Shanling M5 Ultra のオーディオ専門店スタッフレビューです。堅牢で高級感のあるエッジデザインにセパレートDACチップAK4191EQ + AK4499EXを搭載したシャープで研ぎ澄まされたサウンドが魅力のDAPを紹介します。
目次
ShanlingのMシリーズとは
M5 Ultraの特徴
M5 Ultraの音質レビュー
製品仕様
まとめ
Shanling(シャンリン)は設立36周年を迎える中国のオーディオブランドです。小型USB-DACのUAシリーズやポータブルヘッドホンアンプのHシリーズなど多彩なモデル展開を繰り広げているブランドですが、なんといっても一番なじみ深いのは極小サイズの「M0Pro」をはじめとするポータブルオーディオプレイヤー(DAP)の”M”シリーズではないでしょうか。
そのShanling Mシリーズに最新モデルが登場します!それがこちらの「M5 Ultra」です!
今回はこのM5 Ultraについて、詳細および音質レビューをお届けいたします。
まず目を引くのが、これまでのM0ProやM7、M6 Ultraなどの角の丸いラウンドデザインから一転、非常にシャープな印象を受ける”エッジデザイン”を採用したこのまっすぐなボディです。
カラーはブラックおよびシルバーの2色展開で、今回のレビューではブラックを使用しています。
M5 Ultraの右側面にはボリュームノブのみが配置されています。このボリュームノブは電源ボタンも兼ねており、長押しで電源ON/OFFを行います。
ちなみにボリュームノブ周辺にはライティング機能も備えられています。これは設定からオレンジ・ブルー・機能オフが選択可能です。
左側面には「戻る」「再生」「進む」の3つのボタンを配置していますが…ちょっと目立ちませんね。
角度を変えてみるとこんな感じです。
本体上部には4,4mmバランス端子と3.5mmシングルエンド端子が並びます。
本体下部にはmicroSDカードスロットと、Type-CのUSBコネクタを配置しています。
microSDカードスロットには、本体固定のカバーが設けられています。
なお、M5 Ultraは内蔵ストレージを持っていないため、音楽データはすべてmicroSDカードに格納して読み込む必要があります。
M5 Ultraの大きな特徴として、OSにAndroidではなくShanling独自の「MTouch 4.0」を搭載していることが挙げられます。とはいえ、タイル状のアイコンや画面上部をスワイプすることでサブメニューが現れる点など、一般的なDAPと使い勝手は変わりません。Shanling公式アプリ「Eddict Player」からSyncLinkで接続することで、スマートフォンから操作することももちろん可能です。
唯一注意しなければならないのが「独自OSのため任意のアプリを追加することはできない」という点でしょうか。そのため、特にストリーミングサービスに対しては現状TIDAL(日本でのサービス提供なし)にのみ対応という状況ですので、サブスクを中心に音楽を聴きたい場合にはちょっと向いていないDAPとなっています。
起動スピードはけっこう速め。ボリュームノブを押し込んでからワンテンポおいて電源オン、即メニュー画面または再生画面が立ち上がります。
MTouch OSならではのちょっとユニークな機能が「再生速度変更機能」です。48kHz未満のファイルにのみ適用、という条件はありますが、再生スピードを通常速度のほか1.25倍、1.5倍、2.0倍へと変更することができます。オーディオブックなどの再生で活躍してくれる機能ではないでしょうか。
M5 Ultraが搭載するDACチップは、名だたるハイクラスDAPで採用されてきたことでも知られる旭化成エレクトロニクス製セパレートDACチップ「AK4191EQ + AK4499EX」です。
デジタル部とアナログ部のクロックを完全に切り離すことで、ノイズレスで高精度なD/A変換を実現しています。Shanling製品では全世界999台の限定生産DAP・M9 Plusやポータブルアンプ・H7などでも採用、その音質が高く評価されるDACチップです。
そのほか、H7ゆずりの自社開発アンプ回路や、フラッグシップモデル向けに開発したオリジナルのI/V(電流/電圧)変換回路を採用するなど、これまでの上位モデルで培ったさまざまな技術が惜しみなく投入されています。
M5 Ultraのパッケージ内容がこちらです。前面および背面用の保護フィルム、充電およびデータ転送用のUSBケーブル、マニュアル類と非常にシンプル。
専用PUケースは別売となりますのでご注意ください。ブラックとブラウンの2色が用意されています。
【商品情報】Shanling M5 Ultra 専用PUケース
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それではM5 Ultraの音質チェックです。今回はM5 Ultraと同時に発表・発売を迎えるShanlingの2ダイナミック・3BAイヤホン「ME600」で試聴してみました。
【商品情報】Shanling ME600
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カチッとした中低域に若干の鋭さを感じさせる高域、引き締まった低域が組み合わさり、全体的にシャープでスピード感のあるサウンドです。
音のエッジが立っているもののゴツゴツした粗さはなく、非常に研ぎ澄まされた音である印象を受けます。音場はリスナーに近くややコンパクトですが、定位感・定位感に優れています。ジャンルとしてはロックやDTMなど、アタック感が重要な楽曲に向いているように思いました。
また、今回はイヤホンでの試聴ということもありゲイン設定は一番低い「Low」にしていたのですが、ボリューム値は25くらいで充分に大きな音と感じるくらいの出力がありました。いわゆる多ドライバーのイヤホンや大きめのヘッドホンなどでも充分にドライブできるだけの出力を備えている、というのは嬉しいポイントではないでしょうか。
対応フォーマット | DSD(".iso",".dsf",".dff")※isoのDstエンコーディングは非対応 ISO / DXD / APE / FLAC / WAV / AIFF / AlF / DTS / MP3 / WMA / AAC / OGG / ALAC / MP2 / M4A / AC3 / M3U / M3U8 / OPUS | DACチップ | AK4191EQ + AK4499EX |
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出力端子 | 3.5mmシングル出力、4.4mmバランス出力、3.5mmライン出力、4.4mmバランスライン出力 | 最大バッテリー稼働時間 | 11時間(シングルエンド)9時間(バランス)32.5時間(BT送信) |
サイズ | 約120×75×19.5mm | 重さ | 約247g |
Gain機能 | High / Medium / Low | 外部ストレージ | microSDカード(最大2TB対応) |
Bluetooth対応コーデック(送受信) | SBC、AAC、aptX、aptX-HD、LDAC、LHDC | OS | MTouch4.0 |
【商品情報】Shanling M5 Ultra
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