AFUL Cantor のオーディオ専門店スタッフレビューです。美しいフェイスプレートと長い真鍮ノズル、迷路のような複雑な音響管など多彩な音響設計が特徴の分離感が優れたオリジナリティあふれるイヤホンを詳しく紹介します。
目次
AFULとは
Cantorの特徴
Cantorの音質レビュー
製品仕様
まとめ
AFUL(アフー)は2018年に発足した、高品質の3Dプリンティング技術と最先端の音響技術を得意とする中国のオーディオブランドです。日本市場には2023年夏頃に上陸、ハイブリッド・マルチドライバー構成の「PERFORMER」シリーズやシングルBAドライバー搭載の「MagicOne」といったモデルをリリースしてきました。
AFUL PERFORMER 8 レビュー | ダイナミックドライバー搭載で力強いサウンドの有線イヤホン
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そのAFULから、今回はなんと片側に14基ものBAドライバーを搭載したハイクラスモデルが登場しました!それがこちらの「Cantor」です!
今回はこのCantorについて、製品の詳細および音質レビューをお届けします。
ボックスを開けると、ネイビーブルーのキャリングケースとCantor本体が姿を現します。
こちらがCantorの内容物一式です。キャリングケース、取扱説明書、ケーブル、イヤーピース(3種類・各S/M/Lの3サイズ)およびイヤホン本体となっています。
Cantorのハウジングは全体的にブルー一色で統一されています。フェイスプレートには細かい螺鈿細工が施されており、光の当たる角度によって複雑に輝きます。
ちなみにモデル名のCantorとは、教会の聖歌隊リーダー「カントール」を意味しています。
14基ものBAドライバーを内蔵していることもあり、イヤホン本体はやや分厚めです。ケーブルコネクタはフラットタイプの2pinとなっています。
Cantorの大きな特徴といえば、なんといってもこの金属の音導管が飛び出しているかのような長いステム(軸)ではないでしょうか。
この長さ4.35mm・直径4mmのニッケルメッキ真鍮ノズルによって、超高域の帯域幅を広げ、高周波が聞き取りやすくなっているとのことです。またよく見ると大・中・小と3つの異なるサイズの穴が開けられたフィルターが設けられていることがわかります。
なお、イヤーピースを装着する際にはこのノズルのフチぎりぎりまでしっかり差し込むことが推奨されています。そのため、付属品以外のイヤーピースでは正常に装着できないこともありますのでご注意ください。
ブルーのハウジングをのぞき込むと、まるで迷路のように音響管が折りたたまれている様子が透けて見えます。これがCantorに搭載されている独自技術のひとつ「デュアル・チャンネル・アコースティック・メイズテクノロジー」で、この音響管を通ることで優れた弾力性と深みのある低音の再生が可能となっています。
こうした音響設計は低域だけに施されているわけではありません。各帯域を担当するドライバー群も単に帯域ごとに束ねて音を出すわけではなく、それぞれの帯域に最適な音響設計を施した上で効率的に統合し、スムーズな周波数遷移とまとまりのあるサウンドステージを実現しています。
付属ケーブルは特注の高導電性ピンを採用した2pinケーブル(長さ1.2m)で、日本国内版は4.4mmバランスプラグとなっています。
それではCantorの音質についても確認してみましょう。プレイヤーにはAstell&Kern KANN ALPHAを組み合わせて試聴してみました。
ややウォーム傾向の弾むような低域と中央にビシッと定位する明瞭な中域、鋭利な高域とそれぞれの音域に特徴を持たせつつも、それらが落ち着いたトーンのもとにまとめられています。音場は広めで解像感はほどほどですが、各音に膨らみがなくタイトに鳴るため分離感が優れているためボーカルものや生楽器の演奏などに向いているように感じました。
一方で、その特徴的な長いノズルのために装着時はしっかりと耳の奥の方まで差し込んで安定させる必要がありました。イヤーピースのサイズは普段使っているものよりひとまわり小さいものを選ぶのが良さそうです。
ドライバー | 14 バランスド・アーマチュア | インピーダンス | 20Ω±10% |
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感度 | 106dB @1kHZ | 周波数応答範囲 | 5Hz-35kHz |
使用音圧レベル | 20-106dB | コネクター | 2Pin(0.78mm) |
【商品情報】AFUL Cantor
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