ULTRASONE Signature MASTER MkIIのオーディオ専門店スタッフレビューです。旧MASTERの特徴を受け継ぎつつ、バランス接続対応や装着感アップなど大幅にアップデートされました。変更点やサウンドについて詳しく紹介します。
目次
ULTRASONE Signatureシリーズとは
Signature MASTER MkIIの特徴
Signature MASTER MkIIの音質レビュー
製品仕様
まとめ
ULTRASONE(ウルトラゾーン)は1991年、ドイツ・ミュンヘン郊外で設立されたオーディオブランドです。マイクなどの音響機器を手掛けつつヘッドホンも製造するようになった…というメーカーが多い中、最初から”ヘッドホン専門メーカー”として設立された(その後イヤホンやポータブルアンプなども展開)というユニークなブランドでもあります。
そのULTRASONEが”エンジニアからヘッドホンファンまで、あらゆるヘビーユーザーを想定したヘッドホン”として展開するのがSignatureシリーズです。最近では2021年10月に「MASTER」「NATURAL」「PULSE」の3モデルを、続いて2023年9月にはエントリーモデル「PURE」をそれぞれ発売しました。
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特にシリーズ最高峰モデル・Signature MASTERはヘッドホンファンのみならず、数多くの作曲家・レコーディングエンジニアなどクリエイターの方々にも愛用されるほどの人気を誇りましたが惜しまれつつも生産完了、幻のヘッドホンとなってしまいました。
…が、世界中のリクエストにお応えする形でついに復活します!それがこちら、「Signature MASTER MkII」です!
今回はこのSignature MASTER MkIIについて、詳細および音質レビューをお送り致します。
まずは外観からご紹介しましょう。とはいえ、非常に目立つゴールドのフェイスプレートも含めぱっと見は旧MASTERとほとんど変わらないように見えます。
Signatureシリーズ(PUREを除く)ではおなじみのキャリングケースも付属します。
3.5mmL字型ミニプラグのケーブル(1.5m)と、6.3mm標準プラグのケーブル(3m)も付属しますが…
MkII最大の変更点がこちら!オーディオファンの皆様からのご要望にお応えして、ヘッドホン側のジャックがバランス接続に対応!4.4mmバランスプラグのケーブル(1.4m)も付属することになりました!
逆に旧MASTERに付属していたリモコン付きケーブルがなくなる形となりましたが、特に日本のヘッドホンユーザー的には大歓迎な変更ではないでしょうか。
細身の4.4mmブラグには、ULTRASONEのロゴもしっかり刻まれています。
ヘッドホン側のケーブルコネクタは、歴代Signatureモデルと同じく2.5mm端子のバヨネットタイプです。ただし内部基板がバランス接続に対応したというのは先ほどお伝えしたとおり。
MASTERのアイコンともいえるゴールドの金属製プレートも健在ですが、旧MASTERでは「=」の形に入れられていたラインがMkIIでは「X」型になるなど、ほんの少しデザインに変更が加えられています。
変更が加わった、といえばこちらも。旧MASTERゆずりの重厚感あるヘッドバンドですが…
旧MASTERが全面的にシープスキンレザーで覆われていたのに対し、MkIIではクッション部分のみ通気性が良く、長時間の使用でも蒸れにくいメッシュ構造を採用しました。
イヤーパッドも旧MASTER同様、装着感や遮音性に優れるシープスキンレザー製を採用しています。
なお、今回のMkIIでは交換用イヤーパッドは付属しないことになりましたが、実はそのぶんお値段的には旧MASTERよりもお安くなりました。
もちろんULTRASONEが誇る独自技術の数々もしっかりと搭載。
Editionシリーズ直系の40mm径チタンプレイテッド・マイラードライバー、より自然なリスニング環境を提供する「S-Logic 3」、軍用の特殊金属・ミューメタルを使用することで最大約98%の電磁波をシャットアウトする「ULE(Ultra Low Emission)テクノロジー」など、旧MASTERが持っていた魅力はこのMkIIでもそのまま引き継がれています。
それでは、Signature MASTER MkIIの音質を確認してみたいと思います。プレイヤーにはAstell&KernのオールインワンHead-Fiオーディオシステム・ACRO CA1000Tを使用しました。
【商品情報】Astell&Kern ACRO CA1000T
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まずはシングルエンド接続となる6.3mm標準プラグケーブルを装着して聴いてみます。広めの音場、フラット傾向かつドライでやや金属的なイメージのサウンド、音楽全体をまるで俯瞰しているかのような聴かせ方など、音質的な特徴は旧MASTERとほとんど変わらないように感じます。この状態で聴く限りは、特に旧MASTERの音そのものが欲しかった!という方には安心してお聴きいただける後継機であると思います。
続いてケーブルを4.4mmバランスプラグケーブルに変更して聴いてみると、いわゆるモニター系のサウンドから一転、高域の金属的な主張がさらに強く、低域のキレもアップしてアタック感が増すような変化が現れます。
ULTRASONEお得意の攻撃的なサウンド、という印象です。それなりにキャラクターの濃い音ではありますが、リスニング用途としてはこれくらいの味付けがあった方が面白いのではないでしょうか。シングルエンドとバランス、2種類の接続方法でそれぞれ異なるサウンドが楽しめるのがこのMkIIの新しい特徴のようです。
型式 | 密閉型 | ドライバーユニット | ダイナミック型40mmチタンプレイテッドマイラー |
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感度 | 98dB | インピーダンス | 32Ω |
対応コーデック | - | 質量 | 約286g |
【商品情報】Signature MASTER MkII
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