Acoustune HSX1001 Jin -迅-をオーディオ専門店スタッフがレビューします。レスポンスが良く、力強さを持ったアグレッシブなサウンドが特徴のワイヤレスモジュールと音響チャンバーが交換可能なワイヤレスイヤホンを詳しく紹介します。
目次
Acoustuneとは
HSX1001の特徴
HSX1001の音質レビュー
製品仕様
まとめ
Acoustune(アコースチューン)は2013年に設立された日本のオーディオブランドです。メカメカしいシャープなデザインで知られるフラッグシップシリーズ「SHO-笙-」や、リーズナブルなステージモニター「RS ONE」など、おもにイヤホンを中心としたラインナップを展開しています。
昨年11月には日本刀の”鎬(しのぎ)”をモチーフとした鋭い切れ味が特徴の「HS1900X SHINOGI-鎬-」を発売、こちらも人気を集めています。
» こちらの記事を見る
そのAcoustuneが、設立12年目にしてブランド初の完全ワイヤレスイヤホンをついにリリースします!それがこちらの「HSX1001 Jin -迅-」(以下「HSX1001」)です!
今回はこのHSX1001について、特徴および音質レビューをお届けしたいと思います。
まずはパッケージを見てみましょう。モデル名にも入っている「迅」とは鳥のハヤブサのことで、古来より“速さ”や“力強さ”の象徴とされてきました。HSX1001はスピード感のあるキレの良い音の実現をイメージして開発されたそうで、スリーブにはそのハヤブサの翼を模したデザインが採用されています。
実はこのスリーブにはもう1羽、鳥がいるのにお気づきでしたか?よく見ると隅の方に「Made in Japan」を示す折り鶴がこっそりと。
それではパッケージをオープン!すると、Acoustune製品ではおなじみのハードケースが現れます。
HSX1001のパッケージ内容はイヤホン本体および充電ケース、充電用USBケーブル(両端Type-C)、ユーザーマニュアル、イヤーピースとなっています。付属イヤーピースは、もちろん単品販売もされているAcoustune製のAEX50(S/M/L)およびAEX70(S/M/L、うちMサイズは本体装着済み)です。
充電ケースはかなりガッシリとした重厚感のあるデザインで、高さも実測3.8cmとやや大きめです。
こちらがHSX1001本体です。表面にはレザートーン塗装が施され、充電ケースと同じく重厚感のある仕上がりとなっています。重量は片側約9.5gとやや重め。
HSX1001は姉妹ブランド・ANIMAのスマートフォン用アプリ「ANIMA Studio」と連携可能で、ファームウェアアップデートやANIMA特有のAdvent Voice(操作時音声の着せ替え)機能にも対応しています。
フェイスプレート部は円形ですが、楕円形のタッチセンサー部や2ヶ所のビスなどが組み合わさって複雑なデザインを形成しています。なお、HSX1001には外音取込機能はありますがノイズキャンセリング機能は非搭載となっています。
ステム(軸)は最近の完全ワイヤレスイヤホンとしてはやや長めですね。
それもあって、イヤーピースを装着した状態ではかなり奥行きのある印象を受けます。耳にそっと乗せる、というよりもイヤーピースごとしっかりと耳の奥まで押し込む、という感じで装着することになります。
HSX1001最大の特徴が、ワイヤレスモジュール「M:01」と音響チャンバー「C:01」による”モジュール交換対応型”の完全ワイヤレスイヤホンという点です。
Acoustuneでモジュール交換対応、というと有線イヤホンのフラッグシップシリーズ・HS2000MX SHOシリーズが思い出されますが、このHSX1001でも安定した通信をおこなう樹脂筐体製のワイヤレスモジュール(LDAC・aptX Adaptiveに対応)と、高性能ポリマーバイオマテリアル採用のダイナミックドライバー・改良型第3世代ミリンクスドライバー(10mm径)を格納したアルミニウム製音響チャンバーによる”ハイブリッドハウジング”構造になっているのです。
こちらが昨年末の展示会で、メーカーの方にお願いしてモジュール(左)とチャンバー(右)を分離してもらった状態の写真です。分離にはフェイスプレート横の星形ネジを外す必要があります。
この仕組みにより、完全ワイヤレスイヤホン最大の課題ともいえた”バッテリー劣化”やワイヤレス技術アップデートへの対応、またHS2000MX SHOシリーズのようにチャンバーを交換することで音質そのものを変えてしまうなどといった「従来のファームウェアアップデートでは対応できない」楽しみ方が可能となっています。
なお、現時点ではまだモジュール、チャンバーとも具体的な発売計画は発表されていませんが、どうやら有線イヤホンに変身させるようなモジュールなども計画しているようですので続報に期待したいところです。
それではHSX1001の音質チェックです。今回はスマートフォンとLDACで接続し、サブスク音源を何曲か聴いてみました。外音取込機能はオフにしてあります。
やや金属的な鋭さを感じさせるエッジの立った高域に引き締まった中域、量感より質感に比重を置いた低域と傾向としては昨年末に発売された「HS1900X SHINOGI-鎬-」に非常に似通った音作りになっていますが、そこからさらに高域・低域ともアグレッシブさを増したようなイメージです。まさにハヤブサのような速さ・力強さを持ったサウンドという印象ですが、その反面ゆったり、のんびり…といった聴き方や楽曲にはあまり向いていないかも知れません。スピード感・グルーヴ感重視の激しい曲でテンションを上げたい時などに最適なイヤホンであるように思います。
また、現段階では未知数な部分ではありますが、やはりモジュール交換に対応しているというポイントには大きく期待したいところです。バッテリー交換や有線イヤホン化、最新コーデックへの対応なども便利で面白そうですが、ぜひメーカーには「それは思いつかなかった!」というような拡張オプションを用意してほしいですね。
型式 | ダイナミック型完全ワイヤレスイヤホン(密閉型) | ドライバーユニット | 改良型第3世代ミリンクスドライバー |
---|---|---|---|
Bluetooth仕様 | Ver5.4/Class2 | 最大接続距離 | 約10m |
充電時間 | イヤホン本体:約1時間半 充電ケース:約2時間 | 連続再生時間 | 約15時間 |
充電ケース接続端子 | USB Type-C | 重量 | イヤホン本体(片側) 約9.5g / 充電ケース 約60.5g |
【商品情報】Acoustune HSX1001 Jin -迅-
» 詳細を見る