iBasso Audio DX180をオーディオ専門店スタッフがレビューします。上位モデルDX260ゆずりのデザインに最新DAC・技術を搭載、エネルギー感高めのサウンドが特徴としながら、高コスパのポータブルプレーヤーを詳しく紹介します。
目次
iBasso AudioのDXシリーズとは
DX180の特徴
DX180の音質レビュー
製品仕様
まとめ
iBasso Audio(アイバッソオーディオ、以下「iBasso」)は2006年に設立された中国のポータブルオーディオメーカーです。2012年に世界で初めてポータブルプレイヤー(DAP)にAndroid OSを搭載したことで話題となった「DX100」(日本国内では改良モデル「HDP-R10」として販売)を皮切りに、現在まで数多くのDAPを開発・発売してきました。
最近ではDACチップを8基も搭載するという”Octa DACマトリックスアーキテクチャ”を採用したミドルクラスDAP「DX260」を今年2月に発売、こちらも人気を集めています。
iBasso Audio DX260 レビュー | 直線的なデザインとソリッドな音質が融合したミドルクラスDAP
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そしてこの夏、今度はそのDX260の弟モデルにあたるローエンドDAPが登場します!それがこちらの「DX180」です!
今回はこのDX180について、詳細および音質レビューをお届けします。
まずはパッケージ開封!このスペックを表記した保護シートがより一層期待感を高めてくれます。
付属品は専用TPUケース、製品保証書およびクイックスタートガイド、スクリーンプロテクター、USB-C to A 充電ケーブルとなっています。
こちらがDX180本体です。2月に発売されたDX260と同じく、直線で構成された”インダストリアル・デザイン”が採用されています。大きさもほぼ同じくらいのサイズ感となっています。
なお、DX180はブラック、グリーン、ブルーの3色展開となりますが、今回使用したサンプルはグリーンモデルです。
主な出力端子はこれまでのiBasso製DAPと同じく、本体下部に配置されています。左から4.4mmバランス出力端子、3.5mmシングルエンド出力端子となっており、それぞれラインアウト端子兼用(設定で切替)です。なお、3.5mm端子は同軸デジタル出力端子(SPDIF 3.5mm 2極)も兼ねています。
本体上部にはmicroSD用カードスロット、充電用USB Type-C端子を備えています。
本体右側面にはシルバーのボリュームノブ、「戻る」「再生・停止」「進む」の各ボタンが配置されています。電源のオン・オフはボリュームノブを数秒押し込んで行います。
なお、左側面にはなにもありません。
こちらがDX180の背面。DX260と異なり部分的な傾斜はなく、フラットなデザインとなっています。
ボリュームノブ周辺のテイストもDX260ゆずりながら、ややスッキリとした印象です。ご覧のとおりネジ留めとなっているのは、パーツの交換や内部基板へのアクセスなどメーカーによるメンテナンスがしやすく、より長く愛用いただけるようにとのことです。
専用TPUケースが付属するのも嬉しいポイントですね。
続いて、DX180の内部設計についてもご紹介しましょう。DAPの中でも特に重要なDACチップには、シーラスロジック社製「CS43131」を4基搭載した”Quad DACアーキテクチャ”となっています。
このCS43131は、DX260で採用されたDACチップ・CS43198とほぼ同じスペックでヘッドホンアンプを内蔵している点・さらなる低消費電力化が図られている点が異なるというDACチップです。
システム処理用のICチップであるSoC(System on a Chip)にはQualcomm Snapdragon 665、OSにはAndroid 13をそれぞれ採用。OS標準のSRC(サンプリングレートコンバーター)をバイパスする”Non-SRC”機能を搭載しているので、専用アプリケーション「Mango Player」やその他の音楽再生アプリでもフルスペックサウンドを楽しむことが可能です。
また、上記のSoCとは別にオーディオ再生処理専用の"FPGA"と呼ばれるICチップを併用する”FPGA-Masterテクノロジー”は、DX260にも搭載されたものと同じピコ(1兆分の1)秒レベルの精密なデータ制御と調整が可能な「FPGA-MASTER 2.0」となっています。これにより、4基あるDACチップ・CS43131の性能を最大限に引き出すことができるとのことです。
それではいよいよDX180の音質を確認してみましょう。イヤホンにはDX260レビュー時と同じく「FitEar TG334」を組み合わせています。
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やや乾いた中域の厚みに、キレの良い高域・低域が加わってエネルギー感高めのサウンドを聴かせてくれるプレイヤーです。
リスナーに近い音場、ソリッドな音質と全体的な傾向としては上位モデル・DX260によく似ているものの、さすがに解像感の面で一歩譲る印象…ですが、ここで”DAC間の差異を無くすことで歪みの大幅低減やサウンドディテールを向上させる”というFIRフィルター設定を「2X FIR」にしてみると、出音に滑らかさが加わってより聴きやすく変化します。
このFIRフィルター機能自体はDX260にも搭載されていましたが、DX180の方が効果がわかりやすいように感じました。
このDX180はDACチップの数や価格がDX260のちょうど半分という位置づけとなっていますが、製品クオリティは半分どころかかなり近いものとなっているので非常にお買い得なモデルといえそうです。
ボディ材質 | アルミニウム合金 | サイズ | 123mm×75mm×16mm |
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重量 | 206g | ディスプレイ | Sharp製 5.0inch 1080×1920 P |
OS | Android 13 | DACチップ | Cirrus Logic社 CS43131×4 |
出力 | 4.4mm Phone Out / 4.4mm Line Out、3.5mm Phone Out / 3.5mm Line Out、3.5mm同軸デジタル出力 / USB OTGデジタル出力 | Bluetooth | Ver 5.0 |
【商品情報】iBaaso Audio DX180
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