いよいよ明日11月12日に同時発売となるAstell&Kernの新製品はDACモジュール「SEM3」、イヤホン「AK ZERO1」、ケーブル「AK PEP11」の3モデル。各モデルの音質レビューをお届けします。
Astell&kernの最新3モデルとは
SE180専用DACモジュール「SEM3」をレビュー
Astell&Kern初のオリジナルイヤホン「AK ZERO1」をレビュー
イヤホン用交換ケーブル「AK PEP11」をレビュー
まとめ
韓国を代表するオーディオブランド「Astell&Kern(アステルアンドケルン)」から、明日11月12日に複数の新製品が一斉発売!そのうち、スタンダードラインのポータブルプレイヤー「AK25 MKII」についてはすでにレビューをお届けしました。
【試聴レビュー】Astell&Kern A&norma「SR25 MKII」は待望の4.4mmバランス端子追加!
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今回はそれ以外の明日発売となる3モデル「SEM3」「AK ZERO1」「AK PEP11」について、レビューとともに改めてご紹介したいと思います。
SEM3は今年5月に発売されたDAP「SE180」専用のDACモジュールです。DACチップはESS社製「ES9038Q2M」を採用しており、同じESS社製チップを採用しているDACモジュール「SEM1」(SE180同梱のもの)と比較すると、
SEM3・・・ES9038Q2Mを4基搭載
SEM1・・・ES9038PROを1基搭載
という違いがあります。
外観上は既存のSEM1、SEM2とほとんど同じで、2.5mmバランス端子・3.5mmアンバランス端子・4.4mmバランス端子を装備。モジュール内側のコネクタ部分に非常に小さな文字でモデル名が刻まれていますが、見分けることはほぼ不可能?!
でもご安心下さい、SE180に装着してしまえば、画面上部を下にスワイプすることでDACモジュールのモデル名が表示されます。
さてそれではSEM3の音質チェックです。同じESSチップ搭載のSEM1と比べてみると、やや硬質の音質傾向は似ているものの、DACチップ自体が4基のクアッド構成になった影響か音のセパレーションがぐっと向上しているのを感じます。
特にボーカルが浮き出してくるような印象で、フレーズのひとつひとつがより鮮明に聴こえてきます。バランス出力で聴くと分離感がさらにアップ。
D/A コンバーター |
ESS ES9038Q2M (Quad DAC) |
---|---|
サンプリングレート |
PCM:8kHz ~ 768kHz(*ネイティブ) |
量子化ビット数 |
8bit ~ 32bit ※ネイティブ |
ビットレート |
FLAC:0~8、 APE:Fast~High、MP3/WMA:最大 320Kbps、 OGG:Up to Q10、 AAC:最大 320Kbps |
出力端子 |
3.5mm ヘッドホン出力端子、2.5mm バランス出力端子(4 極)、4.4mm バランス出力端子 (5 極) |
アウトプットレベル |
アンバランス 2.0Vrms 、 バランス 4.0Vrms (Gain:Nomal / 負荷無し) |
出力インピーダンス |
アンバランス: 3.5mm:1Ω / バランス 2.5mm:1.5Ω・4.4mm : 1.5Ω |
【商品情報】Astell & Kern A&futura SE180 SEM3
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続いてはAstell&Kern初のオリジナルイヤホン「AK ZERO1」をご紹介!こちらは「平面駆動型ドライバー×1」「BA ドライバー×2(デュアルタイプ)」「5.6mm ダイナミックドライバー×1」のトリプルハイブリッドドライバー構成となっています。
ケーブル端子はMMCXを採用しています。AK ZERO1の本体側端子はフラットなので、一般的なMMCXケーブルであれば問題なく使用できそうです。
※MMCX端子はまれに相性が合わない場合がありますのでご注意下さい
フェイスプレート側はスクエアなデザインですが、耳に収まる側はなだらかな曲線で構成されているので装着感は良好です。
ステムはハウジングと一体になった形ですが、そこそこ長さがあるタイプ。返しもあるので他社製イヤーピースの取り付けもしやすいかと思います。
シリコン製のものが5ペア(XS/S/M/L/XL)とウレタンフォーム製のものが1ペア(フリーサイズ)、それぞれ付属します。
第一印象はスッキリ・明瞭なわかりやすさのあるサウンド。明るい高域にハッキリした中域、少し落ち着いた雰囲気のある低域という感じですが、あまり派手な感じもなくじっくり聴き込める音作りになっています。
低域の量感としてはやや少なめで、平面駆動型ドライバーを採用していることもあってか音量はちょっと取りづらいようです。ここはなるべく出力の高いプレイヤーを組み合わせることをお勧めします。なんとなく、AKシリーズ初期のDAP「AK100」や「AK120」あたりのサウンドバランスを思い起させるイヤホンです。
ドライバー |
ハイブリッド型 |
---|---|
ドライバー数 |
1PD+2BA+1DD / 4ドライバー |
ドライバー構成 |
Special Micro Rectangular Planar Dynamic Driver ×1 |
形式 |
密閉型 |
周波数特性 |
25 - 30000Hz |
感度 |
96dB @ 1KHz (1mW) |
インピーダンス |
16Ω @ 1KHz |
THD |
0.7% @ 1KHz |
ケーブル |
4芯純銀コートOFCケーブル(約120cm)(プラグ:3.5mm3極アンバランスL字プラグ、コネクター:MMCX) |
【商品情報】Astell & Kern AK ZERO1
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最後はイヤホン用交換ケーブル「AK PEP11」のご紹介です。Hi-Fiグレードの4芯純銀コートOFCケーブルを採用した、MMCX端子の4.4mmバランスケーブルとなります。ざっくり言ってしまうと、AK ZERO1付属ケーブルのバランス版ですね。
ポータブルオーディオ好きにはおなじみ、徳島のカバンメーカー「バンナイズ」製ケーブルポーチが付属するのも嬉しいポイントです。
こちらはAK ZERO1に装着しての音質チェックです。もともとの付属ケーブルと同じ線材ということもあって音の傾向はやはりやや高域寄りではありますが、全体的な解像感と低域の質感で沈み込みの向上などバランス化したことによるメリットがわかりやすいケーブルです。
取り回しなど、使い勝手に関しても非常に良好で、スッキリした音のバランスケーブルをお探しの方には最適な選択肢と言えるのではないでしょうか。
ケーブル |
4芯純銀コートOFCケーブル(約120cm) |
---|---|
プラグ |
4.4mm5極バランスL字プラグ |
コネクター |
MMCX |
【商品情報】Astell & Kern AK PEP11
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今回ご紹介した「SEM3」「AK ZERO1」「AK PEP11」はいずれも明日11月12日発売、ご予約も受付中です!
試聴機も店頭にご用意してありますので、気になった製品だけでもOKですし、3モデルそろってのご試聴も可能です。ぜひフジヤエービック店頭へご来店下さい。