フジヤエービック

 

分類

分類

  •   
2026.07.30
NEW
専門店・プロレビュー,

Oriolus Traillii Ultra IEM System レビュー | 音質・特徴・Brise Audio FUGAKUとの違いを解説

Oriolus Traillii Ultra IEM System レビュー | 音質・特徴・Brise Audio FUGAKUとの違いを解説

ブログ担当スタッフ根本イメージ
▶記事担当「フジヤエービック スタッフ 根本」

イヤホン:FitEar/TG334、qdc/Anole V14-C
ヘッドホン:TAGO STUDIO/T3-01
DAP:Astell&Kern/A&ultima SP3000
などを愛用中。

商品レビューやインタビューなどを担当しています。製品そのものの情報だけでなく、メーカーや開発者の"想い"もお伝えしたいと思っています。


Oriolus Trailliiとは

Oriolus(オリオラス)は2015年に設立された、日本と中国の共同オーディオブランドです。

設立当初からポータブルオーディオを中心としたラインナップを展開してきたブランドですが、その代表格は多くの種類を誇るとともに、代々”鳥の名前”がつけられることでも知られるイヤホンではないでしょうか。
中でも2020年7月に登場した「Traillii JP」(ヒゴロモという鳥の学名から命名)は70万円オーバー(発売当初)という価格にもかかわらず、片側につきEST(静電型)4基+BA型8基という贅沢なドライバー構成から生まれる圧倒的な情報量が話題となりました。度重なる価格改定で100万円を超える価格となった今でも、ハイエンドイヤホンを代表する人気モデルのひとつに挙げられています。

【商品情報】Oriolus Traillii JP

» 詳細を見る

Oriolus Traillii JP商品イメージ


そのTrailliiをベースに、専用アンプとの組み合わせを前提としたIEMシステムとして誕生したのが「Traillii Ultra IEM System」です。

Oriolus Traillii Ultra IEM Systemの本体画像
Traillii Ultra IEM System

今回はこのTraillii Ultra IEM System(以下「Traillii Ultra」)について、レビューをお送りします。

【商品情報】Oriolus Traillii Ultra IEM System

» 詳細を見る

Oriolus Traillii Ultra IEM System商品イメージ

Traillii Ultra IEM Systemの音質レビュー

システムの音がわかりやすくなるようにと、組み合わせるプレーヤーはあまり音の味付けがない「Astell&Kern PD20 Silver」を選んでみました。接続にはTraillii Ultra付属の4.4mm接続ケーブルを使用しています。

【商品情報】Astell&Kern PD20 Silver

» 詳細を見る

Astell&Kern PD20 Silver商品イメージ

4.4mm入力で試聴

ややウォーム寄りながら、すべての音域の解像感の高さと押し出し感の強さとが組み合わさることで、音量にかかわらず音楽の「圧」を感じさせる音作りになっています。
「自分たちが考える理想の音をぜひ聴いてほしい!」というメーカーの思いが、圧倒的な情報量に形を変えてリスナーの耳に流れ込んでくるかのようです。それでいて音が暑苦しいわけではなく、迫力があるのにナチュラルさのある絶妙なサウンドバランスを保っています。

Traillii Ultra IEM SystemとPD20の画像
Traillii Ultra IEM SystemとPD20

この絶妙さは低域/中域/高域それぞれを3段階で調整できる”ゲイン調整トグルスイッチ”を操作した場合でもまったく変わりません。調整した音域はしっかりと強調されるのにもかかわらず、その他の帯域をマスクしてバランスを崩すこともありません。安心して好みの音を探ることができるので、積極的に活用したい機能です。

RCA入力で試聴

Traillii UltraにはRCA入力端子もあるので、そちらも試してみましょう。

Traillii Ultra IEM SystemとPD20のRCA端子で試聴する画像
RCA端子から入力

ケーブル線材自体の違いもあるかと思いますが、RCA入力は4.4mm入力時に比べ音の勢いが若干落ち着き、より柔らかさを感じさせる印象です。音場もリスナーの中心にぎゅっと寄ったように変化しました。
もうひとつの3.5mm入力もあわせて、入力端子の違いで音質をコントロールすることができるのもTraillii Ultraの特徴のひとつではないでしょうか。

一方で、高い解像感と圧倒的な情報量が生み出すこの音傾向は、Traillii Ultraのキャラクターが前面に出たものとなっているため、上流のプレーヤーとの組み合わせが重要だと感じました。比較的プレーンな音のPD20ではちょうどよいバランスでしたが、音の個性が強く出るプレーヤーと組み合わせるとちょっと味付けが濃くなりすぎる印象がありました。
接続ケーブルの選定も含め、こういったセッティングを詰めていくのも面白そうですね。

イヤホン部の特徴

Traillii Ultraはイヤホンと専用アンプのセットによるIEMシステムとなっていますが、まずはイヤホン部から見ていきましょう。

Traillii Ultra IEM Systemのイヤホン部の画像
Traillii Ultra IEM Systemのイヤホン部

ドライバー

イヤホン部はTraillii JPをベースとしながらも片側につき高域用にEST4基+BA型2基、中域用にBA型4基、低域用にBA型4基を搭載しています。各帯域ごとに求められる役割に合わせてドライバー構成を最適化。JPよりもBA型ドライバーが多く搭載されています。

ケーブル

単結晶銅のカスタムケーブルは編み込みのため若干太いですが、比較的柔らかく取り回しは悪くありません。

接続端子

アンプ側への接続端子は一般的な3.5mmや4.4mmではなく、左右に独立したヒロセコネクタが使用されているため専用アンプ以外への接続はできません。

イヤホン本体のデザイン

カーボンブラックにゴールドがちりばめられたフェイスプレートにワインレッドのシェルという色の組み合わせも、ベースモデルとは大きく異なっています。

Traillii Ultra IEM Systemのフェイスプレート画像
イヤホン本体

コネクタ

イヤホン側コネクタは独自の6ピン仕様です。ケーブルの着脱は可能とのことですが、記事執筆時点では交換用ケーブルなどは用意されていません。

ステム

軸(ステム)はやや太めで、音導口(ボア)は4つ開けられています。別売イヤーピースをつける場合は、ある程度軸の太いものがよさそうです。

Traillii Ultra IEM Systemのステム画像
イヤホンの軸(ステム)はやや太め

専用アンプの特徴

つづいて、専用アンプ「DPA10」を見ていきたいと思います。

Traillii Ultra IEM Systemの専用アンプ画像
専用アンプ・DPA10

サイズ

Traillii Ultra IEM Systemのサイズ画像
サイズはやや大きめ

サイズは160×90×22mm。重さは約443gと、大型スマートフォンを2つ重ねたようなサイズ感です。

ボリュームノブ

Traillii Ultra IEM Systemのボリュームノブ画像
ボリュームノブ

金色の大きなボリュームノブが目を引きます。

フロントパネル

Traillii Ultra IEM Systemのフロントパネル画像
フロントパネル

フロントパネルには、左から電源スイッチ、3つのゲイン調整トグルスイッチ、専用のイヤホン用コネクタが並びます。

ゲイン調整トグルスイッチ

Traillii Ultra IEM Systemのスイッチ画像
電源スイッチ(一番左)と3つのゲイン調整トグルスイッチ

ゲイン調整トグルスイッチは、低域/中域/高域それぞれの出力に対応しています。
実はこれこそがTraillii Ultraの特徴のひとつ、”32bitオーディオ専用DSPによるデジタル3ウェイクロスオーバー”による各帯域ごとの調整機能です。

Traillii Ultra IEM SystemのDSPイメージ画像
DSPにより入力信号を各帯域に分割

DPA10に入力されたアナログ信号は32Bit DSP(デジタル信号処理プロセッサ)により低域/中域/高域へと分割されます。そして各帯域専用のアナログ増幅回路とバッファ回路を通過し、イヤホン部の各帯域ごとのドライバー群をまったく別のパワーアンプで駆動するという、マルチアンプ構成になっています。イヤホンのプラグやコネクタが一般的なものではなく、6ピン仕様になっているのもそのためです。
これによりそれぞれの帯域をお互いに影響せずに、トグルスイッチで3段階に調節することが可能なのです。

背面パネル

Traillii Ultra IEM Systemの背面パネル画像
背面パネル

左から順にRCA入力(右・左)、3.5mmライン入力、4.4mmライン入力、充電用USB-Cコネクタとなっています。入力はアナログ信号のみで、デジタル入力には対応していません。
RCA入力があるのも最近では珍しい仕様です。

付属品

専用レザーケース

Traillii Ultra IEM Systemの付属品画像
付属品

充電用USB-Cケーブル、ケーブルクリップ、イヤーピース(シングルフランジとダブルフランジが各3サイズ、フォームタイプが1サイズ)、クリーニングツール、L字型4.4mm接続ケーブル、シリコンバンドなどが付属します。

Traillii Ultra IEM Systemの専用レザーケース画像
ケースを装着した様子

そのほか、ネイビーカラーの専用レザーケースが付属しています。

Brise Audio FUGAKUとの比較

さて、「専用アンプとハイクラスイヤホンによるIEMシステム」といえば、もうひとつ忘れてはならないBrise Audioのアルティメットポータブルオーディオシステム「FUGAKU」が存在します。

【商品情報】Brise Audio FUGAKU

» 詳細を見る

Brise Audio FUGAKU商品イメージ

ここからは、”理想のIEMシステム”Traillii Ultraと、”究極のIEMシステム”FUGAKUを聴き比べたらいったいどんな違いがあるのか?!についてもチェックしてみましょう。
こちらも組み合わせるプレーヤーとして「Astell&Kern PD20 Silver」を、接続用のケーブルにはTraillii Ultra付属の4.4mm接続ケーブルをそれぞれ使用しました。

FUGAKUとPD20の画像
FUGAKUとPD20

こちらはやや硬質で高域の存在感を強く感じさせるクール調のサウンドで、プレーヤー自体のもつ音の傾向を変えることなく質感にリアリティを追加してくれるイメージです。音場は頭の周辺にぐるっと広がるように展開され、若干の残響感も感じさせます。

Traillii Ultra IEM SystemとFUGAKUの画像
左:FUGAKU、右:Traillii Ultra IEM System

専用アンプとの組み合わせ、アナログ入力のみ、さらに各帯域のドライバーを独立したアンプが駆動するマルチアンプ構成という点は共通する両モデル。Traillii Ultraが強い個性を前面に押し出して「Oriolusが考える理想のサウンド」を聴かせようとするのに対し、FUGAKUはあくまで上流のプレーヤーなどのキャラクターを引き立てることで「Brise Audioが考える究極のサウンド」を再現しようとしている、というようにまったく異なるアプローチで音楽に向き合っているように思いました。

まとめ

ハイクラスイヤホンブランドの先駆け的存在であるOriolusから発売された、IEMシステム「Traillii Ultra IEM System」をご紹介しました。

Oriolus Traillii Ultra IEM Systemの本体画像
Traillii Ultra IEM System

・ブランドのフラッグシップモデル「Traillii JP」にドライバーを追加した専用イヤホン
・高/中/低の各帯域を32Bit DSPで分割、別々に駆動する専用アンプ「DPA10」
・高い解像度と圧倒的な情報量ながら、ナチュラルさを感じさせるサウンドバランス

Traillii Ultra IEM Systemは、ただいま好評発売中です。
残念ながら店頭デモ機の常設は難しいのですが、ヘッドフォン祭などオリオラスジャパンさんが出展しているイベントの際には試聴できると思います。ぜひ一度”Oriolusが考える理想のサウンド”を体験してみてください!

【商品情報】Oriolus Traillii Ultra IEM System

» 詳細を見る

Oriolus Traillii Ultra IEM System商品イメージ

フジヤエービック店舗画像
▶SHOP INFORMATION

フジヤエービックは、新品/中古のヘッドホン・イヤホンなどを中心としたオーディオ機材販売店です。下取・買取のご依頼もお待ちしております。お気軽にご相談ください。

店舗(東京・中野ブロードウェイ3F)案内はこちら
オンラインストアはこちら
Page Top