フジヤエービック

 

分類

分類

  •   
2023.05.19
専門店・プロレビュー,

iBasso Audio DX320MAX Ti レビュー | ライブ感がアップしたリアリティのあるサウンドが特徴のDAP

iBasso Audio DX320MAX Ti レビュー

iBasso Audio DX320MAX Tiをオーディオ専門店スタッフがレビューします。チタニウム筐体を採用した限定生産のリミテッドモデルです。情報量の多い美音系サウンドが力強く、ライブ感がアップしたリアリティあるサウンドのDAPを詳しく紹介します。

フジヤエービック店舗イメージ
▶この記事の監修
フジヤエービック(FUJIYA AVIC)
フジヤエービックは販売・下取・買取をWEBサイトでスピード対応。1,000点以上の中古在庫検索、最新のヘッドホン・イヤホンの購入、オーディオプレーヤーやハイレゾ対応機器などのお悩み相談、下取・買取についてなどお気軽にお問い合わせください。

▶SHOP INFORMATION
店舗(東京・中野ブロードウェイ3F)案内は こちら
オンラインストアは こちら

iBasso AudioのMAXシリーズとは

iBasso Audio(アイバッソオーディオ)は2006年に設立された中国のポータブルオーディオメーカーです。設立当初はポータブルアンプを中心としたラインナップでしたが、2012年より”世界初のAndroid OS採用オーディオプレイヤー”「DX100」(日本国内では改良モデル「HDP-R10」として販売)を発売、それ以降は主に数々のDAPで知られるメーカーとなっています。

そのiBasso AudioによるDAPの中でも、「ポータブル」に求められるような携帯性や軽量さといった要素を一切無視して”音質”に全振りしたシリーズがMAXシリーズです。2020年7月発売の第1弾・DX220Max、2021年9月発売の第2弾・DX300MAXはいずれも予約受付開始直後に即完売という人気ぶりでしたが、ついに2023年6月、その第3弾となるモデル「DX320MAX Ti」が発売されることになりました!

DX320MAX Ti
DX320MAX Ti

今回はこのDX320MAX Tiについて、詳細および音質レビューをお届けいたします。

DX320MAX Tiの特徴

パッケージ内容

まずはDX320MAX Tiの付属品からご紹介です。専用レザーケース、同軸デジタルケーブル、バランス・バーンインケーブル、USB-Type C ケーブル、充電用ACアダプタ、スクリーンプロテクター、クイックスタートガイドおよび保証書となっています。

iBasso製DAPではおなじみのバーンインケーブル(いわゆるエージングをおこなう際に使用するもの)が4.4mm端子になっているのが、これまでのMAXシリーズと異なるポイントです。

DX320MAX Tiの付属品
DX320MAX Tiの付属品

外観

続いてDX320MAX Ti本体の外観を見ていきましょう。これまでのDX220MaxおよびDX300MAXの筐体素材がステンレスだったのに対し、今回のDX320MAX Tiではその名のとおり航空機グレードのチタニウムが採用されています。

筐体には航空機グレードのチタニウムを採用
筐体には航空機グレードのチタニウムを採用

右側面

右側面には「戻る」「再生」「進む」および電源ON/OFFの各ボタンが並んでいます。

DX320MAX Tiの右側面
DX320MAX Tiの右側面

左側面

左側面にはシンプルに、シリアルナンバーを刻印したプレートのみが配置されています。
なお、このDX320MAX Tiは世界限定888台のみの生産です。※画像は一部加工してあります

DX320MAX Tiの左側面
DX320MAX Tiの左側面

本体上面

本体上面には左から充電用ACコネクタ、USB Type-Cコネクタ、3.5mm同軸デジタル出力端子、microSDカードスロットを装備しています。

DX320MAX Tiの本体上面
DX320MAX Tiの本体上面

本体背面

本体背面はモデル名が刻まれた強化ガラスパネルとなっています。

DX320MAX Tiの背面パネル
DX320MAX Tiの背面パネル

パネル

このパネルにも変更が加わっています。特殊ネジで固定する方式となったため、将来的に修理やバッテリー交換が必要となった際にも本体内部へのアクセスがしやすくなりました。
※修理に際しては代理店およびメーカーにお任せいただき、お客様はパネルを開けないようお願い致します

背面パネルはネジ留め式
背面パネルはネジ留め式

フロント部

DX320MAX Tiの顔ともいえるフロント部がこちら。左から4.4mmバランス端子、3.5mmシングルエンド端子、ゲインコントロールダイヤル、ボリュームノブが並びます。なお、これまでのMAXシリーズではラインアウト端子(4.4mmバランスのみ)が独立していましたが、このDX320MAX Tiでは4.4mm・3.5mmともヘッドホン出力・ラインアウト兼用端子となりました。

DX320MAX Tiのフロントパネル
DX320MAX Tiのフロントパネル

ゲインコントロールダイヤル

ゲインコントロールダイヤルも従来のMAXシリーズにはなく、DX320MAX Tiではじめて追加されたものです。これまでは設定変更画面から行う必要があったゲイン変更が、より直感的に行えるようになりました。ゲインは4段階の調整が可能です。

ゲインコントロールダイヤルは4段階
ゲインコントロールダイヤルは4段階

ハードウェア内部

ハードウェア内部の変更点についても触れていきましょう。フロント部でひときわ目立つボリュームノブですが、実はこちらの中身も従来のMAXシリーズで使われていた無段階のアナログボリュームではなく、iBasso Audioが独自に開発した「4セクションステップアッテネーター」へと変更されています。

ノブを回すとカチッ、カチッとしたクリック感があり、24段階で音量を切り替える方式です。DAPへのステップアッテネーター採用はiBassoによれば世界初とのことで、ボリューム制御による音質の悪影響を排除し、小さなリスニングボリュームでもチャンネルのアンバランス(いわゆるギャングエラー)問題を解消したとのことです。

4セクションステップアッテネーター
4セクションステップアッテネーター

DACチップ

もうひとつ、DAPとして世界初となるのがDACチップの構成です。DX220MaxではESS社製「ES9028Pro」をデュアル搭載、DX300MAXでは旭化成エレクトロニクス社製「AK4499EQ」をデュアル搭載という構成でしたが、今回のDX320MAX TiではベースモデルであるDX320と同じローム社製フラッグシップチップ「BD34301EKV」をなんとクワッド(4基)構成で搭載しました。この”BD34301EKV・クワッド構成”モデル、調べてみたところDAPはもちろん据置モデルでも市販品では初めてのようです。

なお、4基あるBD34301EKVですが通常はそのうち2基のみを稼働させるデュアルモードでの動作となっています。クワッドモードで動作させるにはDX320MAX Tiを「アルティメットモード」に設定する必要がありますのでご注意ください。

ローム社製「BD34301EKV」をクワッド搭載
ローム社製「BD34301EKV」をクワッド搭載

そのほか、A級アンプの特徴である歪みのないサウンドを実現しつつ発熱も大幅に低減した「iBasso Super Class-Aディスクリートアンプ回路」の搭載、デジタル/アナログでそれぞれ完全に独立した電源システムの採用、常にオーディオ処理を最優先に実行する回路・FPGAを搭載する「FPGA-Master」技術の採用など、MAXシリーズならではの特徴については引き続きこのDX320MAX Tiにも受け継がれています。

iBasso Super Class-Aディスクリートアンプ回路
iBasso Super Class-Aディスクリートアンプ回路

音質レビュー

それではDX320MAX Tiの音質を確認してみたいと思います。パワーのあるプレイヤーでもあるので、試聴にはSENNHEISER HD 660S2を4.4mmバランス接続で用意し、音質優先のMango OSモードで動作させています。

DX320MAX TiとHD 660S2
DX320MAX TiとHD 660S2

頭を包み込むような音場の広がりにやや中低域寄りの硬質なサウンド、ひとつひとつの音の輪郭をハッキリ、しっかり聴かせるかのような音作り、若干の金属的な響きとベースモデルであるDX320およびその限定モデルであるDX320 Edition Xの特徴を受け継ぎつつ、出力に余裕が出たためか低域の量感が増し、力強さが加わった印象です。全体的には非常に情報量の多い美音系サウンド、といえるかと思います。

ここでアルティメットモードをONにして、DACチップ・BD34301EKVをデュアル(2基)からクワッド(4基)動作に切り替えてみましょう。音の傾向はもちろん変わりませんが、一音一音の粒立ち・立体感がより際立つように感じました。具体的にはピアノの打鍵感や、ウッドベースの弦をはじいた時のうなりなどがリアルに表現され、ライブ感が一段とアップします。アルティメットモードは最大連続再生時間が短くなる(OFF時:約17時間、ON時:約13時間)というデメリットがありますが、よほどバッテリー残量が少なくなっている場合を除いては常時ONにすることをお勧めします。

一方で、使い勝手の面でいえば「4セクションステップアッテネーター」によるボリューム操作は若干慣れが必要でしょう。”物理的に抵抗を切り替える”というアッテネーターの構造上、音楽再生中に音量を変えようとすると「プツッ、プツッ…」とノイズが乗ってしまう点と、24段階の切り替えなので「ココとココの間の音量にしたい」というのができない点は念頭に置いておくべきかと思います。音量設定についてはゲインコントロールダイヤルと組み合わせることである程度は調整できますが、どうしても操作が煩雑になってしまいますね。

製品仕様

DACチップ BD34301EKV×4 対応フォーマット MQA / APE / FLAC / WAV / WMA / AAC / ALAC / AIFF / OGG / MP3 / DFF / DSF and DXD
出力系統 3.5mm Phone Out / Line Out |、4.4mm Balance Phone Out / Line Out 再生可能形 768kHz / 32bit | Native DSD512
RAM(メモリ) 6GB ROM(ストレージ) 128GB
充電所要時間 アナログ部 約2時間、デジタル部:約3時間 最大連続再生時間 標準時約 17時間、Ultimate mode時 約13時間
サイズ 150×85×30mm(実測値) 重量 620g(実測値)

【商品情報】iBasso Audio DX320MAX Ti

» 詳細を見る

iBasso Audio DX320MAX Ti

まとめ

iBasso AudioのMAXシリーズ最新モデル「DX320MAX Ti」は、
・世界限定888台のチタニウム筐体を採用したリミテッドモデル
・独自開発の4セクションステップアッテネーター、ローム社製DACチップ「BD34301EKV」をクワッド搭載などMAXならではこだわり満載
・非常に情報量の多い美音系サウンドがより力強く、ライブ感のアップしたリアリティあるサウンドへと進化

と、今回もその名にふさわしくiBassoの今できる”最大限”が詰めこまれたオーディオプレイヤーとなっています。

DX320MAX Tiは本日よりご予約受付開始、発売は6月2日を予定しております。店頭デモ機も本日よりご用意しておりますので、ぜひお気に入りの楽曲を入れたmicroSDカードご持参のうえでお試しください!入荷数が非常に限られるモデルですので、ご予約はお早めにどうぞ。

Page Top