64 AUDIO Volur をオーディオ専門店スタッフがレビューします。独自の新技術Isobaric方式を採用した10ドライバー搭載。多構成ながら小型で軽い装着感と質の高い低音表現と明瞭なサウンドバランスが特徴のイヤホンを詳しく紹介します。
目次
64 AUDIO とは
Volur の外観と特徴
Volur の装着感レビュー
Volur の音質レビュー
まとめ
64 AUDIO(シックスティーフォーオーディオ)は、ワシントン州バンクーバーに本拠を構えるプロミュージシャンやオーディオファイル向けカスタムIEM(インイヤーモニター)の製造メーカーです。
聴覚障害リスクを抑える技術「apex(Air Pressure Exchange) Technology」や、独自のチューブレス設計を採用した「tiaドライバー」など、新しい技術を次々に生み出し、カスタムIEM業界をけん引しているメーカーのひとつです。
今回は、10 ドライバーを搭載したユニバーサルモデル「Volur」を詳しく紹介していきます。
まずは、パッケージ内容から確認していきましょう。
ケーブルは、柔らかくて軽く癖も付きにくいので、取り回しがよくタッチノイズは全く気になりません。
ノズルの太さは一般的ながらノズルが長く、ノズル側に返しが無いため、短いイヤーピースの場合は抜けてしまう可能性があります。付属品以外のイヤーピースに交換する場合は事前の確認をおすすめします。
ドライバーは、ハイブリッド型で合計10ドライバーを搭載しています。
64 AUDIO の独自技術「apex」や「tia テクノロジー」に加えてノイズを低減するという「Isobaric 方式」が採用されました。
2基のダイナミックドライバーを並列に配置し駆動することで、空気圧を2倍にしレスポンスを高め、さらにFourté Blanc 用に開発された高精度のフィルターを使用することにより、より明瞭な低域を表現する方式です。
この方式がどのような音質になるのか、実際に音質を確認していきましょう。
10ドライバー搭載とドライバー構成としては多めですが、イヤホン自体は小ぶりで軽いため、楽な装着感で長時間の試聴でも問題なさそうです。
9mmのダイナミックドライバーが2基搭載されているため、特性上力強い低域再生が感じられます。さらに「ISOBARIC」方式のためか、より質の高い低域表現を感じます。また、楽曲全体のサウンドバランスを崩すことなく、重みと量感を表現し、レスポンスも良いです。
バスドラやベースは、重厚感と迫力を感じさせますが、モコモコと音にフィルターをかけたような鳴らし方ではなく、明瞭に鳴らしながら、それでいて応答速度が速いため、軽快さを損なっていません。重厚感と軽快さを表現するこの絶妙なチューニングは、64 AUDIO の技術力の高さが感じられます。
64 AUDIO Nio のように低域をしっかりと感じさせるタイプではありますが、Nio は機械的に低域を強化させて表現しているように感じましたが、Volur は機械的ではなく、より自然でクリアに表現しているため聴きやすく、ベースラインも追いやすいです。
メロディラインは、解像度・分離感も良く、ボーカルは耳元で歌っているような鳴らし方をするので、ベースだけでなく、楽曲全体を通して音楽を聴く楽しさがあります。
BAドライバーを8基搭載しているので、しっかりとした音の繊細さとインパクト・解像度の高さがありますが、BAドライバー特有のザラっとした荒っぽさはなく、ツルっとした質感で耳当たりは優しくて心地よいです。
ドライバー | ハイブリッド型(Low ×2(ダイナミック)、Mid ×6、High/Mid ×1、tia High ×1) | 周波数特性 | 5Hz – 22kHz |
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インピーダンス | 6.3Ω@1kHz | 入力感度 | 103 dB/mW @1kHz@1mW(94mV) |
【商品情報】64 AUDIO Volur
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