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2024.05.30
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SENNHEISER HD 620S レビュー | HD 600シリーズの最新密閉型ヘッドホン

SENNHEISER HD 620S レビュー | HD 600シリーズの最新密閉型ヘッドホン

SENNHEISER HD 620S のオーディオ専門店スタッフレビューです。密閉型でありながら開放型モデルに近い周波数帯域を実現し、丸く優しい高域とタイトな低域と閉塞感のない広い音場を感じさせるのチューニングが特徴のヘッドホンを詳しく紹介します。

フジヤエービック店舗イメージ
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SENNHEISER HD 600シリーズとは

ドイツを代表するヘッドホンブランドとしてまず名前が挙がるのがSENNHEISER(ゼンハイザー)。1945年に設立、1968年に世界初の開放型ヘッドホン・HD 414を発売して以来世界中で人気を博してきました。

中でもよく知られるのが、1997年発売のHD 600から始まった「HD 600シリーズ」ではないでしょうか。その後も2004年発売のHD 650、2017年発売のHD 660S、そして直近では2023年発売のHD 660S2と着実にアップデートを重ねてきたシリーズです。

SENNHEISER HD 660S2レビュー ロングセラーシリーズ600番台の最新開放型ヘッドホン

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 SENNHEISER HD 660S2レビュー ロングセラーシリーズ600番台の最新開放型ヘッドホン ブログイメージ

そのHD 600シリーズにこのたび、密閉型モデルが新たに加わることになりました!それがこちら、HD 620Sです!

HD 620Sの全体画像
HD 620S

今回はこのHD 620Sについて、詳細・音質など詳しくお届けしたいと思います。

HD 620Sの特徴

骨太なデザインのヘッドホン本体

まずは外見からご紹介。ちょっと骨太なデザインはどちらかというとこれまでのHD 59xシリーズを思わせます。

HD 620Sを正面から撮影した画像
骨太なデザイン

シリーズ久々の密閉型

すでにお気づきでしょうが、今回のHD 620Sはシリーズ久々の密閉型として登場!独特のシボ加工が施されたイヤーカップなどどちらかといえばHD 590Sなど現行HD 500シリーズそっくりのフォルムが、これまでのHD 600シリーズとは一線を画す見た目となっています。

HD 620Sのハウジング部分の画像
密閉型であることを示すシボ加工イヤーカップ

イヤーパッド

耳全体を覆うイヤーパッドは厚みのある人工皮革製で、ヘッドホン側にあたる部分のみ細かい穴が開けられています。このイヤーパッドには、音の内部反射を吸収することで開放型のようなサウンドを生み出す効果もあるとのことです。

HD 620Sのイヤーパッド部分の画像
人工皮革製イヤーパッド

ドライバー

さらにイヤーパッド内をのぞき込むと、搭載する42mmトランスデューサー(ドライバー)が透けて見えます。HD 660S2と同様のラミネート加工を施したDuo-Folテクノロジーの振動板を採用し、密閉型でも淀みのない高域を再現します。

HD 620Sのイヤーパッド内部の画像
42mmトランスデューサー搭載

こちらがHD 620S(白線)とHD 600(グレー線)とを比較した周波数帯域グラフです。ご覧のとおり、最も大きく異なるのが100Hz以下の低域部分。よく「ゆるい」といわれる(それが良さでもあるのですが)HD 600の低域レスポンスを大幅に向上させたことがわかります。

もう一か所、4,000Hz以上の高音域においてはかなり似通った曲線を描いていることも見てとれます。これは密閉型では難しいとされるなめらかな高域再生を、開放型であるHD 600と同等のレベルで実現していることを示しています。

HD 620SとHD 600の比較グラフのイメージ
HD 620SとHD 600の比較グラフ

ヘッドバンド

ヘッドバンド表面は樹脂製でガッシリしたつくり。

HD 620Sのヘッドバンド外側の画像
ヘッドバンド

ヘッドクッション

ヘッドクッションはHD 660S2と同じ2つコブタイプですが、素材が人工皮革になっています。

HD 620Sのヘッドバンド内側の画像
人工皮革製ヘッドクッション

スライダー

スライダーにはスチール板の補強が入っていて、長期間の使用にも耐える丈夫さを備えています。

HD 620Sのスライダー部分の画像
頑丈なスライダー

ケーブル

ケーブルは2.5mm端子のバヨネットタイプを採用しています。付属ケーブルは3.5mm端子(6.3mm変換アダプタつき)のみとなりますが、4.4mmバランスケーブルものちほど発売予定があるとのことです。

HD 620Sのケーブル端子の画像
ケーブルはバヨネットタイプの着脱式

付属品

付属品は3.5mm端子ケーブル(1.8m)のほか、マニュアル、ポーチとなっています。

HD 620Sの付属品の画像
付属品一式

HD 620Sの音質レビュー

それではHD 620Sの音質チェックとまいりましょう。今回はiFi Audioの人気USB-DAC・ZEN DAC 3と組み合わせてみました。

SENNHEISER HD 620SとiFi Audio ZEN DAC 3を接続

HD 620SとZEN DAC 3の画像
HD 620SとZEN DAC 3

【商品情報】iFi audio ZEN DAC 3

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iFi audio ZEN DAC 3

キツさ・痛さを感じさせない丸くやさしい高域で、ゼンハイザーらしいゆったりとした落ち着きを感じさせるサウンドはこのモデルでも健在です。密閉型となったことで必要以上に低域が膨らんでしまうのでは?と思いましたが、周波数グラフが示すとおりしっかりと対策がとられたこともあり、従来のシリーズモデルよりもタイトでパシッとキレよく低域が決まります。

もうひとつ、密閉型になったことによる変化が気になる音場の広がりですが、ここもさすがはゼンハイザー、閉塞感もイヤな反響音も感じさせません。

イヤーパッドも人工皮革になり密閉性はかなり高くなっているはずなのですが、不思議とヌケの良さまで感じさせるようなチューニングとなっています。逆にいえば”脳を揺さぶるような低域”などといったものとは無縁ですが、開放型モデルのような音漏れをあまり気にすることなくゼンハイザーらしさ満載の音質が味わえるモデルに仕上がっています。

製品仕様

型式密閉型ドライバーユニットダイナミック型
感度110 dB (1 kHz / 1 Vrms)インピーダンス150Ω
周波数特性6-30,000 Hz質量約326g

【商品情報】SENNHEISER HD 620S

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SENNHEISER HD 620S

まとめ

ヘッドホン界の老舗ブランド・ゼンハイザーによる”600番台”久々の密閉型モデル「HD 620S」は、
・シボ加工のイヤーカップや人工皮革製イヤーパッドなど、シリーズ歴代モデルと一線を画すデザイン
・密閉型でありながら開放型モデルに近い周波数帯域を実現
・丸く優しい高域とタイトな低域、閉塞感のない広い音場でヌケの良さまで感じさせるチューニング

と、HD 600シリーズの良さに密閉型ならではの低域表現が加わったヘッドホンとなっています。

HD 620Sは本日よりご予約受付開始、発売は6月6日を予定しております。試聴機もご用意しておりますので、この新しいHD 600シリーズモデルの誕生をぜひ店頭で体感してみてください。

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