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2025.01.24
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iBasso Audio DX340 レビュー | メリハリの効いた立体的なサウンドのフラッグシップDAP

iBasso Audio DX340 レビュー | メリハリの効いた立体的なサウンドのフラッグシップDAP

iBasso Audio DX340 をオーディオ専門店スタッフがレビューします。AC電源対応やディスクリートDAC回路搭載など新しいアプローチが満載の据え置きもポータブルも対応したフラッグシップDAP(音楽プレーヤー)を詳しく紹介します。

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iBasso Audio DX3x0シリーズとは

iBasso Audio(アイバッソオーディオ)は2006年に設立された中国のポータブルオーディオメーカーです。小型USB-DACやイヤホンなどさまざまなジャンルの機器をリリースしていますが、なんといってもその中心となるのが2012年に『世界初のAndroid OS採用オーディオプレイヤー』として登場したDX100から始まる”DXシリーズ”ではないでしょうか。

DXシリーズのフラッグシップモデルには代々「DX300(2021年1月発売)」「DX320(2022年6月発売)」、派生モデルの「DX320 Edition X(2022年10月発売)」「DX320MAX Ti(2023年6月発売)」と”300番台”のナンバーが付けられてきました。

【音質レビュー】iBasso Audio DX320は、さらなる音楽体験を楽しめるフラッグシップDAP

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 【音質レビュー】iBasso Audio DX320は、さらなる音楽体験を楽しめるフラッグシップDAP ブログイメージ

そんなDX3x0シリーズに、ついに最新モデルが登場することとなりました!それがこちらの「DX340」です!

iBasso Audio DX340本体
iBasso Audio DX340

今回はこのDX340について、詳細および音質レビューをお届けします。

iBasso Audio DX340の特徴

パッケージ

DX340のパッケージ内容は本体以外に専用レザーケース、充電およびデータ転送用のUSBケーブル、マニュアル、保護フィルム、同軸デジタルケーブル、iBassoのDAPではおなじみのバーンイン(エージング)ケーブル、シリコンゴム製のキャップ、そしてDC12V電源ケーブルとなっています。この電源ケーブルははたしてなんのために…?!

DX340の付属品
DX340の付属品

本体サイズ

こちらがDX340本体です。筐体にはニッケルやモリブデンを加えることで耐腐食性を高めたステンレス鋼・SUS316を採用しています。大きさは約150mm×77.5mm×19mm、重さは約486gとハイクラスDAPとしては標準的なサイズ感。ディスプレイは6.0インチ・1080×2160のAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)フルスクリーンで、非常に鮮やかです。

全体的なデザインはDX180やDX260と同じく、直線で構成された”インダストリアル・デザイン”が採用されています。

DX340は直線で構成された”インダストリアル・デザイン”
インダストリアル・デザインを採用

本体下部

本体下部には左から4.4mmバランス、3.5mmシングルエンドの各ヘッドホン出力端子が並び、それぞれラインアウト端子兼用(設定で切替)です。おや、一番右にある謎の黒いキャップはいったい…?!

DX340の下部
本体下部

実はこれこそがDX340標準添付の専用アンプカード・AMP15で初採用となった「DC12V電源入力」機能のためのコネクタなのです!先にご紹介した付属品のDC電源ケーブルはここに刺して使うことになります。

このDC12V電源入力で接続することにより、通常(内蔵バッテリー)は±8Vで駆動するアナログ回路の電圧が±12Vに上昇、最大2,150mW+2,150mW@32Ωの出力と更にノイズレスなサウンドへとアップグレードする「Super Gain Mode」が使用可能になります。

なお、この電源コネクタおよびDC電源ケーブルはあくまでアナログ回路への電源供給用となっているため、充電機能はありません。充電は従来のDXシリーズと同じくUSB端子から行います。

DX340はDC12V電源入力に対応
DC12V電源入力に対応

交換式アンプモジュールにも対応

なお、このDX340はすでに発売済みのAMP12/AMP13/AMP14などといった「AMP1x」シリーズのアンプカードをサポートした、交換式アンプモジュール対応モデルとなっています。ただし、交換用の適合プレートは後日販売予定となっておりますのでご注意ください。

DX340は交換式アンプモジュールにも対応
交換式アンプモジュールにも対応

本体上部

本体上部にはmicroSD用カードスロット、充電用USB Type-C端子、そしてSPDIFデジタル出力端子を備えています。

DX340の上部
本体上部

本体右側

本体右側面には「戻る」「再生・停止」「進む」の各ボタンおよびボリュームノブ(電源ボタン兼用)が配置されています。

なお、左側面にはなにもありません。

DX340の右側
本体右側面

本体背面

こちらがDX340の背面。ボリュームノブ付近のみ一段掘り下げたような形ですが、全体的には直線的でフラットなデザインとなっています。

DX340の背面
背面

ボリュームノブ周辺

ボリュームノブ周辺がネジ留めとなっているのも、DX180やDX260同様にパーツの交換や内部基板へのアクセスなどメーカーによるメンテナンスがしやすく、より長く愛用いただけるようにとのこと。

DX340のボリュームノブ周辺
ボリュームノブ周辺

付属のレザーケース

付属のレザーケースを装着するとこんな感じになります。

DX340の付属のレザーケース
レザーケース付属

内部設計

続いて内部設計についてもご紹介しましょう。DX340では既製品のDACチップを用いない”ディスクリートPWM-DAC回路”で信号をデコードします。iBasso Audio製品としてはハイクラスポータブルアンプ・D16 TAIPANで採用歴のあるディスクリートDAC回路ですが、同社製DAPではこのDX340で初めて搭載しました。

DX340の内部設計
ディスクリートPWM-DAC回路を搭載

DXシリーズの特徴である、オーディオ再生処理専用の"FPGA"と呼ばれるICチップを併用することで音質向上を図る技術”FPGA-Masterテクノロジー”は、「FPGA-Master 3.0」へと進化しました。DX180やDX260に搭載されていた「2.0」をベースとしながら新たに独自の高調波調整アルゴリズムを搭載することで、ユーザーによる5種類の倍音付加機能”ハーモニックデジタルフィルター”を実現したとのことです。

DX340の内部設計
FPGA-Master 3.0

DX340の音質レビュー

それではDX340のサウンドチェックです。今回はAcoustuneの最新モデル・HS1900X SHINOGI-鎬-を組み合わせて試聴してみました。アンプゲインはLow、ハーモニックデジタルフィルターは基本的にニュートラルサウンドのH1を設定しています。

DX340とHS1900X SHINOGI-鎬-
DX340とHS1900X SHINOGI-鎬-

【商品情報】Acoustune HS1900X SHINOGI-鎬-

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Acoustune HS1900X SHINOGI-鎬-

全体的にやや硬質さのあるフラットバランスで、一音一音の輪郭をくっきりと浮かび上がらせてステージにちりばめたかのように解像感の高さを感じさせる音作りです。S/N比も高いためより音の粒立ちが強く感じられますが、録音状態の良くない音源では音が団子状にくっつきあったまま聴こえてしまう面があるので再生音源に厳しいDAPであると思います。

曲によってはあまりにも音の輪郭が際立ってしまい刺激が強く感じることもありましたが、そこで役立つのがハーモニックデジタルフィルターです。これはイコライザーのように音質そのものを変えるようなものではありませんが、輪郭と輪郭の間をスムーズにつなぎ合わせ、より聴きやすさが増すような効果を感じました。

さて、せっかくなのでもうひとつ、このDX340で搭載された”DC12V電源入力”の実力も試してみましょう。
こちらはDan Clark Audioのv-Panar(平面)ドライバー搭載ヘッドホン・E3を組み合わせ、Super Gain ModeをON・アンプゲインをHighに設定しています。

DX340とE3
DX340とE3

【商品情報】Dan Clark Audio E3

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Dan Clark Audio E3

E3はしっかり駆動させようとするとなかなか難しいヘッドホンで、パワーの足りないプレイヤーではのっぺりとした音になってしまうのですが、さすがにこのSuper Gain Modeの状態ではメリハリの効いた立体的なサウンドを聴かせてくれます。ここでアンプゲインはHighのままSuper Gain ModeだけをOFFにしてみると、音量的には特に変化はないもののドライバーの制動があまり効かなくなってしまうようで、急に躍動感に欠ける音になってしまいました。ゴムキャップがちょっと外しづらいという欠点はありますが、室内など電源が確保できる環境ではこのDC12V電源入力を使わない手はないと思います。

製品仕様

筐体材質ステンレス合金サイズ約150×77.5×19(mm)
重量約486gDAC独自開発 ディスクリートPWM-DAC回路
ディスプレイ6.0インチAMOLED充電時間約2.5時間
再生時間約11時間(使用方法・動作状況により変動します)内蔵ストレージ8GB RAM+256GB ROM

【商品情報】iBasso Audio DX340

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iBasso Audio DX340

まとめ

iBasso Audioの最新フラッグシップDAP「DX340」は、
・インダストリアルデザインを採用した、2年半ぶりのフラッグシップDAP
・DC12V電源入力、ディスクリートDAC回路、ハーモニックデジタルフィルターなど新機能満載
・やや硬質さのあるフラットバランスで、一音一音の粒立ちがくっきり浮かび上がるサウンド

と、前モデル・DX320の特徴をより際立たせたような音作りと見た目のポータブルプレイヤーになっています。

DX340は本日よりご予約受付開始、発売は01/31予定です。試聴機もさっそくご用意しておりますので、ぜひiBasso Audioによる新機能の数々と最新のサウンドを店頭でお試しください。

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