SONY ウォークマンとは
NW-ZX707の外観と特徴
NW-ZX707音質レビュー
製品仕様
NW-A306の外観と特徴
NW-A306音質レビュー
製品仕様
まとめ
いまやスマートフォンで何曲でも聴き放題!な時代ですが、40数年前まで”音楽を聴く”といえば「大きなステレオシステムの前でレコードやカセットテープを再生する」というのがあたりまえでした。
そんなあたりまえを世界規模で大きく変えたのが、1979年にソニーが発売した世界初の再生専用ステレオカセットプレイヤー「ウォークマン」です。
以来、時代の変遷とともに対応メディアもカセットからCDやDAT、MD、メモリースティック、さらに内蔵メモリやmicroSDカードとさまざまに変化していきましたが、「ウォークマン」の名前は今なおポータブルプレイヤーの代表格として知られています。
そのウォークマンのうち、Android OSを搭載し各種ストリーミングサービスに対応する”ZXシリーズ”および”Aシリーズ”に最新モデルが新年早々登場します!それがこちら、NW-ZX707とNW-A306(およびNW-A307)です!
今回はこのNW-ZX707とNW-A306について、詳細および音質レビューをお届けします。
まずはハイエンド・ストリーミングウォークマンに位置づけられるZXシリーズの最新モデル「NW-ZX707」からご紹介しましょう。前作NW-ZX507をご存知の方ならばひと目でおわかりかと思いますが、丸みを帯びだデザインからスクエアなデザインへと、形状が大きく変わりました。
NW-ZX507と並べてみるとこのとおり。大きさ約72.5mm x 132.3mm x 16.9mm・重さ約227g(ZX507は約57.9mm x 122.6mm x 14.8mm・重さ約164g)とかなり大型化しています。
それにともない、ディスプレイサイズも5.0インチ(ZX507は3.6インチ)とこちらも大型化が図られたほか、バッテリーも強化されたようでW.ミュージックアプリの連続再生時間が25時間(ZX507は20時間)と使い勝手が向上しています。
サイズ・形状は変わったものの、本体上部に備えられたイヤホン端子まわりのデザインなど、若干の共通点も見られます。
改めてNW-ZX707単体の外観チェックとまいりましょう。本体上部には3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2種類のイヤホン端子を備えています。
底面にはUSB Type-C端子とストラップホールが用意されています。重さが約227gとそこそこあるので、ストラップに関しては常時首から下げるような使い方でなく、万一の時に落とさないような安全対策としての使い方の方が良いかもしれません。
本体右側面には各種スイッチ・ボタン類が並びます。左から順にホールドスイッチ、「戻る」「再生・停止」「進む」「ボリュームダウン」「ボリュームアップ」「電源」の各ボタンとなっています。
本体左側面にはmicroSDカードスロットが用意されていますが、ZX507がスマートフォンのようなトレイ方式だったのに対し、NW-ZX707では本体に樹脂製のフタが固定されているスロットになっています。写真はフタを引き出した状態ですが、あまり大きくは引っ張り出せないのでmicroSDカードを抜き差しする場合は多少注意が必要です。
裏面もZX507から大きく変わったポイントのひとつです。ZX507の裏面はフラットでしたが、NW-ZX707はNW-WM1AM2/ZM2のように上部の出力端子部分が厚くなっています。また、ZX507に搭載されていた「ワンタッチ接続(NFC)機能」も、NW-ZX707ではなくなっています。
※写真はプロトタイプ機のため、シールが貼られています。
もちろん変わったのは外見だけではありません、NW-ZX707にはウォークマン最上位シリーズであるNW-WM1AM2/ZM2で用いられた新開発大容量固体高分子コンデンサーやバイパスコンデンサー・FTCAP3が採用されています。これにより、低音に濁りがなくなり、クリアで力強い低音域の再生とノイズの低減を実現したとのことです。
また、コンデンサーをはじめとした各パーツを実装するためのはんだも、NW-WM1AM2/ZM2で用いられた「金を添加した高音質はんだ」となっています。
また、ソフトウェア面でもアップグレードが図られています。搭載Android OSのバージョンは12となり、ZX507のバージョン9、NW-WM1AM2/ZM2のバージョン11よりも新しくなっているため、最新アプリのインストール・使用も問題ありません。
さらにソニー自慢のアップスケーリング技術・DSDリマスタリングエンジンをZXシリーズとしては初めて搭載。44.1kHz/16bitの音源を最大192kHz/32bit相当まで拡張するDSEE Ultimateもさらに進化し、ZX507では「W.ミュージックアプリと有線接続の組み合わせ時のみ有効」だったのに対し、NW-ZX707ではすべてのアプリで、ワイヤレス接続時にも有効となりました。
それではNW-ZX707の音質を、ZX507とも比較しながら確認してみましょう。組み合わせるのはソニーのフラッグシップイヤホン「IER-Z1R(4.4mmバランスケーブル)」です。
力強さと厚みを感じさせるサウンドで、派手さよりもややどっしりと落ち着いたイメージの聴かせ方をするプレーヤーです。音の粒立ちや立体感も充分ありますが、特にZX507と比較した際の変化としては「S/N比の向上」と「音場の広がり」が印象的でした。
前モデルからのこの変化にはなんとなく覚えがあるような…と考えて気がついたのですが、これはちょうどNW-WM1AM2/ZM2とその旧モデル・NW-WM1A/Zとを比較した時に感じた変化と同じでした。おそらく、大容量固体高分子コンデンサーやFTCAP3、高音質はんだといった”フラッグシップモデル技術の投入”がもっともわかりやすく反映される部分なのではないでしょうか。
容量 | 64GB ※実使用可能領域は約47GB | 対応コーデック (送信) | SBC, LDAC, aptX, aptX HD, AAC |
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OS | Android 12 | Bluetooth | Ver 5.0 |
充電時間 | 満充電:約3.5時間、約80%まで充電:約3時間 | 連続再生時間 | 最大約25時間 |
最大外形寸法 (幅/高さ/奥行き) | 約72.5 mm x 132.3 mm x 16.9 mm | 質量 | 約227g |
【商品情報】SONY NW-ZX707
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続いて、Aシリーズ最新モデルとなるNW-A306のご紹介です。Aシリーズは内蔵メモリ容量により型番が異なり、32GBモデルがNW-A306、64GBモデルがNW-A307となります。前モデルとなるNW-A100シリーズには16GBモデルもありましたが、容量不足の声もあり今回は2種類の容量となったそうです。
今回サンプルとしてお借りしたのは32GBモデルのNW-A306(グレーモデル)ですが、内蔵メモリ容量以外の基本的なデザイン・仕様はA307と共通となります。カラーはどちらもブラック、ブルー、グレーの3色が用意されています。
こちらは本体下部に3.5mmイヤホン端子とUSB Type-C端子、microSDカードスロット、ストラップホールを備えています。microSDカードスロットのフタは本体固定式です。
本体右側面には左からホールドスイッチ、「戻る」「再生・停止」「進む」「ボリュームダウン」「ボリュームアップ」「電源」の各ボタンが配置されています。
本体上部と左側面にはなにもありません。
裏面には波型の加工がされており、フラットだったA100シリーズよりも手に取った際のホールド感がアップしています。
※写真はプロトタイプ機のため、シールが貼られています
NW-A306は大きさ約56.5mm x 98.4mm x 11.8mm・重さ約113g(A100シリーズは約55.9mm x 98.9mm x 11.0mm・重さ約103g)、ディスプレイサイズは3.6インチ(A100シリーズも3.6インチ)と、前モデルからあまり外観上の大きな変化はありませんが、バッテリーの持ちが大きく改善されています。標準プレイヤーアプリのW.ミュージックアプリ使用時で、A100シリーズが26時間再生可能だったのに対し、NW-A306ではなんと36時間の再生が可能となりました。
また、NW-A306に搭載されているAndroid OSのバージョンはNW-ZX707と同じく12となっているため、最新アプリも問題なく使用可能です。
さらにアップスケーリング技術・DSEE UltimateもNW-ZX707と同じく、すべてのアプリで、ワイヤレス接続時にも有効となりました。
NW-A306はAndroid OS搭載モデルのため、ソニーのワイヤレスヘッドホン専用アプリ「Headphones Connect」がプリインストールされています。せっかくなのでこちらの試聴は人気ワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」で行ってみましょう。
こちらは明るめのスッキリした音調で、WH-1000XM5の持ち味である伸びやかな高域・沈み込みのある低域もしっかりと感じられる”聴いていて楽しいサウンド”という印象です。NW-A306から「Headphones Connect」でおこなう各種操作も問題なく、スマートフォンよりもコンパクトなプレーヤーで操作が可能というのは意外なほど手軽に感じます。
さて、ここで当然ながら浮かぶのが「わざわざNW-A306を使わずに、スマートフォンとWH-1000XM5をつないで聴けばよいのでは?」という疑問です。音質面については対応コーデックや音源のスペックも関わってくるため一概には言えませんが、使い勝手の面では「わざわざNW-A306を使う価値アリ!」だと思いました。
よくいわれるのが「プレーヤーが別だとスマホのバッテリーを気にせずに音楽が楽しめる」というケースですが、それ以外にもたとえば音楽を聴きながらスマートフォンでタイムラインを眺めている時、音声ありの動画が流れてきた…という場合や、SNSアプリのプッシュ通知が急に飛んできた場合など、聴いている音楽以外の「音」が耳に飛び込んでくるケースはないでしょうか?プレーヤーとスマホが別々であれば、そういった予想外の「音」に邪魔されず音楽だけに集中できる…というとちょっとおおげさですが、スマホで音楽を聴くことに慣れていればいるほど、気づいてみると意外なくらいストレスフリーですよ。
容量 | 【NW-A307】64GB ※実使用可能領域は約47GB 【NW-A306】32GB ※実使用可能領域は約18GB | 対応コーデック (送信) | SBC, LDAC, aptX, aptX HD, AAC |
---|---|---|---|
OS | Android 12 | Bluetooth | Ver 5.0 |
充電時間 | 満充電:約3.5時間、約80%まで充電:約3時間 | 連続再生時間 | 最大約36時間 |
最大外形寸法 (幅/高さ/奥行き) | 約56.5 mm x 98.4 mm x 11.8 mm | 質量 | 約113g |
【商品情報】SONY NW-A307
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【商品情報】SONY NW-A306
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ソニー・ウォークマンの最新モデルとなる「NW-ZX707」「NW-A306」は
・最上位モデルにも使われる大容量コンデンサー(NW-ZX707のみ)、金添加の高音質はんだ(NW-ZX707・NW-A306とも)などを採用
・どちらもAndroid OSバージョン12となり、各種最新アプリにも対応
・ワイヤレス接続や標準のW.ミュージックアプリ以外でも有効となったDSDリマスタリングエンジン(NW-ZX707のみ)、DSEE Ultimate(NW-ZX707・NW-A306とも)採用
と、有線接続・無線接続にかかわらずどんな状況でも高音質が楽しめるプレーヤーとなっております。
NW-ZX707およびNW-A306(32GBモデル)・NW-A307(64GBモデル)は本日よりご予約受付開始、発売は1月27日予定です。各モデル専用の純正ケースも同時発売予定ですので、ぜひあわせてご検討ください。