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2023.06.16
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Shanling M9 Plus レビュー | メリハリのある明るめのサウンドが特徴ハイレベルDAP

Shanling M9 Plus レビュー

Shanling M9 Plusをオーディオ専門店スタッフがレビューします。最新フラッグシップDACやフルバランス4chアンプ回路を搭載し、メリハリのある明るめのサウンドが特徴のレベルの高いオーディオプレーヤーを詳しくご紹介します。

フジヤエービック店舗イメージ
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Shanlingのポータブルプレイヤーとは

Shanling(シャンリン)は30年以上の歴史を持つ中国のオーディオメーカーです。日本ではポータブルオーディオ機器を中心に展開しており、小型USB-DACやポータブルオーディオプレイヤー(DAP)といったジャンルで人気の高いモデルを数多く販売しています。

最近では超小型DAP・M0Proがそのサイズからは想像できないほどの音質と利便性で人気を集めています。

超小型DAP・M0Pro
超小型DAP・M0Pro

そのShanling製DAPにハイクラスモデルが新たに登場!その名も「M9 Plus」です!

…えっ、それってちょっと前に発売されてなかった?と思った方、半分だけ正解です。実は昨年の1月、当店フジヤエービックと代理店直販サイトだけでほんのわずかだけ販売された特別モデル「M9 -AKM Edition-」(以下「AKM版」)というDAPがあったのですが、

【試聴レビュー】Shanling M9 -AKM Edition-国内少数限定販売!新型DAPの特別限定バージョン登場!

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 【試聴レビュー】Shanling M9 -AKM Edition-国内少数限定販売!新型DAPの特別限定バージョン登場! ブログイメージ

今回発売されるのはその進化系モデル・M9 Plusとなります!
ということで、さっそくこのM9 Plusについて詳細と音質レビューをお届けしたいと思います。

新モデル・M9 Plus
新モデル・M9 Plus

M9 Plusの外観と特徴

まずはパッケージからご紹介しましょう。化粧箱を開けると、そこにはAKM版と同じく重厚感あふれる木製ボックスが収められています。上蓋にはなにやら「35」と記載されたプレートがはめ込まれているようですが…

木製ボックスに収納されたM9 Plus
木製ボックスに収納されたM9 Plus

実はこのM9 Plus、Shanling設立35周年記念モデルとしての側面を持った製品でもあるのです。ちなみにプレートの裏面には回路図のような図が記載されていますが、こちらはまた後ほどご説明することにしましょう。

「35」プレートの裏面
「35」プレートの裏面

パッケージ内容

M9 Plusのパッケージ内容は、本体、マニュアル類、USBケーブル、ディスプレイ保護フィルムとなっています。

M9 Plusのパッケージ内容
M9 Plusのパッケージ内容

本体

こちらがM9 Plus本体です。筐体カラーはAKM版がやや青みがかったグレーだったのに対し、M9 Plusではブラックとなっています。

M9 Plusの筐体カラーはブラック
M9 Plusの筐体カラーはブラック

実際にAKM版と並べてみるとこんな具合です。
幅と厚さ、ディスプレイサイズ(6インチ・2160×1080)は同じですが、M9 Plusの高さはAKM版より5mmほど短い147mmです。重さも379g(AKM版は409g)と軽くなっています。全体的な形状は同じようですが、よく見てみるとM9 Plusの左側面がややくぼんでいることがわかります。

左:M9 -AKM Edition-、右:M9 Plus
左:M9 -AKM Edition-、右:M9 Plus

右側面

M9 Plusの右側面には、金色のボリュームノブが配置されています。

M9 Plusの右側面
M9 Plusの右側面

電源ボタン

真ん中にShanlingロゴの刻まれたボリュームノブは電源ボタンも兼ねており、長押しすることで電源ON/OFFとなります。

ボリュームノブにはShanlingロゴ入り
ボリュームノブにはShanlingロゴ入り

左側面

左側面には「戻る」「再生」「進む」の3つのボタンを配置していますが、AKM版と異なり、ボタンの周辺のみ一段くぼんでいます。

M9 Plusの左側面
M9 Plusの左側面

本体上部

本体上部には3.5mmシングルエンド端子と4,4mmバランス端子の2つのみを配置。

M9 Plusの本体上部
M9 Plusの本体上部

ここで再度、AKM版と並べて見比べてみましょう。
AKM版ではヘッドホンジャック部分が着脱式になっており、ユーザーが2.5mmバランス/3.5mmシングルエンド/3.5mmProバランス/4.4mmバランスの4種類からどれかひとつを選んで装着するという仕様になっていましたが、M9 Plusでは一般的な着脱不可の仕様となりました。

2.5mmと(あまり普及しなかった)3.5mmPro端子がなくなった形ですが、これも時代の流れでしょうか。

左:M9 -AKM Edition-、右:M9 Plus
左:M9 -AKM Edition-、右:M9 Plus

本体下部

本体下部にはmicroSDカードスロットと、Type-CのUSBコネクタを配置しています。

M9 Plusの本体下部
M9 Plusの本体下部

microSDカードスロットには、本体固定のカバーが設けられています。

カバー付きmicroSDカードスロット
カバー付きmicroSDカードスロット

ディスプレイ

AKM版のディスプレイには一部のスマートフォンのようなノッチ(切り欠き)があったのですが、このM9 Plusにもそのノッチは受け継がれています。ここには時刻のほか、再生中の音楽ファイルのサンプリングレートや音量、バッテリー残量などが表示されます。

ディスプレイにはノッチ(切り欠き)あり
ディスプレイにはノッチ(切り欠き)あり

付属レザーケース

M9 Plusには専用のレザーケースも付属しています。AKM版は背面のみカバーするプロテクタータイプのケースでしたが、M9 Plus版はフルカバータイプのケースです。

フルカバータイプのレザーケースが付属
フルカバータイプのレザーケースが付属

DACチップ

ここまでは外見上の違いを中心にお伝えしてきましたが、続いて重要な”中身”の違いにも触れていきましょう。

AKM版はその発売当時、製造工場の火災により世界的に品薄となっていた旭化成エレクトロニクス製のDACチップ・AK4499EQをデュアル搭載していましたが、このM9 Plusでは同じ旭化成エレクトロニクス製の最新フラッグシップDACチップ「AK4499EX」をクワッド(4基)搭載しています。このAK4499EXはデジタル処理用チップ「AK4191EQ」とセットで動作するもので、デジタルセクションとアナログセクションを分離させた”セパレートDAC”となっているため実際の構成は「AK4499EX×4 + AK4191EQ×2」です。

実はパッケージ紹介のところで登場した「35」プレートの裏面は、このDACチップ構成を表したものでした。

DACチップにAK4499EX×4 + AK4191EQ×2を搭載
DACチップにAK4499EX×4 + AK4191EQ×2を搭載

さらに日清紡マイクロデバイス製のオペアンプ・MUSES8920と、テキサス・インスツルメンツ製のバッファIC・BUF634Aを組み合わせた”フルバランス4chアンプ回路”を新たに設計し、バランス出力で最大6.0V@32Ω(1125mW)というハイパワーを実現しています。

なお、DAPの心臓部ともいえるSoC(Snapdragon 665)、システムメモリ(8GB)、内蔵ストレージ(256GB)、OSバージョン(Android 10)などはAKM版から変わっていません。

新設計のフルバランス4chアンプ回路
新設計のフルバランス4chアンプ回路

M9 Plusの音質レビュー

それではいよいよM9 Plusの音質もチェックしたいと思います。組み合わせるイヤホンにはSENNHEISER IE 900を選んでみました。

M9 PlusとIE 900
M9 PlusとIE 900

中高域の押し出し感と低域のパンチが効いた、メリハリのあるややドライで明るめなサウンドです。音の分離感、解像感も非常に高く、音場も左右に充分な広さを感じさせます。

AKM版の音質と比較すると、解像感・分離感は非常に似通っていますが低域の弾力感や明瞭感といった部分はM9 Plusの方がより強く感じられます。また、音場も前後感は同等ですが左右への広がりについてはM9 Plusの方がやや広いようです。もっとも大きな違いはボーカルの表現でしょうか。AKM版では温かみがあり、歌手の情感が充分に再現されているかのような聴こえ方でしたが、M9 Plusではそこがちょっと冷静になったかのように落ち着いて聴こえます。

全体的なトーンはフラットながらボーカルの温度感は持ち合わせているAKM版に対して、全体的にはエネルギッシュながらボーカルはクールさを感じさせるM9 Plusと、どちらも旭化成エレクトロニクス製のフラッグシップDACチップを採用していながらまるで対照的なサウンド傾向になっているのが面白いところです。

製品仕様

DACチップ AK4499EX×4 + AK4191EQ×2 システム オープンAndroid 10 OS
Bluetoothバージョン 5 Bluetooth対応コーデック Bluetooth送信:LDAC / LHDC / aptX HD / aptX / SBC、Bluetooth受信:LDAC / SBC
連続再生時間 シングルエンド:18時間、バランス:11時間、Bluetooth送信:83時間 外形寸法 / 重量 147mm×82mm×22mm / 379g

【商品情報】Shanling M9 Plus

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Shanling M9 Plus

まとめ

ShanlingのハイクラスDAP最新モデル「M9 Plus」は、
・旭化成エレクトロニクス製の最新フラッグシップDACチップ「AK4499EX×4 + AK4191EQ×2」採用
・日清紡マイクロデバイス製オペアンプ・MUSES8920とテキサス・インスツルメンツ製バッファIC・BUF634Aによる”フルバランス4chアンプ回路”搭載
・中高域の押し出し感と低域のパンチが効いた、メリハリのあるややドライで明るめなサウンド

と、AKM版とはまた異なるテイストを持ちつつもよりレベルの高いオーディオプレイヤーに仕上がっています。

Shanling M9 Plusは6月30日発売予定、本日よりご予約受付開始・試聴機の展示も始まりました!全世界999台限定生産ですので、ご予約およびご購入はお早めにどうぞ!

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