FiR Audio Electron e12 をオーディオ専門店スタッフがレビューします。独自の12mm径エレクトロダイナミックドライバーとTactile Bassテクノロジーによる迫力と質感、存在感のあるサウンドが魅力のイヤホンを詳しく紹介します。
目次
FiR Audioとは
Electron e12の特徴
Electron e12の音質レビュー
製品仕様
まとめ
FiR Audio(ファー・オーディオ)は、20年以上にわたりイヤホンの設計・製造に携わってきた技術者ボグダン・ベロノジコ氏が2018年にアメリカで設立したイヤホンブランドです。日本市場には2021年春に上陸、当店限定発売モデルの「FIVE×FIVE」をはじめとした製品で人気を博しましたが、2022年末に日本市場から撤退してしまいました。
そのFiR Audioがこのたび、再度日本市場に参入をはたしました!その第1弾モデルがこちらの「Electron e12」(以下「e12」)です!
今回はこのe12について、詳細および音質レビューをお届けいたします。
まずは付属品を確認してみましょう。キャリングケース、シリコンイヤーピース(S/M/L)、フォームイヤーピース(S/M/L)、クリーニングツールといったイヤホンらしい付属品が並ぶ中、いかにもアメリカンジョーク的な「SPACE FORCE(宇宙軍)」ワッペンもオマケとして入っていました。
こちらがe12本体。インレイ模様のフェイスプレートには、ウサギの耳を模したブランドロゴマーク(左)とモデル名(右)が刻まれています。
なお、このフェイスプレートは製品ごとに模様の向きや色合いが異なるとのことです。
実はこのフェイスプレート、e12本体に磁石で装着されているので取り外しが可能です。こちらは仕様ですのでご安心を。とはいえ、そう簡単には外れないようにはなっているので、取り外しの際にはイヤーピースを収めているプレートに刺さっていた”シリコン製の謎の棒”を吸盤のように使うと良さそうです。
ケーブルコネクタにはいわゆるカスタムIEM 2pinと完全互換となる”高耐久SwapX 2pin(0.78mm)”を採用しています。緩むリスクを最大限に排除した4分割ソケット設計を採用することで、堅牢性を大幅に向上させたとのことです。
搭載するドライバーはモデル名にもあるとおり、FiR Audio独自の12mm径”エレクトロダイナミックドライバー”1発。さらに高品質なアルミ削り出しのソリッドシェル全体を利用して低音を反響させることにより迫力と質感、存在感を生み出すという独自技術”Tactile Bassテクノロジー”を採用しています。
ステム(軸)はやや太めでフィルターなどがないタイプ。付属のイヤーピースにも同じようにフィルターなどはないので、ゴミなどが入らないようにご注意を。
※店頭デモ機にはフィルター付きの「AZLA SednaEarfit MAX」を装着しております
付属ケーブルは銅シールドを施した純銀メッキOFC8芯の4.4mmバランスケーブルです。こちらにもしっかりとブランドロゴが入っていました。
それではe12の音質チェックです。プレイヤーにはAsell&Kern KANN ALPHAを組み合わせて試聴してみました。
大口径のダイナミックドライバーらしさを感じるスケールの大きな、おおらかな鳴り方で、特に低域の力強さと量感の豊かさ、ボーカルの強く前に出る様子が特徴的なサウンドです。
高域の刺激もそれなりにありますが、全体的に音の厚みと柔らかさがあるため耳に刺さる手前で抑えられているように感じます。音場も広く、リスナーの前方に展開される印象で各音域の定位感も充分です。
ライブ収録や大編成バンドなど、臨場感や迫力の再現が求められる音源を聴くのに最適なイヤホンではないかと思います。
ドライバー | 12mm径エレクトロダイナミックドライバー | ドライバー数 | 1DD / 1ドライバー(片側) |
---|---|---|---|
形式 | カナル型 | 周波数応答範囲 | 20 – 20,000 Hz |
本体素材 | 1アルミニウム | インピーダンス | 16Ω |
【商品情報】FiR Audio Electron e12
» 詳細を見る