SENNHEISER ACCENTUM Wireless をオーディオ専門店スタッフがレビューします。中低域メインで低域のパンチも効いたエネルギッシュな音作りでしっかりゼンハイザーサウンドが楽しめるワイヤレスヘッドホンを詳しく紹介します。
目次
SENNHEISERのワイヤレスヘッドホンとは
ACCENTUM Wirelessの外観と特徴
ACCENTUMの音質レビュー
製品仕様
まとめ
SENNHEISER(ゼンハイザー)といえば、ヘッドホンファンの皆様にはもっとも知られているブランドのひとつではないでしょうか。設立は1945年とヘッドホン界では老舗といえる歴史を持っていますが、意外とワイヤレス製品への対応も素早くこれまでに数多くのワイヤレスヘッドホン・ワイヤレスイヤホンを生み出してきました。
昨年夏にはワイヤレスヘッドホンのフラッグシップモデル MOMENTUM 4 Wireless(以下「MOMENTUM 4」)を発売、今も人気を集めています。
【音質レビュー】ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wirelessは音質も性能も最新鋭のワイヤレスヘッドホン
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そのSENNHEISERから、新たにワイヤレスヘッドホンのエントリーモデルが登場します!その名は「ACCENTUM Wireless」(以下「ACCENTUM」)、まずはブラックモデルからリリース開始です!
※ホワイトモデルは後日発売予定
今回はこのACCENTUMについて、詳細と音質レビューをお届けいたします。
コンパクトなパッケージを開くと、いきなりACCENTUM本体がお目見え。ACCENTUMではサステナビリティを重視しているため、プラスチックは未使用の紙製パッケージとなっています。
SENNHEISERのワイヤレスヘッドホンではお約束となっているのですが、ハウジング表面には専用アプリのダウンロード用QRコードや各種スイッチの説明を記載したシールが貼り付けられていますので、こちらは剥がしてからご使用ください。
こちらがACCENTUMの付属品です。充電用のUSBケーブルと、再生紙を使用したマニュアル類のみという非常にシンプルな内容になっています。キャリングケースやポーチなどは付属していません。
ハウジングのシールを剥がしたACCENTUMがこちら。パッと見た印象では、上位モデルとなるMOMENTUM 4に非常に似ている印象です。
対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HDとなっています。
実際にMOMENTUM 4(ホワイトモデル)と並べてみましょう。やはり全体的なフォルムはそっくりですが、ハウジングそのものはACCENTUMの方がひと回り小さくなっています。イヤーパッドも若干形状に違いはありますが、サイズはほぼ同じくらいです。
ACCENTUMの搭載するダイナミックドライバーは直径37mm(MOMENTUM 4は42mm)とやや小型になっています。
また、MOMENTUM 4ではシリーズを象徴するファブリック素材がヘッドバンド表面にあしらわれていますが、ACCENTUMのヘッドバンド表面は樹脂製となっています。内側のクッションはどちらもシリコンカバーのクッションが効いたものとなっているため、見た目だけでなく装着感もかなり似通っています。
ハウジングが表側・裏側どちらにも水平に開く”スイーベル機構”が採用されている点も、MOMENTUM 4ゆずりです。内側に左右を示すL・Rとモデル名の表記がされている点も同じ。イヤーパッドの素材はプロテインレザー(人工皮革)となっています。
一方で大きく異なるのが操作系です。ACCENTUMの操作系はすべて右ハウジングに集約されていますが、MOMENTUM 4のようなタッチパネル方式ではなく”物理ボタン方式”での操作となります。
写真奥からボリュームアップ、再生・停止(2回クリックで「送る」・3回クリックで「戻る」)、ボリュームダウン、丸いボタンが電源およびノイズキャンセリング・トランスペアレント(外音取込)切替、充電用USBコネクタ、インジケーターランプとなっています。
ACCENTUMにもしっかりとノイズキャンセリング機能とトランスペアレント(外音取込)機能は搭載されていますが、こちらもレベル調整が可能なMOMENTUM 4と異なり”どちらか一方をオン・オフする”という方式です。
なお、この切替は専用アプリ「Sennheiser Smart Control」からでも、本体右ハウジングの丸ボタン2回クリックでも可能ですが、ノイズキャンセリングからトランスペアレントに切り替えた際にはいったん音楽再生が停止するという仕様になっています。
バッテリーはノイズキャンセリング機能をオンにしていても50時間の再生が可能です。
それではいよいよACCENTUMの音質チェックです。今回はスマートフォンとの組み合わせ(aptX HD接続)で、上位モデル・MOMENTUM 4との比較もしながらサブスク音源を再生してみました。試聴時はノイズキャンセリング機能をオンにしています。
エントリーモデルながら中低域をメインとしたゼンハイザーらしさあふれるサウンドはしっかりと継承されており、特にボーカルものは非常にエネルギッシュに耳に届けられるような音作りになっています。低域はやや強めに効かせる感じで、これは騒音の多いアウトドアでの使用でも外の騒音に負けないようにという意図もあるのでしょうが、エントリークラスという立ち位置のモデルらしい「まずは聴いて楽しい音」を表現するためのチューニングになっているのでしょう。
音場はやや近いエリアで展開されますが、リスナーの周囲を包み込むような立体感に優れているのが特徴です。
上位モデル MOMENTUM 4 と比較すると音のナチュラルさ、なめらかさはさすがにかないませんが、逆にパワフルなサウンドが好みという方にはこのACCENTUMの方が合うのではないでしょうか。
操作系がタッチパネルではなく物理ボタンとなっている点については一見性能ダウンのように見えてしまうかもしれませんが、実はこれからの季節、手袋を着けているとタッチパネルが反応しないこともあるので物理ボタンの方が使いやすい…という場面が起こったりもするのです。意外なポイントですが、ワイヤレスモデルを選ぶ場合は使い勝手に大きく影響しますので物理ボタン操作は必ずしもマイナスとはなりませんよ。
形式 | ダイナミック・密閉型 | アクティブノイズキャンセリング | ハイブリッド |
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Bluetooth | ver5.2 | コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX HD |
バッテリー | 最大50時間(ANC ON) | 充電時間 | 3時間(フルチャージ)/ 10分(5時間動作) |
【商品情報】SENNHEISER ACCENTUM Wireless
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