Bowers & Wilkins Pi6とPi8のオーディオ専門店スタッフレビューです。イヤホンデザイン、12mm径ドライバーに前モデルから進化。柔らかな低音域と広がりのあるサウンドが楽しめるワイヤレスイヤホンを詳しく紹介します。
目次
Bowers & WilkinsのPiシリーズとは
Bowers & Wilkins Pi6の特徴
Bowers & Wilkins Pi8の特徴
音質レビュー
まとめ
Bowers & Wilkins(バウワース・アンド・ウィルキンス、以下「B&W」)は1966年、イギリスで設立された名門オーディオブランドです。大人の雰囲気を持つデザイン、そして長年のスピーカー開発で培われた技術を活かしたサウンド設計がヘッドホン・イヤホン分野でも高い人気を誇っています。
そのB&Wによる完全ワイヤレスイヤホンが「Pi」シリーズで、2021年6月に初代モデル「PI5」「PI7」が、2023年2月に第2世代モデル「Pi5S2」「Pi7S2」が発売されました。
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そのPiシリーズに今回、ナンバリングが進んだ新モデルが登場しました!それがこちらの「Pi6」「Pi8」の2モデルです!
今回はこのPi6 / Pi8それぞれについて、詳細および音質レビューをお送りします。
まずはPi6からご紹介です。パッケージ内容は本体および充電ケース、イヤーチップ(XS/S/M/Lの4サイズ・Mは本体に装着済み)、充電用USBケーブル(60cm・両端Type-C)、マニュアル類となっています。
なお、Pi6には今回撮影したストーム・グレーのほか、クラウド・グレー、グレイシャー・ブルー、フォレスト・グリーンの4色が用意されていますが、フォレスト・グリーンのみ12月下旬発売予定となっています。
充電ケースはこれまでのモデルに比べ、約2/3ほどに小さくなっています。
充電ケースのフタを開けるとPi6がお目見え。PI5・Pi5S2の特徴ともいえた”円と楕円を組み合わせたデザイン”から、一般的な完全ワイヤレスイヤホンのようなスマートなフォルムに生まれ変わりました。
タッチセンサー内蔵のフェイスプレート部には「Bowers & Wilkins」のロゴがプリントされています。
もちろん変わったのはフォルムだけではありません。搭載するドライバーはPI5・Pi5S2で採用されていた9.2mm径ダイナミックドライバーから新開発の「12mm径バイオセルロース・ドライブユニット」へと進化、サポートコーデックには最大96kHz/24bitに対応するaptX Adaptiveが追加されました。
通話時のノイズ除去機能には前世代の上位モデル・Pi7S2と同じ通話ノイズ除去プラットフォームを採用し、さらなるアップグレードが図られています。
また、バッテリー駆動時間も大幅に延長され、イヤホン単体で8時間(ノイズキャンセリングON)、充電ケース併用で計24時間の使用が可能となりました。
B&Wの公式スマートフォン用アプリ「Bowers & Wilkins Music」と連携させることも可能です。アプリ上からバッテリー残量の確認や、ノイズキャンセリング機能・パススルー(外音取込)機能・機能オフの切り替えができます。なお、前モデルにあったパススルーの取込量調整はなくなり、よりシンプルな操作感となっています。
続いてはPi8のご紹介です。パッケージ内容は本体および充電ケース、イヤーチップ(XS/S/M/Lの4サイズ・Mは本体に装着済み)、充電用USBケーブル(60cm・両端Type-C)、マニュアル類とここまではPi6とまったく同じですが、さらに「3.5mmジャック - USB-Cオーディオケーブル(80cm)」というあまり見慣れないケーブル(写真右下)が付属する点が異なります。
なお、Pi8にも今回撮影したアンスラサイト・ブラックのほか、ダブ・ホワイト、ミッドナイト・ブルー、ジェイド・グリーンの4色が用意されていますが、こちらもジェイド・グリーンのみ12月下旬発売予定となっています。
充電ケースはPi6同様、これまでのモデルより小さくなっています。
Pi8もやはり前世代の”円と楕円を組み合わせたデザイン”から一転、スマートなフォルムに生まれ変わっています。
フェイスプレート部に「Bowers & Wilkins」のロゴがプリントされているのもPi6と同じですが、その周囲にシルバーの帯が配置されているところが異なります。
中身の変化、という点ではPi8はさらに大きく変わっています。前世代モデルのPI7/Pi7S2では9.2mm径ダイナミック+BAのハイブリッド・ドライバー構成でしたが、今回のPi8ではフラッグシップワイヤレスヘッドホン・Px8のために開発された技術を採用した「12mm径カーボンコーン・ドライブユニット」に変更されました。サポートコーデックには、オーディオデータを非圧縮で転送するaptX Losslessが追加されています。
通常の完全ワイヤレスイヤホンでは汎用チップにまかせてしまうDAC、DSP(デジタル信号処理ユニット)、アンプといった回路も、Pi8では個別に回路を組むディスクリート構成としているのも大きな特徴です。
ノイズキャンセリング機能についても、前作Pi7やヘッドホン・Px8開発の際に用いられた「音楽再生の品位に影響を与えることなく、不要なノイズだけを可能な限り取り除く」という設計意図のもと、B&Wが独自に開発したANCアルゴリズムを含む新しいノイズキャンセリング機能を搭載しています。
また、バッテリー駆動時間もイヤホン単体で6.5時間(ノイズキャンセリングON)、充電ケース併用で計20時間の使用が可能となるなど、こちらも前作より向上しています。
さて、Pi8には前世代モデル・PI7/Pi7S2から受け継がれる”特殊な機能”が搭載されています。それが「オーディオ・リトランスミッション(Bluetooth送信)機能」です。
これは付属の3.5mmジャック - USB-CオーディオケーブルでBluetooth機能のない再生機器とPi8の充電ケースをつなぐと、充電ケースが送受信機の役割をはたすことでPi8で音楽を楽しめるというこのシリーズならではの機能になります。なお、この機能の接続時はaptX Adaptiveで接続されているとのことです。
【商品情報】FIIO CP13
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Pi8も「Bowers & Wilkins Music」アプリと連携可能です。バッテリー残量の確認、ノイズキャンセリング機能・パススルー(外音取込)機能・機能オフの切り替えなどに対応しています。なお、こちらも前モデルにあったノイズキャンセリングのオートモードやパススルーの取込量調整がなくなっています。
それではPi6およびPi8の音質レビューとまいりましょう。まずはPi6から、スマートフォンと接続してサブスク音源を数曲聴いてみました。
柔らかな低域の広がりと落ち着いた中域とでリスナーをゆったりと包み込むような音作りのイヤホンです。高域はあくまで優しく、耳にさわるような刺激のない非常に聴きやすいサウンドであるのに加え、音場も自然な広がりを感じさせてくれるため長時間の音楽鑑賞でも疲れにくいのではないでしょうか。
ドライバーユニット | 12mm バイオセルロース | ノイズキャンセリング | アクティブ・ノイズキャンセリング |
---|---|---|---|
Bluetoothコーデック | aptX Adaptive、aptX Classic、AAC、SBC | バッテリー | 最大8時間/最大16時間 (ケース込み) |
防滴性能 | IP54 | イヤホン本体質量 | 7 g(片側) |
【商品情報】Bowers & Wilkins Pi6
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続いてPi8の方も聴いてみましょう。
Pi6に低域の深み、中域の明瞭感が加わり、上位モデルにふさわしい余裕あるサウンドを聴かせてくれます。高域の優しさはこのPi8でも変わりませんが、さらに一段解像感を高めたかのような伸びやかさがプラスされ、全体的にサウンドレンジが広くなった印象を受けます。Pi6と同じく、このPi8もじっくりと音楽に向き合うためのイヤホンとして有力な選択肢になるかと思います。
また、Pi6、Pi8どちらも従来モデルから形状が変更されたことでより装着時の耳への収まりが向上しているので、物理的にもよりリラックスして使うことができるイヤホンに仕上がっているのが嬉しいポイントです。
ドライバーユニット | 12mmカーボンコーン | ノイズキャンセリング | アクティブ・ノイズキャンセリング |
---|---|---|---|
Bluetoothコーデック | aptX Lossless、aptX Adaptive、aptX Classic、AAC、SBC | バッテリー | 最大6.5時間/最大13.5時間 (ケース込み) |
防滴性能 | IP54 | イヤホン本体質量 | 7 g(片側) |
【商品情報】Bowers & Wilkins Pi8
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