FAudioより国内100台限定販売のブランド7周年記念モデル「Mezzo」が本日発売を迎えました。今回はこのMezzoの個性的なカラーリングや特徴的なチューニング機構についての解説と実際の音質について詳しくレビューをお届けします。
FAudioとは
FAudio Mezzoの外観と特徴
Mezzo音質レビュー
製品仕様
まとめ
FAudio(エフオーディオ)は、数々の企業でエンジニアとして経験を積んだFung Wong氏により2014年に設立されたオーディオブランドです。日本には2018年に本格上陸を果たしましたが、特に人気を集めたモデルといえば、メディカルファイバー製振動板とチタニウム製振動板を張り合わせた「ダブルレイヤー構造」の振動板を搭載したユニバーサルイヤホン「Major」ではないでしょうか。
そのFAudioから、ブランド7周年を記念した限定モデルが本日発売!それがこちらの日本国内100台限定販売モデル「Mezzo」(メッゾ)です!
今回はこのMezzoについて、詳細と音質について詳しくお届けいたします。
Mezzoのパッケージ内容は本体、ケーブル(4.4mmバランスプラグ)、イヤーピース(FA Vocal+ (S/M/L)、FA Instrument+ (S/M/L)、FA Foam 1ペア)、円形のキャリングケース、ポーチ、マニュアル・メッセージカードなどとなっています。
Mezzoはダイナミック・BA・ピエゾの3種類のドライバーを搭載した、トリプルハイブリッド構成のイヤホンです。ダイナミックドライバーは前述のFAudioを代表するモデル「Major」に搭載されていた10mmダブルレイヤーダイヤフラムダイナミックドライバーを移植、BAは中高域用とフルレンジ用の2基をそれぞれ積んでいるほか、音の立ち上がりの速さ、音の響きを高めるためにダブルレイヤーピエゾドライバーを採用しました。
ここでピエゾドライバーについて少々ご説明したいと思います。
セラミックや水晶など一部の物質は、圧力を加えると電圧が発生する「圧電効果」と、逆に電圧をかけることで変形・振動する「逆圧電効果」というものを持っています。この性質を利用した部品が圧電素子(ピエゾ素子)で、板状の圧電素子に電圧をかけることで伸縮、振動させて音を発生させるのが圧電ドライバー(ピエゾドライバー)の仕組みです。
圧電効果そのものは1880年に発見されており、実は昔からライターの着火部(圧力を加えて火花を発生させる)などに使用されてきましたが、音響の面では単純な音(ブザーの「ビー」という音など)しか出すことができませんでした。しかし、ここ数年の技術的な進歩により音質面も急激にクオリティアップが図られ、ダイナミック型、BA型といったイヤホン用ドライバーのひとつとしてこの「圧電ドライバー」「ピエゾドライバー」が注目されるようになってきたというわけです。
Mezzoのシェルはインパクトの強いブラックとグリーンの縞模様となっています。これは世界中で大人気の某エナジードリンクからインスピレーションを得たもので、日夜努力する人々を応援したいという気持ちが込められているそうです。
ケーブルコネクタは2pinのフラットタイプとなっています。
Mezzoの大きな特徴のひとつが、左右に3つずつ配置されたスイッチ「Personal Tuning Control」です。いわゆる音質チューニング用のスイッチですが、FAudioでは長期間のテストと調整を行うことで音の位相や周波数特性に影響しないチューニング機構を実現したとのことです。
このスイッチはかなり小さいため、付属のツールで切り替えを行います。
強烈な印象を与えるシェル同様、ブラックとグリーンの2色で編み上げられた専用ケーブルは「Tone Master Shield」と名付けれらています。日本製UPOCCクリスタル銅導体に銀メッキを施した導体を撚り合わせたものを芯線に使用し、各芯線の外層には純銀性のシールドを施したMezzoのために作られたケーブルです。プラグは4.4mmバランスプラグとなっています。
それではMezzoの音質チェックです。今回はAstell&Kern KANN ALPHAと組み合わせ、「Personal Tuning Control」の設定も変えながら試聴してみます。
「Personal Tuning Control」のスイッチをすべてOFF(下)にした状態ではほぼフラット傾向の明るめな音質です。高域はピンとエッジの立った感じがあるものの刺さることもなく、ダイナミックドライバーが生み出す締まった低域と音場の広さ・定位の良さも手伝って、クリアなサウンドが楽しめるイヤホンになっています。
それでは「Personal Tuning Control」のスイッチを切り替えての試聴もしてみましょう。左右それぞれに3つずつ設けられたスイッチですが、どこをオンにすればどう音が変化するかについてはマニュアル等にも特に説明はないようですが、実際に切り替えてみた感覚では
1・・・高域
2・・・中域
3・・・低域
をそれぞれ強調するようなチューニングに変化するようです。とはいえその効き具合は極端ではなく、メーカーの意図したとおりオリジナルのクリアな音質を低下させずに、各音域へ絶妙な影響を与えるようなバランスに仕上がっています。
付属ツールなしではスイッチの切替はややしづらい面もありますが、逆にいえば使用中や持ち運び中に勝手にスイッチが動いてしまう心配はありません。ここは音源に合わせるかたちでいろいろと設定を確かめつつ、好みの音質を追求していくのが面白そうです。
ドライバー | ハイブリッド型 ( ダイナミック、 バランスド ・ アーマチュア、 ピエゾドライバー) | ドライバー構成 | 4 ドライバー / Low ×1(Dynamic)、 Mid/High × 1、 Full Range ×2(BA、 ピエゾ) |
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周波数特性 | 12Hz - 60kHz | 入力感度 | 108dB @1mW |
インピーダンス | 20Ω@1kHz | イヤホン端子 | Custom 2pin 端子 |
入力端子 | 4.4mm バランス端子 | ケーブル長 | 約 120cm |
【商品情報】FAudio Mezzo
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FAudioによるこだわりのドライバー群を搭載した最新ユニバーサルイヤホン「Mezzo」は
・ダイナミック、BA、ピエゾの3種類のドライバーを組み合わせたハイブリッドモデル
・ユーザーが好みの音を設定できるチューニング機構「Personal Tuning Control」搭載
・フラット傾向でクリアな音質をベースに、搭載する各ドライバーの個性が味わえる音作り
と、デザイン面やチューニング機構に遊び心を持たせながら、音質面でもしっかりとハイレベルなサウンドが楽しめるイヤホンとなっています。
Mezzoは本日から発売開始、試聴機もご用意しております。国内100台限定販売という希少なモデルですので、ご購入はお早めにどうぞ。