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2021.12.21
専門店・プロレビュー,

【試聴レビュー】FitEar 新型カスタムIEM「DC Ti」をスタッフがオーダー!チタンシェルイヤホンの音質とは?

【試聴レビュー】FitEar 新型カスタムIEM「DC Ti」をスタッフがオーダー!チタンシェルイヤホンの音質とは?

9月より受注受付を開始したFitEarの新型チタンシェルカスタムIEM『DC Ti』、そろそろお手元に届いたという方もいらっしゃるのでは?今回は同じくDC Tiをオーダーした当店スタッフによる”リアルユーザーレビュー”をお届けいたします。

▶この記事の監修
フジヤエービック(FUJIYA AVIC)
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FitEarのカスタムIEMとは

FItEar(フィットイヤー)は歯科技工物、いわゆる入れ歯などの加工を行う「須山歯研」のオーディオブランドです。

2010年の本格設立以来、カスタムあるいはユニバーサルイヤホンのメーカーとして人気を集める一方、イヤホンやヘッドホン、またはライブやコンサート、フェス等のイベントで「音楽を安全に楽しむ」ために耳や聴覚の仕組みや役割を知り、また多くの方に関心を持ってもらうためのプロジェクト『SAFE LISTENING』『SAFE LISTENING Live!』の活動でも知られています。

『SAFE LISTENING』プロジェクト
『SAFE LISTENING』プロジェクト

特にアーティストがステージ上で音を確認するために使うイン・イヤー・モニター、通称「イヤモニ」については、FitEarはその品質・信頼性の高さから国内で圧倒的な使用率を誇ります。配信ライブなどでアーティストの耳元が映った時、この特徴的なフェイスプレートを見つけたという方も多いのではないでしょうか。

特徴的なFitEarのフェイスプレート
特徴的なFitEarのフェイスプレート

そんなFitEarから9月に発表された新型カスタムイヤホンが『DC Ti』!

これは静電型とダイナミック型、2種類のドライバーで構成されるハイブリッドタイプのカスタムイヤホン「FitEar DC」のチタンシェル版となります。

FitEar・須山社長所有のDC Ti
FitEar・須山社長所有のDC Ti

【商品情報】FitEar DC Ti

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なーんだ、ただシェルをチタンにしただけなのか…とお思いの方、それはとんでもない誤解です!チタンシェルのなにがすごいのか、またチタンシェルにすることで通常の樹脂製シェルとなにが変わるのか、今回はその点を中心にお届けしたいと思います。

チタンとは

チタンは原子番号22「元素記号Ti」で知られる金属です。その名はギリシャ神話の巨神「タイタン(ティターン)」にちなんでつけられました。

他の金属に比べて軽量・高強度・耐食性に優れるほか、金属アレルギーを引き起こしにくいという特徴も持つことからアクセサリーや医療用品にも広く使用されていますが、その反面強度が高いため加工が難しく、高価であるといった側面も持っています。

チタン製の奥歯の被せ物(須山歯研ホームページより)
チタン製の奥歯の被せ物(須山歯研ホームページより)

そこで欠かせないのがFitEar=須山歯研の”歯科技工”の技術です。先ほど触れた通りチタンは医療器具にも使われていますが、身近なところでは義歯の素材としても活躍しています。つまりチタンの加工技術に関して、FitEarはプロ中のプロ!

ユニバーサルモデルよりも複雑な形状となるカスタムイヤホンでもチタンシェルを採用できるのには、こうした理由があったのです。

レビューは試聴機ではなく…?

さて、それでは店頭試聴機を使ってのDC Tiレビューを…と思っていたのですが、なんとフジヤエービックスタッフK君(新人・大のカスタムイヤホン好き)が「実はオーダーしちゃいました」と言うではありませんか!

それなら試聴機よりも”実際に耳型に合わせて作ったもの”でレビューした方が参考になるのでは、と完成を今か今かと待っていたところ、つい先日「やっと到着しました!」と報告が!

K君オーダーのDC Ti
K君オーダーのDC Ti

今回はこのFitEar DC Tiについて、K君自身にレビューしてもらいましたのでぜひご覧下さい。

FitEar DC Ti(カスタムオーダー版)レビュー

外観チェック

ここからは店頭スタッフ「K」がFitEar DC Tiのレビューをお送りします!

DC Tiの外観上の特徴は、なんといってもこのチタン製のシェル!

美しく磨き上げられたチタンシェル
美しく磨き上げられたチタンシェル

フェイスプレートは黒のみ

フェイスプレート部だけは他のモデル同様、樹脂製の”砲塔型”プレートを採用しています。なお、DC Tiにつきましてはカラー指定はできないモデルとなっているため、フェイスプレートは「黒のみ」となります。

フェイスプレート部
フェイスプレート部

装着感

DC Tiのステム(耳に入る部分)はFitEarでいう「ショートレッグシェル」となっており、非常に短いものです。

ステムが非常に短い「ショートレッグシェル」
ステムが非常に短い「ショートレッグシェル」

「こんなに短いと耳にしっかり固定できないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これが実際に装着してみるとまったく問題ありません。

むしろ耳穴に対する圧迫感などがなく、カスタムイヤホン特有の閉塞感もないので快適です。このあたりはFitEarのフィッティング技術の高さも大きく影響しているのではないかと思います。

装着感は意外と?快適です
装着感は意外と?快適です

チタンは金属の中では比較的軽量なのですが、それでも通常のカスタムイヤホンに使用される樹脂に比べるとかなり重くなっています。とはいえ装着時にちょっとした重みを感じるくらいで、しばらくすれば気にならなくなるレベルです。

数量限定オプションケーブル『009 Aqua』について

DC Tiはケーブル選択部分も含めてお楽しみいただけるようにとのメーカーの意図から、”ケーブルなし”での販売となっています。

すでに他のFitEar製品をお持ちの場合はケーブルを流用いただくことになりますが(FitEarは全製品同じ端子を採用)、実はこのDC Tiには開発時のリファレンスケーブルが存在しており、オーダー時の追加オプションケーブル『009 Aqua』としてのみ購入可能です。

009 Aquaケーブル
009 Aquaケーブル

009 Aquaケーブルは3.5mm、2.5mm、4.4mmの3種類のプラグに対応したOptimization Elements製の交換式マルチプラグを採用しています。

3種類対応の交換式マルチプラグ
3種類対応の交換式マルチプラグ

交換方法はプラグカバーをくるくると回して、独自4pinコネクタのパーツを差し替えるだけでOKです。自分は普段2.5mmバランス端子つきのDAPを使用しているのですが、仕事でさまざまな端子を搭載したDAPを聴き比べることもあるため、せっかくなので今回のオーダーはこの009 Aquaセットでお願いしました。

マルチプラグの交換
マルチプラグの交換

FitEar DC Ti 音質レビュー

どこかの帯域に特化して鳴らすというようなタイプのイヤモニではなく、満遍なく細部までしっかりと鳴らしてくれる印象です。

同じFitEarの「DC Custom」(こちらも以前オーダーして愛用中)と比較すると、低域に重みが生まれ、中高域の伸びはさらに良くなり音の限界を感じさせません。特に、シンバルやハイハットなどの金属系の楽器の響きはさらに生々しくなり、格段に良くなりました。

アッサリめの傾向ですが楽器の表現に妥協はなく、音の輪郭がはっきりとしつつも硬くなり過ぎず、柔らかくなり過ぎずという絶妙な鳴らし方で、軽快さと重さのバランスがしっかりと取れておりチタン筐体ならではの心地よい響きが感じられます。

また装着時のフィット感は、ショートレッグシェルなのでカスタムIEMによくある閉塞感はなく快適です。シェルそのものは一定の強度を持たせるためにチタンにある程度の厚みが必要なこと、またダイナミックドライバに充分な容積を確保する必要があることなどから若干大きめになっています。

実際に装着すると少し耳から飛び出す形ですが、装着中はフィット感・ホールド感の良さでまったく気になりません。

DC Tiを装着した様子
DC Tiを装着した様子

009 Aquaケーブルはオススメ!

オプションの009 Aquaケーブルは太めで硬く、取り扱いはイヤホン上級者向けではありますが、DC Tiを聴くならこのケーブルが製品の良さを最大限に発揮してくれるように感じました。

FitEar製カスタムイヤホンは他にもいくつか持っているので、比較的取り回ししやすい「Cable 013」なども試しましたが、全体的な音の厚みと表現力は明らかに009 Aquaケーブルの方が上です。縦と横の音の広がりがしっかりと感じられ、まるでライブハウスの最前列で聴いているかのような臨場感と迫力を味わわせてくれます。

これからDC Tiをオーダーされる方には、ぜひ009 Aquaケーブルとセットでのオーダーをおすすめしたいと思います。

キズが気になる場合は「ふわふわツインチューブケース」

DC Tiはシェルがチタン製ということで、キズがつきやすいのではないか?と気にされる方もいらっしゃるかも知れません。カスタムイヤホンとしての装着感を高めるために非常に綺麗に研磨されていることもあり、ちょっとしたキズでも目立ちやすいのは確かです。自分もかなり気をつけてはいたのですが、ケースにしまう時などに左右のシェル同士がぶつかってしまうことも何度か…。ケーブルを外して保管、ということも考えたのですがちょっと不便です。

ということで、なるべくキズがつかないように持ち歩きたい方にはバンナイズの「差し込むだけのハウジング保護用ふわふわツインチューブケース(イヤフォンが絡まないケーブル固定用ストッパー付き)」がおすすめです。

このチューブケースにDC Tiを入れてから、少し大きめのペリカンケースなどに収納すれば持ち運びも安心ですよ。

「ふわふわツインチューブケース」でDC Tiをしっかり保護
「ふわふわツインチューブケース」でDC Tiをしっかり保護

【商品情報】VanNuys 差し込むだけのハウジング保護用ふわふわツインチューブケース(イヤフォンが絡まないケーブル固定用ストッパー付き)ブラック

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【商品情報】VanNuys 差し込むだけのハウジング保護用ふわふわツインチューブケース(イヤフォンが絡まないケーブル固定用ストッパー付き)レッド

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製品仕様

DC Ti

DC Ti
ドライバ構成

静電型とダイナミック型のハイブリッド構成

シェル

チタン

フェイスプレートカラー

黒のみ

まとめ

店頭スタッフK君による、実際にオーダーしたからこそのレビューはいかがでしたか?

FitEar DC Tiのおすすめポイントとしては

・圧倒的な国内イヤモニシェアを誇るFitEarによる製品クオリティの高さ
・細部までしっかりと鳴らしてくれる表現力とチタン筐体ならではの心地よい響き
・DC Tiのポテンシャルを引き出す009 Aquaケーブル(オプション)


というところかと思います。特に009 Aquaケーブルは数量限定ですので、ご検討中の方にはお早目のオーダーをおすすめいたします。

加工の難しいチタンシェルということで納期も通常の倍くらいかかってはしまいますが、K君によれば「手元に届いた時の満足感は最高です!」とのことですので、オーダーされた際には完成を楽しみにお待ち下さい。

なお、FitEar DC Tiはシリコン製イヤーピースを用いた店頭試聴機(009 Aquaケーブルつき)もご用意しておりますので、ご来店の際はじっくりとご試聴下さい。

FitEarカスタムIEM(イヤモニ)商品をご紹介!初めての方にもわかりやすく解説します。

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