音色切り替えモードで生まれ変わるCayinこだわりの真空管サウンド!MagSafe対応で気軽にスマホと持ち歩けるUSB-DACアンプが新登場。今回は、Cayin RU9の特徴をオーディオ専門店スタッフが徹底レビューします。
目次
Cayin伝統の真空管サウンド!最新USB-DACアンプ
Cayinとは
Cayinの真空管モデル
Cayin RU9の外観
Cayin RU9の特徴
Cayin RU9の音質レビュー
製品仕様
まとめ
今回は、Cayinの最新USB-DACアンプ「Cayin RU9」を紹介します。
・手のひらサイズのコンパクトな本体に、有線/BTの豊富なインターフェース
・新世代真空管「Nutube」採用。DACチップは「AK4493SEQ」を2基搭載
・個性豊かな3種類の音色モードで、音源や気分に応じた楽しみ方が可能
Cayinこだわりの真空管サウンドは健在!柔らかく華やかな音を楽しめるUSB-DACアンプに仕上がっています。
今回はそんな「Cayin RU9」について、詳細および音質レビューをお届けします。
【商品情報】Cayin RU9
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Cayin(カイン)は、1993年に設立された中国を代表するオーディオメーカーで、主に真空管アンプ、ポータブルオーディオプレーヤー(DAP)、ヘッドホンアンプ、DAC(デジタル-アナログコンバーター)などを手がけています。ちなみに、正式な社名は Zhuhai Spark Electronic Equipment Co., Ltd.(珠海斯巴克電子有限公司)といいます。
Cayinは、設立当初から真空管を搭載したアンプの製造に力を入れていたメーカーであり、真空管がつくる暖かな音質は多くのオーディオファンを魅了してきました。その姿勢はポータブルプレイヤー「N8」「N8ii」や、ポータブルアンプ「C9」「C9ii」などの新世代真空管「Nutube」搭載製品にも引き継がれています。
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そして新たに、Nutube搭載のUSB-DACアンプが登場!それがこちらの「Cayin RU9」です!
まずは「Cayin RU9」本体を見ていきましょう。サイズは100 x 70 x 15 mmと、名刺を2まわりほど大きくした”手のひらサイズ”です。重さは約150gで、実際に持ってみると見た目から得る印象以上に「意外と軽いな」と感じます。
本体正面には、各種情報を表示する0.96インチのディスプレイと、音量や項目変更に使用するボリュームノブがついています。その下にある小さな穴が集まった箇所については、また後ほど説明します。
本体底面には、左から4.4mmバランス出力端子、3.5mmシングルエンド出力端子、USB Type-C入力端子、電源モード切替スイッチ、充電および給電用USB Type-C端子、3.5mm同軸デジタル入出力端子が並びます。RU9はUSB入力のほか、デジタル同軸入力および出力、そしてLDAC/aptX HD/aptX Adaptive/AAC/SBCの各コーデックに対応したBluetooth入力に対応しています。
電源モード切替スイッチは”BAT”位置で内蔵バッテリー駆動、”DC”位置では給電用USB Type-C端子から給電することでアンプの動作電圧を引き上げる「Hyperモード」で駆動することが可能になります。
なお、内蔵バッテリーに関してはBluetooth接続時に使用され、スマートフォンなどとUSB接続した場合には接続先の機器から給電する「ドングルモード」での駆動となります。
本体上部は、Bluetooth送受信用と思われる黒い窓があります。
本体右側面には、3種類の音色を切り替え可能なTimbleボタンと電源ボタンを配置。その中間には、再生中のサンプリングレートや充電状態を示すマルチカラーインジケーターが設けられています。
Timbleボタンは長押しすることで各種機能の設定画面を呼び出すことができます。
本体左側面は、「戻る」「再生」「進む」の3つのボタン。使いやすいシンプルな配置です。
本体背面には、ブランドロゴやモデル名などが刻印されているだけ…と思いきや、実はマグネットを内蔵(MagSafe対応)しているので、スマートフォンにカチッとセットすることが可能です。
「MagSafeを使いたいけどケースにも入れたい」という方もご安心ください。付属されている専用ケースもMagSafe対応で、ケース装着後もスマートフォンにセットできます。
「Cayin RU9」は、本体右側面のTimbleボタンを押すことで「3種類の音色を切り替えできる」という大きな特徴を持っています。
ひとつめは、Cayinが得意とする伝統的な真空管アンプに近い「クラシック真空管サウンドモード」。ディスプレイ右上に[C]マークが表示され、その下に開けられた”Nutube 6P1ウィンドウ”からNutubeの優しい光が放たれます。
ふたつめは、ややクリアで洗練された「モダン真空管サウンドモード」。こちらは[M]マークが表示されます。
ちなみに、クラシック・モダンの2つの真空管モードに切り替えた際には、Nutubeを”温める”ために6秒ほどのカウントダウンが入ります。ちょっとマニアックで楽しいポイントです。
そしてみっつめが、Nutubeを使わずオペアンプを使用した高い解像度とニュートラルな音質の「ソリッドステートサウンドモード」です。この場合はNutubeの明かりも消え、オペアンプを示すマークが表示されます。
Timbleボタンには、他にも長押しで呼び出せる機能として「入力ソース選択」「ゲイン設定(3段階)」「ヘッドホン/ラインアウト切替」など、豊富な機能が用意されています。
旭化成エレクトロニクス(AKM)製のDACチップ「AK4493SEQ」を2基搭載。それぞれをモノラルモードで動作させ、左右チャンネルを個別にデコードすることで優れたチャンネルセパレーションを実現しています。
付属品は、バイオレットカラーの専用ケース、L字型USBケーブル、Type-C to A変換アダプタ、取扱説明書(日本語ページあり)、保証書となっています。
いよいよ「Cayin RU9」の音質を確認してみたいと思います。まずはスマートフォンとUSBで接続し、サブスク音源を聴いてみます。組み合わせるイヤホンには聴きなれている「FitEar TG334」を選びました。
【商品情報】FitEar TG334
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「クラシック真空管サウンド」モードから。全体的にはフラット傾向ですが、真空管らしさを感じさせる高域の丸さ・柔らかさと低域のふわっとした広がり、音場の広さと響きなどがミックスされることで意外と華やかさのあるサウンドを聴かせてくれます。生楽器やホール演奏などの音源にピッタリな音づくりです。
次に「モダン真空管サウンド」モードに変更すると、クラシックモードで感じた低域のゆるさがぐっと引き締まり、ややスッキリとした音傾向に変化しました。歌モノなどはこのモードの方がよりボーカルがくっきりと浮かび上がるように思います。
最後に「ソリッドステートサウンド」モードにしてみると、急にすべての味付けをそぎ落としたようにシャープで地味目なサウンドに変化します。いわゆるオーディオ的な演出はなくなりますが、キレのあるカッチリした音は打ち込み系の音源に最適ではないでしょうか。
こうして聴き比べてみると、3種類のサウンドモードそれぞれに個性があり、音源やその時の気分で使い分けも簡単に楽しめるUSB-DACアンプに仕上がっていることが分かります。
続いては、Timbleボタン長押しで「入力ソース選択」を呼び出し、Bluetooth接続に切り替えてみましょう。ディスプレイの右下にもしっかり「LDAC」と表示されているのが見えます。
こちらも3種類の音色モードを切り替えながら試聴してみましたが、USB接続時と同じ傾向のサウンドでそれぞれ楽しむことができました。厳密に比較すると、やや高域の出方がおとなしくなるかな、という差はありますが音質も良好です。
真空管モードで長時間使っていると、それなりに発熱することはやや気になりますが、戻る・進むなどの簡単な操作もできるので、スマートフォンはバッグに入れ手元には「Cayin RU9」とイヤホン(ヘッドホン)だけという手軽な使い方もいいですね。
サイズ | 100mm×70mm×15mm | 重量 | 約150g |
---|---|---|---|
DACチップ | AK4493SEQ x 2 | 真空管 | KORG Nutube 6P1 |
充電ポート | USB Type-C (QC3.0/PD2/0) | バッテリー | 2000mAh、3.85V、7.7Wh リチウムポリマーバッテリー |
【商品情報】Cayin RU9
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今回は、Cayinの最新USB-DACアンプを紹介しました。
・Cayin伝統の暖かな真空管サウンドを味わいたい
・手のひらサイズのコンパクトさで、USBとBluetooth接続どちらも高音質で楽しみたい
・3種類の音色モードを音源や気分に応じて使い分けたい
そんな人におすすめです。
「Cayin RU9」は本日より発売開始!
試聴機もご用意しておりますので、ぜひ店頭でこだわりの真空管サウンドをお楽しみください!
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