フランスが誇るハイエンドブランド・Focalから2機種のヘッドホンが新登場!今回はその特徴と、国内に到着したばかりの試聴機を使用したフジヤエービックスタッフの試聴レビューをお届けします。
Focalとは
新機種?しかも2モデル?!
CELESTEEの特徴
CELESTEE試聴レビュー
CLEAR Mgの特徴
CLEAR Mg試聴レビュー
まとめ
Focalは1979年にフランスで設立されたハイエンドオーディオブランドです。たとえば現行ラインナップのトップモデルスピーカー・Grande Utopia EM Evoはお値段なんと約3,000万円!
そんなFocalがヘッドホン市場に参入したのが2012年、当初はポータブル向けのSpirit Oneなどカジュアル路線の製品を出していましたが、ついに2016年、自社スピーカーのトップモデルと同じ名前を冠するヘッドホン・UTOPIAを発売(現在はXLR4pinケーブル同梱モデルの「UTOPIA NP」となっています)。その完成度の高さからヘッドホン界でもハイエンドブランドとしての地位を確立しました。
以降、ELEAR,CLEAR,ELEGIA,STELLIA…と数多くのハイクラスヘッドホンを生み出し、いずれも人気機種となっているFocalから新機種が登場?!と聞いて代理店のLUXMANさんにお願いしてみたところ、「短時間であれば試聴できますよ」とのこと。そこで無理を言ってちょっとだけ聴かせていただくことになりました!それがこの2機種!
まずはELEGIAの後継機、密閉型モデルのCELESTEEから。Focalのヘッドホンといえばブラックを基調としたUTOPIA、ヘッドホンには珍しいブラウンで統一されたSTELLIAなどフランスメーカーらしさを感じる配色センスが特徴のひとつですが、このCELESTEEはヘッドバンドからイヤーパッド、ケーブルに至るまで成層圏の色を思わせるネイビー一色。
おそらくモデル名も、フランス語で「天空」を意味する"celeste"から名づけられたのではないでしょうか。
密閉型モデルということで音漏れを抑えるためもあるのでしょう、イヤーパッドはELEGIAと異なりレザー調のものに変更。一方でドライバにはELEGIAと同じ40mm'M'字型アルミニウム-マグネシウム・ドーム振動板採用と変更なし。
ハウジングにはブロンズのメーカーロゴが光ります。付属のキャリングケースもブラウンにネイビーのヘアラインが混ざった、CELESTEEのためのカラーリングという抜かりのなさ。
付属するケーブルは1.2m(3.5mmアンバランス端子・6.3mm変換アダプタつき)のみ。ヘッドホン側のコネクタはELEGIAと同じ、モノラル3.5mmです。ケーブルのカラーリングもネイビーがベースで、プラグ部や分岐部にブロンズのアクセントが入ります。
それでは外観のお話はこのくらいにして、試聴してみます。組み合わせるアンプにはLUXMAN P-750u LIMITEDを選んでみました。
※CELESTEE、CLEAR Mgとも未エージング状態での試聴となります
まず印象に残るのが華やかでエッジの効いた高域のキレ。音場はあまり広さを感じませんが、締まった低域で1音1音をよりしっかり、ガツンと聴かせるタイプのヘッドホンかと思います。反面、低域の量感としては少なめでスッキリ系。リラックスして聴く、というよりもちょっと攻めた感じのサウンドを味わいたいという時に向いているのではないでしょうか。
せっかくなので前身モデルのELEGIAと聴き比べてみましょう。イヤーパッドの違いが表れているのか、CELESTEEの方がより低域の締まりがあるように感じます。高域についてはほんの少しELEGIAの方がおとなしめのようですが、これはもしかするとCELESTEEのエージングが足りていないことによる違いかも知れません。
【商品情報】Focal CELESTEE
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続いてCLEARの後継となるCLEAR Mgのご紹介です。ネーミングの"Mg"はもちろんマグネシウムを示しており、40mm"M"字型マグネシウム・ドーム振動版を搭載しています(CLEARはアルミニウム‐マグネシウム・ドーム振動版)。この振動版変更が一番大きなポイントですね。
カラーリングもグレーのCLEARに対してCLEAR Mgはベージュ、ハウジングにハニカムデザインのシルバープレートというツートンカラーになっています。イヤーパッドはマイクロファイバー製で、開放型であるCLEAR Mgに合わせた通気性の良いものです。
キャリングケースもベージュのヘアラインストライプ。ケーブルは若干ブラウン寄りのカラーリングで、1.2mの3.5mmアンバランスと3mのXLR4pinバランスの2種類が付属しています。ヘッドホン側のコネクタはCELESTEEと同じ3.5mmモノラル。
CLEAR Mgは開放型ということもあってか、広い音場と伸びやかな高域が特徴的。低域はやや柔らかめで自然な感じでしょうか。押し出しの強さこそありませんが、量感としては充分。ゆったりした気分で音楽を楽しみたい、という時に最適なサウンドという印象です。
こちらもせっかくなので前身モデルのCLEARと聴き比べ。非常に似通った音ではありますが、CLEARが音場の広さ、低域の柔らかさにまぎれて若干定位の甘いところがあるのに比べ、CLEAR Mgではより音像がハッキリと、定位がピシッと整っているような感じがあります。このあたりには、CLEAR Mgで比重の軽いマグネシウムのみとなった振動版の素材変更が影響しているのかも知れません。
【商品情報】Focal CLEAR Mg
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華やかでエッジの効いた高域のキレを聴かせてくれる密閉型CELESTEEと広い音場と伸びやかな高域が特徴の開放型CLEAR Mg、発売以降高い人気を誇るFocalの2機種は店頭にてご試聴も可能です。お近くにお寄りの際はぜひお立ち寄りください。