水月雨 (MoonDrop) Solis 2 をオーディオ専門店スタッフがレビューします。アクセサリーや食器と同等の高級素材シルバー925を採用した宝飾品レベルのハウジングとキレの良さとハリを感じさせるサウンドが特徴の有線イヤホンを詳しく紹介します。
目次
水月雨 (MoonDrop)とは
Solis 2の特徴
Solis 2の音質レビュー
製品仕様
まとめ
水月雨 (MoonDrop)は2015年に設立された中国のイヤホン・ヘッドホンブランドです。日本市場では2017年のデビュー作「Liebesleid」の登場以来、ビルドクオリティの高さとリーズナブルな価格が注目されてきましたが、高価格帯のモデルもやはり高い人気を集めています。
特に昨年9月に発売されたブランド7周年記念モデル「雪月花」はハウジングに7つのダイヤモンドをちりばめたゴージャスな開放型イヤホンでしたが、あっという間に国内入荷分が完売となるほどの話題となりました。
その水月雨から、ブランド最高級モデルとなる宝飾品レベルのイヤホンが登場しました!それがこちらの「Solis 2」です!
今回はこのSolis 2について、製品の特徴および音質をご紹介いたします。
Solis 2の最大の特徴はなんといってもこの”シルバー925”製のずっしりとしたハウジング!シルバー925はアクセサリーや食器などにも用いられる高級素材で、全体の92.5%が純銀であることを示しています。
さらにフェイスプレート部には、3000年以上前の中国の四川省・成都市に栄えた古蜀(こしょく)文明の遺跡から出土した中国国家級文物「太陽神鳥」(24K金メッキ)があしらわれています。12本の炎(1年の12ヶ月を表す)をもった太陽のまわりを、4羽の鳥(春夏秋冬の四季を表す)が飛んでいるというこの太陽神鳥は、中国政府により「中国文化遺産シンボル」として認定された中国を代表するデザインです。
Solis 2のステムはやや太めのストレートタイプで、ケーブルコネクタには2pinタイプを採用しています。
ちなみになぜハウジングが純度100%の銀ではなくシルバー925で作られているのか?というと、銀そのものだけでは非常に柔らかく変形しやすいため、銅などの他の素材を混ぜることで強度を上げているのが理由です。
このシルバー925は14世紀頃のイギリスで銀貨の原材料として法律で定められたことから、一般的に純銀として扱われている素材でもあります。
ドライバー構成は4EST(静電)+2BA+2ダイナミックのマルチドライバー構成となっています。このうちダイナミックドライバーについては、水月雨がミドルクラスモデル・Blessing3で初めて採用した水平対向デュアルダイナミックドライバーモジュール「HODDDUS (Horizontally Opposed Dual Dynamic Drivers Unit System)」を搭載しています。
また、2基のBAドライバーは縦方向の音場を形成する際に低中音を補正するためだけに使用、4基のESTドライバーは高音のディティールを担当するなど、ただ単にドライバー数を積み上げるのではなく、音質の最適化を目指して開発したとのことです。
ハウジングの内側にも、宝飾職人の手彫りによる羽のような模様がびっしりと施されています。
付属のケーブルは幅8mmほどの平行シールド構造を採用した、「PURE6」チップグレード高純度銅ケーブルとなっています。
ケーブルプラグは交換可能で、2.5mm/3.5mm/4.4mmの3種類の交換プラグが付属しています。
その他の付属品としては、4種類・各3サイズのイヤーピースとドキュメント類となっています。なお、今回はサンプルパッケージのため撮影することができませんでしたが、製品版には水月雨恒例のイラストが施されているそうです。
それではSolis 2の音質を確認してみたいと思います。プレイヤーにはAstell&Kern KANN ULTRAを使用しました。
【商品情報】Astell&Kern KANN ULTRA
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中高域のクリアネスが高く、キレの良さとハリを感じさせるサウンドです。高域はやや金属的な響きが乗りつつも伸びやかで、低域はハウジングの重さで制動が効いているのかタイトで量感控えめ、全体的にスッキリとした印象となっています。
音場の広さはほどほどですが定位感に優れており、特に前後左右の立体的な表現が上手いイヤホンではないでしょうか。このあたりは「最適化を目指して開発した」というドライバー構成がしっかり機能しているようです。
実用の面であえて触れておくと、非常に重いハウジングと幅の広い平行ケーブルを採用していることもあり、正直なところ装着感はあまり良いとは言えません。それでも平行ケーブルを採用した理由は実際に装着・試聴してみるとわかるのですが、Solis 2のハウジングの重さを支えるためにはある程度ケーブル自体の強度が必要になる(細いケーブルでは重さに負けて固定できず耳から落ちてしまう)ためでしょう。
とはいえタッチノイズ(ケーブルが衣服などにこすれて発生し、耳に伝わってくる「カサカサ」という雑音)もかなり大きいため、使用中はなるべく動かず腰を落ち着けておいた方が良いかと思います。
ドライバー | ハイブリッド型 | ドライバー数 | 2DD+2BA+4EST 3Way |
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形式 | カナル型 | 周波数応答範囲 | 7Hz-40KHz |
入力感度 | 121dB/Vrms(@1KHz) | インピーダンス | 10Ω±15%(@1KHz) |
【商品情報】水月雨 (MoonDrop) Solis 2
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