
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出力インピーダンス | 0.06Ω | ダイナミックレンジ | 125.7dB |
クロストーク | -118dB(1KHz/300Ω) | 出力レベル 1KHz/300Ω | 90mW(5.2Vrms) |
出力レベル 1KHz/30Ω | 600mW(4.2Vrms) | 充電ポート | Micro USB(充電電流 1.5A ※2A 以上の AC アダプターを推奨) |
作動電圧 | 5V DC | 駆動時間 | 約 8 時間 |
サイズ | 約W83mm×H62mm×D22.9mm | 重量 | 単体約 185g(Poly ドッキング時合計約 270g) |
【商品情報】CHORD Mojo2
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6年半の年月を経て進化を果たしたポータブルDAC「Mojo 2」は
・Type-C端子搭載でスマートフォンやDAPとの接続がより簡単に
・別売のMojo専用オプションモジュール「Poly」が引き続き使用可能
・なめらかな音質とイコライゼーションなどの追加機能で大幅なグレードアップ
と、旧Mojoを愛用していた方、また今も愛用しているという方には特にその違いをはっきりと聴き取っていただけるような製品となっています。
また、小型USB-DACからステップアップしたい方や大きめのヘッドホンを鳴らすのにパワー不足を感じていた方にもおすすめです。
CHORD Mojo 2は本日よりご予約受付開始、発売は2月25日を予定しております。昨今の半導体不足などの影響もあり、初回入荷数は少なめとなっておりますのでぜひお早めにご予約下さい!
また、専用ケース「Mojo 2 Case」およびPolyと接続したまま収納可能な「Mojo 2 Poly Case」も同時発売となりますので、こちらもぜひご検討下さい。
【商品情報】CHORD Mojo 2 Case
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【商品情報】CHOR Mojo 2 Poly Case
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