Acoustuneの高耐久性とモニタリング性能を徹底追求したMonitorシリーズ第2弾「RS THREE」は、硬質でシャープなサウンドと実用的な製品設計を兼ね備えたモニターイヤホンです。今回は、「RS THREE」の詳細と音質レビューをお届けします。
AcoustuneのMonitorシリーズとは
Acoustune RS THREEの外観と特徴
Acoustune RS THREE音質レビュー
製品仕様
まとめ
Acoustune(アコースチューン)といえばHSシリーズやフラッグシップモデル「SHO-笙-」に代表されるメカニックなデザインと、医療用途にも使われるポリマーバイオマテリアル「Myrinx(ミリンクス)」を振動板素材に採用した「ミリンクスドライバー」など先進技術を活用することで人気の国内イヤホンブランドです。
そして昨年末、従来のモデルとは一線を画すラインナップとして投入してきたのが、高耐久性とモニタリング性能を徹底追求した「Monitor(モニター)」シリーズの第一弾モデル「RS ONE」でした。
【試聴レビュー】Acoustune Monitor RS ONE登場!イヤモニ新シリーズの概要と音質を最速チェックしました!
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そんなRS ONEの登場から約1年、ついにMonitorシリーズに新たなモデルが追加されます!それがこちらの「RS THREE」です!
今回はこのRS THREEについて、詳細および音質レビューをお届けします。
まずは外箱から。RS ONE同様のエコパッケージで非常にシンプルです。インパクトのあるイヤホン本体は、RS ONEが黒線だったのに対してこのRS THREEは白線で描かれています。
背面には窓があって、ハウジングが確認できるのもRS ONEゆずり。なお、RS ONEは2カラー展開でしたが、今回のRS THREEはクリアの1色のみとなっています。
付属品はキャリングケース、Acoustuneイヤホン開発時のリファレンスとしても使用されているシリコンイヤーピース「AET07」(S/M/L)と密閉感の高いフォームイヤーピース「AET02」(フリーサイズ)、そしてRS ONEにはなかった3.5mm→6.3mm変換プラグとなっています。
こちらがRS THREE本体の外観です。
Monitorシリーズとして共通の、丸みをおびたハウジングとなっています。このハウジングは2つのパーツで構成されており、耐衝撃性、耐候性、耐熱性に優れたポリカーボネートを使用しているだけでなく、部品点数を可能な限り減らすことでシンプルかつ部品単位での剛性を上げ、過酷な環境下でも故障のリスクを大きく低減しているとのことです。
ケーブルは着脱式で、コネクタには「Pentaconn Ear Long-Type」を採用しています。このPentaconn Ear Long-Typeは、ボディに対して埋め込み式とすることでコネクター部分に汗が入りにくい構造となっています。そのため、たとえばHS1300SSのような通常のPentaconn Earコネクタ採用モデルの付属ケーブルは使用できませんのでご注意ください。
ドライバーにはAcoustune伝統のポリマーバイオマテリアル「ミリンクス」を素材とした新開発の9.2mm径「ミリンクスEL-Sドライバー」を採用しています。これはRS ONE用に開発されたミリンクスELドライバーに比べ、より正確なモニタリングを実現するドライバーとのことです。瞬間的に最大250mW(1KHz の正弦波信号テスト時)の信号が入力された後でも正常に使用できるという高耐入力性をそなえています。
RS THREEのステム(軸)は標準的な長さ・径で、付属のイヤーピース以外でもさまざまなものをご使用いただけると思います。先端部は耳垢ガードのフィルタも装着済みです。
プラグはステージモニターとして使う際に、接続先となるイヤモニシステム(ライブなどで使用するワイヤレス送受信機)との相性を考慮して3.5mmのストレートタイプとなっています。ケーブルは高純度リッツ線とケブラーワイヤーを編み込んだ線材を使用し、取り回し性を高めるためにPU素材の被覆を採用した2重シールド・2重ツイスト4芯構造・黒シースのハイグレードリッツワイヤーケーブル「ARM011L」を新規開発。こちらもステージモニターとしての使い勝手を考慮し、長さは標準的なイヤホンケーブルよりも長い1.8mとなっています。
インピーダンスも出力の高い業務用機器との接続を前提とした32Ωに設定されているなど、徹底的にステージモニター仕様の設計が施されているのはRS ONEと同様です。
さて、ここでRS ONEとRS THREEを直接比較してみましょう。左がRS ONE、右がRS THREEなのですが、これは…違いが見当たらないような?!
フェイスプレートを見比べると、ようやく明確な違いが見つかりました。左のRS ONEのフェイスプレートはザラザラとしたサンドブラスト加工がなされているのに対し、右のRS THREEのフェイスプレートはいわゆるヘアライン仕上げとなっています。また、よく見ると右ハウジングにそれぞれ刻まれている線が1本(RS ONE)と3本(RS THREE)といった違いもありますね。
それではいよいよ、RS THREEの音質を確認したいと思います。DAPはAstell&Kern KANN ALPHAを、イヤーピースはAcoustuneリファレンスのAET07を使用しています。
あまり脚色を感じさせないカチッとした硬質なサウンドで、シャープながら刺激感は少なく伸びる印象の高域と量感少なめながらタイトな低域とで、比較的スッキリとした聴き心地に仕上がっています。輪郭のハッキリした音がそれぞれ左右にやや広めの音場に展開されるような鳴り方で、モニター用途に限らずリスニングでも充分に満足度の高い音質となっているのではないでしょうか。
RS ONEとの比較試聴では、音場の広さと高域・低域の出方が大きく異なるように感じます。コンパクトな音場で量感充分なアタック感の強い低域を味わえるRS ONEに対して、広い音場と伸びやかな高域で全体的にスッキリしたサウンドのRS THREEというように、見た目は非常に似ていながらキャラクターとしてはかなり違うのでどちらも用途に応じて楽しめそうです。
カテゴリー | ダイナミック型イヤホン(密閉型) | ドライバーユニット | Φ9.2mm ミリンクスEL-S ダイナミック型ドライバー |
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入力感度 | 108dB/1mW at 1kHz | 最大入力 | 30mW (定格 5mW) |
インピーダンス | 32Ω | 周波数特性 | 20Hz~40KHz |
コネクター | Pentaconn EAR Long-Type | 重量 | 29 g(ケーブル含む) |
【商品情報】Acoustune RS THREE Translucido
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AcoustuneのMonitorシリーズ第2弾となる「RS THREE」は
・部品単位での剛性を上げ、過酷な環境下でも故障のリスクを大きく低減した頑丈なつくり
・ステージモニターとしての使用を考慮したプラグやケーブルなど、実用的な製品設計
・硬質でシャープ、スッキリとしたサウンドでリスニング用途にも最適
と、お手頃価格ながらモニター・リスニングの枠にとらわれない実用的なイヤホンとなっております。
RS THREEは本日よりご予約受付開始、発売は11月11日となります!試聴機も本日より店頭展示しておりますので、ぜひご試聴ください!