Acoustune HS2000MX SHO-笙-MKIII のオーディオ専門店スタッフレビューです。CNC切削加工の純銀製チャンバーACT47を搭載、音場や定位感の良さを受け継ぎながら高域・低域が際立つサウンドへと進化した有線イヤホンを詳しく紹介します。
目次
Acoustuneの「SHO-笙-」シリーズとは
SHO-笙- MKIIIの特徴
SHO-笙- MKIIIの音質レビュー
製品仕様
まとめ
Acoustune(アコースチューン)は2013年に設立されたイヤホンブランドです。そのAcoustuneが2021年11月に発売したフラッグシップモデルが「HS2000MX SHO -笙-」。医療グレードのポリマーバイオマテリアルを基本素材に使用した”ミリンクス振動板”に日本製ベリリウム薄膜加工ドームを組み合わせた複合構成ドライバーユニットの搭載、音響チャンバーユニットを交換することで異なる音質を楽しめる「Acoustune Capsule Technology(A.C.T)」システムの採用などが人気を集めました。
その後も、別売の音響チャンバーユニットが続々とリリースされたり、フレームカラーを赤にしたバリエーションモデル「SHO -笙- MKII」が登場(2023年)するなど、幅広く展開を続けています。
その「SHO-笙-」シリーズに第3のモデルが登場します!それがこちらの「HS2000MX SHO-笙- MKIII」(以下「SHO-笙- MKIII」)です!
今回はこのSHO-笙- MKIIIについて、詳細と音質レビューをお送りしたいと思います。
まずは特徴的な外観から。初代モデルはブルー&シルバー、MKIIはレッド&グレーの鮮やかなハウジングカラーが特徴的でしたが、今回のSHO-笙- MKIIIではブラック&シルバーというカラーリングになっています。メカメカしいシャープなデザインはもちろんSHO-笙- MKIIIでも健在です。
「SHO-笙-」シリーズ最大の特徴である音響チャンバー交換システム「Acoustune Capsule Technology(A.C.T)」も当然受け継がれています。このチャンバーユニットも、真鍮やステンレス、洋白などさまざまな素材で作られたものがリリースされてきましたが、今回のSHO-笙- MKIII付属チャンバーはなんとCNC切削加工の純銀製「ACT47」!”47”というのは、素材である銀の原子番号ですね。
内蔵するドライバーはもちろんシリーズ共通の”10mm径・日本製ベリリウム薄膜加工ドーム採用ミリンクスコンポジットドライバー”となっています。
なお、純銀の特性としてどうしても表面の酸化や黒ずみが発生してしまいますが、これは音質には影響しないとのことです。気になる場合は一般的な銀製品用クロスなどでお手入れすると良いかと思います。
付属ケーブルは初代・MKII採用のARS100シリーズから大きくモデルチェンジ!Acoustune初となる3.5mmシングルエンド・4.4mmバランスプラグ交換式の「ARX500」ケーブルを採用しました。
コネクターや分岐部、プラグ部のメタルパーツには耐腐食性に優れたチタニウムを使用、線材には高純度OFC線8芯Braid構造を採用した太めのハイグレードケーブルとなっています。
プラグはまっすぐ引き抜いて交換するタイプとなっています。
ケーブルコネクタはシリーズ伝統のPentaconn Earコネクタを採用しています。
「SHO-笙-」シリーズといえば、左右に引き伸ばされたクラゲのようなダブルウイング形状をした「AEX50」をはじめとした豊富なイヤーピースが付属することでも知られています。
今回もこのシリコン系素材・SMP iFit製「AEX50(XS/S/M/L/XL)」のほか、一般的な形状でSMP iFit製の「AEX70(S/M/L)」、サラッとしたシリコン製の「AEX07(S/M/L)」、フォームタイプの「AET02(フリーサイズ)」が付属していますので、装着感や音質でお好みのものをご使用ください。
それではいよいよ音質チェックです。プレイヤーにはAsell&Kernのフラッグシップモデル・A&Ultima SP3000を組み合わせてみました。
広大な音場、それぞれの音がバシッと決まる定位の良さ、スピード感など初代モデルの音質的な特徴はそのまま受け継ぎつつ、その中に若干の鋭さと伸びやかさを持った高域がひときわ存在感を放つというサウンドバランスになっています。
その一方で初代モデルとの違いを感じさせたのが低域表現で、”銀”という素材からするとちょっと意外なほど量感・質感ともひとまわり豊かになったような深みと重みが加わり、全体的にはややドンシャリ傾向へと変化したような印象です。
もうひとつ意外だったのが、付属ケーブルの変更による装着感の違いです。
今回のSHO-笙- MKIIIで採用されているケーブル ARX500 はかなり太めで正直なところ取り回しは良いとはいえず、もしかしたらイヤホン本体がケーブルに振り回されて動いてしまうのでは…?と心配していましたが、実際に装着してみると耳掛けのカーブがしっかりと形づくられているためかうまく耳に固定され、予想以上に安定して使うことができました。
ここはSHO-笙- MKIIIの低域表現とあわせて、先入観にとらわれず実際に試してみることで初めてわかるポイントではないでしょうか。
ドライバー | ダイナミック型 | ドライバー数 | 10mm 径日本製ベリリウム薄膜加工ドーム採用ミリンクスコンポジットドライバー |
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形式 | カナル型 | 周波数応答範囲 | 10Hz-25KHz |
入力感度 | 110dB/mW | インピーダンス | 24Ω@1kHz |
【商品情報】Acoustune HS2000MX SHO-笙-MKIII
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