ACTIVO P1 のオーディオ専門店スタッフレビューです。毎日持ち歩きやすいシンプルなデザインと機能性、そしてなめらかなウォーム寄りの聴きやすいサウンドバランスが特徴のポータブルプレーヤーを詳しく紹介します。
目次
ACTIVOブランドとは
ACTIVO P1の特徴
ACTIVO P1の音質レビュー
製品仕様
まとめ
ACTIVO(アクティヴォ)は2017年末、ハイレゾプレイヤーの火付け役として知られるAstell & Kern(アステルアンドケルン、以下「AK」)のカジュアルブランドとして設立されました。
翌2018年4月にはエントリーDAP・CT10を発売、その後もブランドアンバサダーにバーチャルYouTuber 「電脳少女シロ」さんを起用したり、2019年1月には往年の64ビット級ゲーム機・セガサターンとのコラボモデルをリリースするなど、本家AKとはひとあじ違う展開で話題となったブランドです。
そのACTIVOから久々に新型ポータブルプレイヤーが登場します!それがこちらの「ACTIVO P1」(以下「P1」)です!
今回はこのP1について、詳細および音質レビューをお届けします。
それではパッケージを開けて…と、一見真っ白なこのスリーブ、触るとブランドロゴが凹加工されています。この辺はカジュアルブランドといえどもしっかり作り込まれている印象です。
内容物はP1本体、ドキュメント類、画面保護シート、USB Type-C to Type-Cケーブル(約1m)、USB Type-C to Type-Cショートケーブル(約10cm)と必要最低限なものとなっています。なぜUSBケーブルが2本入っているのか、という点についてはまたのちほど。
こちらがP1本体です。4.1インチHD(720×1280)タッチスクリーンを備えた縦長のストレート形状で、重量は約155gとやや軽めになっています。
DACチップはESS社製「ES9219Q」をデュアルDAC構成で採用、独自のTERATON ALPHA AMPと組み合わせた上で、AKサウンドチームによるサウンドチューニングを施しています。
対応サンプリングレートもCT10から大幅にアップデートされ、PCM 384KHz/32bit&DSD256までのネイティブ再生に対応。バッテリーはPD 3.0急速充電に対応し、約20時間の長時間再生が可能です。
この正面写真を見て「おや?」と思った方はかなりAK歴が長いのではないでしょうか。これまでのAK製DAP、そしてACTIVO最初のDAP・CT10では電源を入れると即プレイヤーが起動するのがお決まりでしたが、このP1ではいわゆるAndroidメニューの操作が可能になっているという特徴があります!もちろんアプリもAPKファイルからではなく「Google Playストア」からのインストールが可能です!
イヤホン端子は本体上部に設けられており、4.4mmバランス端子と3.5mmシングルエンド端子が並んでいます。
本体下部にはmicroSD用カードスロットとUSB Type-C端子を備えています。よく見ると「BY ASTELL&KERN」の刻印も。
こちらが本体右側面ですが、ご覧のとおりP1本体は上部3分の1ほどが若干厚みのあるホワイトのポリカーボネート、その下3分の2がアルミニウム製というデザインです。
こちら側には電源ボタンと再生・停止ボタンが配置されています。なお、再生・停止ボタンは2回押すと曲送り、3回押すと曲戻しの操作も兼ねています。
左側面にはボリュームのアップボタン・ダウンボタンが配置されています。
背面の様子がこちら。カラーリングもデザインも非常にシンプルなモデルです。
さて、付属品の中になぜUSBケーブルが2本もあるのか?という件の答えです。このP1には単体DAPとしてはもちろんのこと、スマートフォンとOTG接続して”外部USB-DAC”としても活用してほしい、というメーカーの意図があるそうです。
ちなみに、USB-DACモードでもAK製品でおなじみのデジタルオーディオリマスター(DAR、いわゆるアップサンプリング)機能やDACフィルター切替機能は使用可能なので、サブスク音源をより高音質で聴きたい方にはぜひおすすめしたい使い方となっています。
さらにバッテリー充電のON/OFFも切替できるので、接続したスマートフォン側のバッテリーを消費することなく運用することも可能です。この点はドングル型USB-DACをよくお使いの方には非常にありがたいポイントではないでしょうか。
もちろんスマートフォンとはBluetooth接続することでBTレシーバーとしての使用もOK、コーデックもaptX HDやLDACに対応しているのでその場合でも高音質再生が可能です。
それではP1の音質を確認してみたいと思います。組み合わせるイヤホンには、日中2大IEMブランドのコラボ実現で話題となったqdcの人気モデル「SUPERIOR EX」を選び、別売のバランスケーブル「SUPERIOR EX Cable 4.4-IEM2pin」で接続しています。
【商品情報】qdc SUPERIOR EX
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【商品情報】qdc SUPERIOR EX Cable 4.4-IEM2pin
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中低域をメインとしたややウォーム寄りの音質で、ボーカルものや生楽器の再生に向いた音作りのプレイヤーです。解像感もカリカリとまではいきませんがしっかりとあり、各音の鳴らし分けも問題ありません。組み合わせたSUPERIOR EXのキャラクターもあわせて、長時間のリスニングでも聴き疲れしないサウンドバランスが味わえます。
曲選択などの操作感もスッスッと軽く動きますが、UIとしては一般的なAndroid搭載DAPの方に近いので、特にAK製DAPに慣れている方はちょっと戸惑うかも知れません。
USBケーブルでスマートフォンと接続してUSB-DACとしても聴いてみました。基本的には単体再生時とほぼ変わらない音ではありますが、たとえばハイレゾもロスレスも配信されていないようなサブスク音源でもDAR機能でアラの目立たない、なめらかで聴きやすい音源に変えられるというのは思いのほか便利だと感じました。
小型USB-DACと比べるとかさばりはしますが、ぜひ一度お試しいただきたい使い方です。
ボディ材質 | アルミニウム+ポリカーボネート | サイズ | 62mm × 119.2mm × 17.2mm |
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重量 | 約155g | ディスプレイ | 4.1インチHD(720×1280)タッチスクリーン |
OS | Android OS | DACチップ | ESS ES9219Q×2 (Dual-DAC) |
出力 | 3.5mm3極アンバランス出力、4.4mm5極バランス出力 (5極GND結線) | Bluetooth | Ver 5.3 |
【商品情報】ACTIVO P1
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