64 AUDIO Ocean レビュー | tia Fourteのテクノロジーを継承したマニア好みの音!


イヤホン:FitEar/TG334、qdc/Anole V14-C
ヘッドホン:TAGO STUDIO/T3-01
DAP:Astell&Kern/A&ultima SP3000
などを愛用中。
商品レビューやインタビューなどを担当しています。製品そのものの情報だけでなく、メーカーや開発者の"想い"もお伝えしたいと思っています。
64 AUDIOとは
64 AUDIO(シックスティーフォー・オーディオ)はアメリカ・ワシントン州に本社を構えるイヤホン・イヤーモニターメーカーです。設立当初は「1964Ears」というブランド名で日本では2013年から本格展開を開始、2015年に現在の64 AUDIOへと改称して現在に至ります。
64 AUDIOがハイクラスイヤホンブランドとしての地位を確立したきっかけといえば、2017年6月に発売された当時のフラッグシップモデル「tia Fourte(ティア・フォルテ)」ではないでしょうか。BAドライバーから音導管を排除した”チューブレス設計”採用の「TIAテクノロジー」や、鼓膜にかかる余分な空気圧を軽減する”第2の鼓膜”こと「apexシステム」を搭載した画期的なイヤホンは、ブランドを代表するイヤホンとして今も人気です。

そして2026年10月、このtia Fourteの技術と設計思想を継承した新しいハイクラスイヤホンが登場します!それがこちらの「Ocean(オーシャン)」です!

今回はこの最新モデル・Oceanについて、音質および詳細をお届けしたいと思います。
【商品情報】64 AUDIO Ocean
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音質レビュー
まずは気になる音質のチェックです。実はOceanにはこのあとご紹介する”音質調整機構”が搭載されているのですが、ここでは標準状態のまま聴いてみたいと思います。試聴には4.4mmバランスケーブルを使用、組み合わせるプレーヤーはAsell&KernのフラッグシップDAP・A&Ultima SP4000です。

【商品情報】Astell&Kern A&ultima SP4000
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中域から低域にかけての質感・厚みを特に強く印象づけるようなパンチの強さがありつつ、過剰な余韻を残さない絶妙なキレの良さで重苦しさのない腰の据わったサウンドです。
高域は派手さこそありませんがスッと消えていくような伸びやかさで、スッキリと耳に優しいバランスになっています。
音場は左右方向に楕円形に広がるように展開され、各音域の定位感もガチガチにならない程度に配置されるため若干のホール感を感じさせます。
一瞬聴いただけではどちらかというと地味な印象の音作りですが、プレーヤーや音源にこだわる方であればじっくり聴けば聴くほど奥深い味わいを感じることのできる、そんなイヤホンに仕上がっています。
Oceanの特徴
さて、ここからはOceanの詳細についてお伝えしていきましょう。
こちらがOceanのイヤホン本体です。ベースとなったtia Fourteがオレンジ+グリーンのかなりビビッドなカラーリングであったのに対し、Oceanは全体がシャンパンカッパーカラーのアルミニウム筐体となっています。
フェイスプレート部には、砂漠などで風によって生み出される模様”風紋”から着想を得たという切削加工が施されているのですが、こちらもよく見ると単純な直線ではなく微妙なゆらぎを持った線で構成されています。

ケーブルコネクタは(写真では黒く潰れてしまっていますが)フラット2pinタイプです。
ステム(軸)は標準的な長さですが、付属のイヤーチップが軸の短めなタイプなので、装着するとステムのふちがイヤーチップの開口部にほぼ露出するのもtia Fourteからの伝統でしょうか。
搭載するドライバーは低域用にアイソバリック(向かい合わせ)構成のダイナミックドライバー2基、中域にBA2基、中高域にBA1基、高域にチューブレスのtia BA1基という6ドライバー構成になっています。tia Fourteと比べると、低域用ダイナミックが1基、中域用BAが1基それぞれ多くなっています。
低域のアイソバリック構成については2023年発売のモデル「Volur」で採用したものを取り入れており、このOceanが単にtia Fourteを発展させたわけでなく、その後に続く64 AUDIO製品で培われた技術をつぎ込むことで作り上げられていることがわかります。

付属ケーブルは3.5mmプラグと4.4mmプラグの2本。4芯のUP-OCC Copper Litz(リッツ線構造の超高純度単結晶銅)線を採用し、外装もイヤホン本体に合わせたカラーリングとなっています。

その他の付属品はシリコン製イヤーチップ(2種類・3サイズ)、フォーム製イヤーチップ(3サイズ)、交換用apexモジュール、円形のレザーケース、クリーニングクロス、ブラシ、クリップにロゴステッカーと64 AUDIOファンにはおなじみのものばかり。そんな中に、ちょっと見慣れないものがあるのにお気づきでしょうか。

これが今回のOceanに搭載された音質調整機構のためのパーツ用ホルダー!
上段の★型ネジが切られているのが低域調整用の「バックベントフィルター」で、それぞれ付け替えることで遮音性を損なうことなく低域の感度を約8dBの範囲で調整可能となっています。
下段の無数に穴の空けられたものが高域調整用の「tiaスクリーン」で、こちらは”REF”と”-2dB”の2種類を付け替えることで調整可能。なお、”EXTRA”はREFの予備として付属しているものでまったく同じだそうです。

交換時にはホルダー中央に装着されている交換用ツールを使用します。ツールの両端がそれぞれのネジ穴に合うように加工されているので、うっかり落としたりしないように慎重に交換して好みの音質へ調整してみましょう。

空気圧調整システム用のapexモジュールは、m20(-20dB・銀)、m15(-15dB・銅)、m12(-12dB・金)、mX(-10dB・黒)の4種類が付属。こちらは先端のくぼみに爪の先をひっかけ、グッと引っ張ることでイヤホン本体から抜くことができます。本体と同じカラーリングのm15がOceanの標準モジュールです。
これら3つの調整システムを組み合わせることで、リスナーの理想とする音質にさらに近づけることができるというのがこのOceanが持つ最大の魅力となっています。

tia Fourteとの比較試聴
さて、ここまでひととおりOceanの特徴をご説明しましたがやっぱり気になるのは「tia Fourteとの音の違い」ではないでしょうか?
というわけで、最後はtia FourteとOceanの聴き比べとまいりましょう。Oceanの音質調整システムは3種類とも標準状態での試聴です。

この2モデルを聴き比べてみると、tia Fourteも中~低域の質感・厚みを持ってはいるもののやや音が硬く、Oceanに比べ高域の主張が強いように感じます。音場も左右に広いOceanに対してtia Fourteでは前後の奥行感が強調されるかのように展開され、音源のイメージもホールよりもスタジオで収録されたもののように聴こえるのが面白いところです。
技術・設計思想をともにする2モデルではありますが、それぞれの聴かせるサウンドはかなり異なるように思いました。このあたりに64 AUDIOが約10年の間、それぞれの時代に対応しながら理想の音を作り上げてきた”変化”が現れているのかもしれません。
まとめ
今回はロングセラーモデル・tia Fourteの技術と設計思想を継承した64 AUDIOの新型ハイクラスイヤホン「Ocean」をご紹介しました。
- フェイスプレートに”風紋”が刻まれたシャンパンカッパーカラーの筐体
- 歴代トップモデル採用のtiaテクノロジーに加え、3種類の音質調整システムで好みのサウンドに変更可能
- 中~低域の質感と厚みが魅力、パッと聴きは地味ながらじっくりと味の出るマニア好みの音作り
Oceanは本日10月23日からご予約受付開始、発売は10月30日を予定しています。店頭デモ機も本日からご用意しておりますので、ぜひ一度店頭でその音質をお確かめください。
なお、バックベントフィルターやtiaスクリーン、apexモジュールを交換される場合は店頭スタッフまでお申し付けいただくようお願いいたします。








