FiiO(フィーオ)KA5をオーディオ専門店スタッフがレビューします。3.5mmのシングルエンド、4.4mmのバランス出力対応で、雑味がなくクリアなサウンドが特徴の小型USB DACをFiiOのKA3、KA2との比較を含めて詳しく紹介します。
FiiO Electronicsは中国の広州に本社を置く、世界最大級のポータブルオーディオ機器メーカーです。自社ブランドである「FiiO」は、Fi (Fidelity) と iO (1 and 0, Digital)に由来し、デジタル・テクノロジーを駆使し高忠実度再生機器を製造することを標ぼうする同社のブランド・フィロソフィーを示したものです。
同社は2007年の設立以来、その優れた設計思想と製造品質により、世界各地でその知名度を高めてきました。特にポータブルヘッドホンアンプのマーケットでは、いち早く有名ブランドとしての地位を確立し、マーケットのシェアの拡大とともに急激な成長を遂げたほか、現在ではデジタルオーディオプレーヤー(DAP)やインイヤーモニター(イヤホン)を主力商品に加え、品質、性能、そして価格競争力を重視したカスタマー・オリエンテッドな製品を発表し続けています。(メーカー資料引用)
そんなFiioから、新たなUSB-DACが登場!それがこちらの「KA5」です!今回はこちらの商品をご紹介いたします。
USB Type-C端子を用いたデジタル入力に対応しています。
3.5mmのシングルエンド出力/ 同軸デジタル出力兼用端子と4.4mmのバランス出力に対応しています。
コンパクトで頑丈なアルミニウム合金製の筐体を採用しており、高級感があります。
・FiiO Controlアプリにより、詳細な設定が可能
5種類のフィルターの選択、ゲインのHigh/Low切り替え、チャンネルバランス調整などを設定可能です。(Android OSデバイスのみ操作可能)
・再生データを表示するOLEDディスプレイと便利な物理ボタンを搭載
再生中のフォーマットや音量、ゲイン、デジタルフィルターといった設定内容を直感的に確認できるOLEDディスプレイを搭載しています。また、側面に備えられた物理ボタンによって、音楽の再生/一時停止や設定変更の操作が可能です。
物理ボタンは、ユーザーの好みに合わせて2つのモードに切り替えが可能です。
Cirrus Logic製DACチップ「CS43198」をデュアル構成で採用しています。
DAC本体の物理ボタンで音量調整と曲送り・戻し、一時停止等の操作が出来るのはとても便利です。スマートフォン側のボリュームでは、細かいボリューム調整が出来ないので、それをDACで調整し、丁度良いボリュームで聴く事が出来ます。ボリュームが取りにくい製品でもある程度は鳴らせそうですね。
音質としては、雑味がなくなり、よりクリアになりました。縦と横の音の広がりだけではなく、奥行き感もより一層感じられるようになり、サウンドステージがグッと広がった印象です。
KA5との比較で、4.4mm対応のモデルで試聴するために、DACにES9038Q2Mを搭載するKA3とCS43131をデュアルで搭載するKA2を用意しました。
KA3は、低音寄りの鳴らし方でベースラインがズンズンと感じられます。中低域に厚みがあり、楽曲の安定感を感じられました。一方で、女性ボーカルのハイトーンや金属系楽器などの高音域のキレと伸びは、やはりKA5の方が有利です。音の厚み・楽曲の安定感が特徴のKA3に対し、KA5では音の定位感や解像度の高さ、総合的な実力といった点がさらに向上しています。
KA2は、ボーカルを艶っぽく、クリアに再生します。カラッとしたサウンド傾向で、その点はKA5と方向性は同じです。ただ、音場感についてはKA5の方がさらに広がりを感じさせます。左右の分離感も同様です。
KA2はボーカルを綺麗に聴きたい方におすすめのモデルですが、楽曲全体を見渡せる解像度の高さ等、総合的なスペックの高さを求める場合は、KA5もおすすめです。
DACチップ | CS43198 x2 | 入力端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
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出力端子 | 3.5mm シングルエンドヘッドホン / 同軸デジタル出力兼用端子、4.4mm バランスヘッドホン出力端子 | 推奨インピーダンス | 16〜150Ω (シングルエンド出力)、16〜300Ω (バランス出力) |
寸法 | 56.3mm x 22mm x 12mm | 重量 | 約19g |
【商品情報】FiiO KA5
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FiiO KA5は
・3.5mmのシングルエンド出力 / 同軸デジタル出力兼用端子と4.4mmのバランス出力搭載
・DAC本体のボタンでボリューム操作が可能
・雑味がないクリアなサウンド
が特徴の小型USB DACです。
イヤホン本体の良さをそのままに音場の広がりと、一音一音の音の輪郭をクッキリとさせ、全体的な解像度の底上げをしたいという方におすすめです。店頭にデモ機がございますので、ぜひお試しください。