ワイヤレスヘッドホンとしては異例のロングセラーを誇ったゼンハイザーのMOMENTUMシリーズの最新作が登場しました。今回は3年振りのアップデートを果たした「MOMENTUM 4 Wireless」の特徴、そして音質や装着感をレビューします。
SENNHEISER MOMENTUMシリーズとは
SENNHEISER MOMENTUM 4 Wirelessの外観と特徴
SENNHEISER MOMENTUM 4 Wireless音質レビュー
製品仕様
まとめ
SENNHEISER(ゼンハイザー)は1945年、フリッツ・ゼンハイザー博士により設立されたドイツを代表するオーディオブランドです。
発売から18年を経過した今も愛される名機「HD 650」など、いわゆるホームユースのハイクラスヘッドホンを主力とするブランドですが、近年ではワイヤレスモデルのMOMENTUMシリーズも高い人気を集めており、特に2019年9月に発売されたワイヤレスヘッドホン「MOMENTUM Wireless」(以下「MOMENTUM 3」)はゼンハイザー・サウンドが手軽に味わえるということで、入れ替わりの激しいワイヤレスというジャンルには珍しいロングセラーモデルとなりました。
そのMOMENTUM 3の発売から3年、ついに大型モデルチェンジを果たすことになりました!それがこちら、「MOMENTUM 4 Wireless」(以下「MOMENTUM 4」)です!
今回はこのMOMENTUM 4について、詳細と音質について詳しくお届けいたします。
MOMENTUM 4のパッケージ内容は本体、専用キャリーケース、充電用USB Type-Cケーブル、有線接続用ステレオケーブル(1.2m)、航空機用アダプター、マニュアルとなっています。
なお、MOMENTUM 4はこのホワイトとブラックの2色展開となっていますが、ホワイトモデルが8月23日、ブラックモデルが9月下旬と発売日が異なりますのでご注意下さい。
※ブラックモデルの発売日が8月31日へと変更になりました
前作MOMENTUM 3と並べてみると、見るからに大きな変化が加わったことがわかります。前作はレトロテイストの入ったデザインにシープスキンレザーを基調としたマテリアルで統一されていましたが、今作MOMENTUM 4はシンプルなフラットデザインで仕上げられています。
本体の機構もかなり変わりました。旧MOMENTUM 3は内側に折りたたみ可能なモデルでしたが、MOMENTUM 4は折りたたみ不可となっています。その代わり、ハウジングが水平に開くスイーベル機構が採用されました。
スイーベルは内側・外側どちらにも展開可能です。
イヤーパッドの素材にも大きく変更が加わりました。シープスキンを使用していた前作と異なり、MOMENTUM 4ではヴィーガンレザ―(人工皮革)を採用しています。内側に「L」「R」表記があるのはこれまでどおりですね。
MOMENTUM 4のヘッドバンドの内側はシリコンカバーのクッションとなっており、こちらもレザー張りだった前作と大きく変わったポイントです。外側は完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wirelessシリーズ」の充電ケースを連想させるようなファブリック素材となっています。
MOMENTUM 4の機能面はすべて右ハウジングに集約されています。側面下部には電源兼ペアリングスイッチ、バッテリー残量を示すランプ、充電用USBコネクタ、有線接続用の3.5mmステレオジャックが並びます。
MOMENTUM 4のバッテリーはノイズキャンセリング機能オンでも約60時間とかなりロングライフです。さらに5分の充電で4時間再生可能になる急速充電も可能ですが、万一バッテリー切れを起こした際にはMOMENTUM 4本体の電源が入っていなくても使用できる有線接続モードが役立ちます。
前作MOMENTUM 3との操作面での最大の違いが「タッチコントロール」の採用です。前作はすべての操作をボタンで行っていましたが、MOMENTUM 4では右ハウジングの表面をタッチすることで再生・停止、曲戻し・曲送り、音量調整といった操作が可能となっています。
ちょっと面白いのが、ノイズキャンセリング機能と外音取込機能の切り替えです。MOMENTUM 4ではこの2つがシーソーの関係になっており、ノイキャンを弱くすると外音取込量が大きくなり、逆に外音取込量を少なくするとノイキャンが強化される…という変化の仕方をするのですが、なんとこれもタッチコントロールで操作可能です。スマートフォンの表示を縮小・拡大するような感覚で、ピンチインでノイズキャンセリングレベルのアップ、ピンチアウトで外音取込レベルのアップが行えます。また、ハウジングをダブルタップすることでノイキャン・外音取込を交互に切り替えることもできます。
専用アプリ「Sennheiser Smart Control」からもイコライザーやノイズキャンセリング、外音取込などの各種設定変更が可能となっています。特にノイズキャンセリング・外音取込機能のレベル調整はタッチコントロールでは5段階でしか調整できないので、細かい調整をしたい場合はこのアプリ上から行うことになります。
また、MOMENTUM 4から新たに「サウンドゾーン」機能が追加されました。これは特定の場所で任意のイコライザー設定を呼び出すように記憶させられる機能で、たとえば自宅ではフラット目なサウンドに、最寄り駅に着いたらちょっと低域強めなサウンドに、というように利用シーンごとにセットしたイコライザーが自動的に適用されるというわけです。さまざまな場所・シチュエーションで使うワイヤレスヘッドホンだからこそのユニークな機能ではないでしょうか。
それではMOMENTUM 4の音質チェックといきましょう。今回はスマートフォンとの組み合わせで、前作「MOMENTUM 3」との比較もしながらサブスク音源を再生してみました。試聴時はノイズキャンセリング機能をオンにしています。
前後左右に広がる音場と自然な立体感が味わえる、非常に聴きやすいヘッドホンという印象です。スッキリめながらしっかり芯を感じさせる低域はボーカル域を埋もれさせるようなこともなく、しっかりと声を浮き立たせてくれます。ゼンハイザーのワイヤレスジャンルではイヤホンのモデルチェンジが活発で、特にサウンド面では従来の「柔らかく落ち着いたゼンハイザーサウンド」から「明るくスッキリしたゼンハイザーサウンド」への移行が印象的でしたが、今回のMOMENTUM 3から4への進化についても同じ傾向であると感じました。
実際に前作MOMENTUM 3と比較してみると、前後感の表現力がアップしていること、低域の量感が抑えられていることがよくわかります。
ノイズキャンセリング機能は前作同様、ものすごく強力に効くタイプではありませんが暗騒音などのノイズをより自然に打ち消していることに気がつきます。また、どうやらノイズキャンセリング機能・外音取込機能の両方をオフにすることはできないようですが、バッテリーライフが格段に伸びているのでここはあまり気にならないかと思います。
装着感も良好ですが、イヤーパッドの感触は前作(シープスキン)のように肌にぴったり吸い付く感じではなく、サラッとした肌触りになりました。近年、環境問題やSDGsなどへの配慮から、リアルレザーからヴィーガンレザ―への移行が多くのメーカーで進められています。今回のMOMENTUM 4でもヴィーガンレザ―が採用されたのはそうした「社会の動きへの対応」という側面があるのかも知れません。
型式 | ダイナミック・密閉型 | 感度 | 106 dB SPL (1kHz / 0 dB FS) |
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インピーダンス | 470Ω(アクティブ)、60Ω(パッシブ) | 無線規格 | Bluetooth 5.2 + Class 1(最大10mW) |
コーデック | SBC、AAC、aptX、aptXT Adaptive | 動作時間 | 最大60時間 ( iPhoneボリュームmid、ANC on ) |
充電時間 | 2時間(フルチャージ)/ 5分(4時間動作) | 本体重量 | 約 293 g |
【商品情報】SENNHEISER MOMENTUM 4 Wireless
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ドイツを代表するブランド・ゼンハイザーによる待望のワイヤレスヘッドホン最新モデル「MOMENTUM 4」は
・フラットデザインを基調としたシンプルなスタイルと、ヴィーガンレザ―など環境に配慮した素材の採用
・タッチコントロールのスマート操作、ノイズキャンセリング機能オンで60時間のロングバッテリーライフ
・自然な広がりと立体感、明るくスッキリした現代のゼンハイザーサウンドを再生
と、3年ぶりのモデルチェンジにふさわしい大幅なアップデートがほどこされたワイヤレスヘッドホンとなっています。
MOMENTUM 4は本日からご予約受付開始、発売はホワイトモデルが8月23日、ブラックモデルが9月下旬予定となっております。※ブラックモデルの発売日が8月31日へと変更になりました
試聴機(ホワイトモデル)も本日より店頭展示を開始しましたので、ぜひ店頭で各種機能や音質をお確かめください。