Shanling EH3 をオーディオ専門店スタッフがレビューします。USB-DAC、BluetoothやWiFi接続のほか、USBストレージ内の音楽データの直接再生も可能なデスクトップオーディオの中心に置きたいヘッドホンアンプを紹介します。
目次
Shanlingとは
EH3の外観と特徴
EH3の音質レビュー
製品仕様
まとめ
Shanling(シャンリン)は設立35周年を迎えた中国の人気オーディオブランドです。日本では超小型ポータブルプレイヤー「M0Pro」やポータブルアンプ「H5」をはじめとした”ポータブルオーディオのブランド”というイメージが定着していますが、実は本国・中国では据置モデルも数多く発売している総合オーディオブランドなのです。最近では日本市場にもトップローディング方式のコンパクトCDプレーヤー「EC3」や、DAC搭載のスピーカーアンプ「EA5」といった据置モデルを展開しはじめています。
【商品情報】Shanling EC3
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そして本日、Shanlingの据置ラインナップにもう1モデル追加されました!それがこのDAC内蔵ヘッドホンアンプ「EH3」です!
今回はこのEH3について、詳細および音質レビューをお届けいたします。
段ボール製の箱を開けると、緩衝材でしっかりと固定されたEH3本体とマニュアル類および付属品が現れます。
付属品はマニュアル類、リモコン、電源ケーブル、USBケーブル(Type-A to B)となっています。マニュアルは英語・中国語版とは別にしっかり日本語版も入っているのがうれしいところです。
EH3本体も箱から出してみましょう。今回はサンプルとしてシルバーモデルを使用しています。こちらは天板部ですが、EA5やEM5といった各モデル同様、入出力の経路図が描かれているのが印象的です。その下に並ぶ〇ボタンについてはのちほどご説明します。
サイズも他の据置モデルと統一されており、タテ23.8×ヨコ18.8×高さ5.9cmとA4サイズ以下の大きさとなっています。
こちらがフロントパネル。左側に4種類のヘッドホンジャック、真ん中に円形のIPS液晶スクリーン、右側にボリュームノブが並びます。ボリュームノブは押下式で、押し込むことで電源のオンオフ、設定メニューの決定等が可能です。
4つのヘッドホンジャックは右側に4.4mmおよびXLR4pinのバランス端子、左側に3.5mmおよび6.3mmのシングルエンド端子となっています。これだけあると、ヘッドホンを多数持っている方や我々のようなショップの店頭では非常に助かりますね。
主な入出力端子は背面に配置されており、アナログ系はRCAの入力および出力、XLR3pinの出力が、デジタル系は同軸、光、USB(Type-B)、IIS(I2S)、HDDやUSBメモリなどを接続可能な外部ストレージ端子(Type-A)、USBオーディオ出力端子(Type-A)のほか、黒いボックスのようなBluetooth・WiFi用アンテナまでギュッと凝縮されています。メインの電源スイッチもこちらにあるので、使用時はまずこのスイッチを入れてからフロントパネルのボリュームノブを押し込むことで電源を入れてください。
ここで再度、EH3の天板部を見てみましょう。フロントパネル側に並ぶ〇ボタンは左から入力ソースセレクト、再生・一時停止、戻る、進むとなっています。
…ん?ヘッドホンアンプになぜ「再生・一時停止」や「戻る・進む」が?と思った方はするどい!実はこのEH3、背面の外部ストレージ端子につないだHDDやUSBメモリなどに入れた音楽データを直接再生できる”プレイヤー機能”を備えているのです。
また、外部ストレージやBluetooth、WiFi接続でDLNA/Airplayなどを使用したプレイヤーとしてEH3を活用している際には、背面のUSBオーディオ出力端子から他の機器へ出力もできるという特徴を持っています。
さらにマニュアルも用意されているとおり、Shanlingの公式アプリ「Eddict Player」をインストールしたスマートフォンと接続すれば、アプリからの操作も可能です。
天板部のボタンと同じ操作やボリューム調整など、基本的な操作は付属のリモコンからも可能となっています。
EH3はUSB-DACとしての機能も豊富に備えています。搭載するDACチップはまだまだ採用例の少ないESS社の最新世代DAC・ES9039PRO。フロントパネルからデジタルフィルターの切り替えや…
いわゆるアップサンプリングのオン・オフ、サンプリングレート変更も可能なSRC(サンプル・レート・コンバーター)機能の切り替えも可能です。
それではEH3の音質をチェックしてみたいと思います。今回はおなじみのモニターヘッドホン・TAGO STUDIO T3-01を組み合わせ、同時発売のOTGケーブル「L7」でUSB接続したスマートフォンからサブスク音源を再生しています。
【商品情報】Shanling L7 USB-B to USB Type-C OTGケーブル
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やや硬質で中低域の厚みを感じさせる、ボーカル映えするサウンドです。音場の広がりはほどほどですが、頭部を360度包み込むように展開されるので音の立体感に優れており、ひとつひとつの音の定位感もしっかりとしています。EH3はLow/Medium/Highと3段階のゲイン設定が可能ですが、T3-01ではMediumで充分な音量がとれたので駆動力も充分と思われます。
SRC機能もいろいろと試してみます。やはりもっとも変化を感じるのは「DSD512」などDSDレベルへのアップサンプリングでしたが、音がなめらかになる反面アタック感などは若干控えめとなるようです。これは古い録音の音源などを再生する場合はむしろ聴きやすくなるところもあるので、気軽に変更して楽しみたい機能ではないでしょうか。
サイズ | 23.8 × 18.8 × 5.9cm | 重量 | 2.8kg |
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DACチップ | ESS社 ES9039PRO | ヘッドホン出力 | 3.5mm / 6.35mm / 4.4mm / XLR |
アナログ出力 | XLR / RCA | デジタル出力 | USBオーディオ出力 |
デジタル入力 | USB-DAC / USBドライブ / COAXIAL(同軸デジタル) / OPTICAL(光デジタル) / I2S | アナログ入力 | AUX(RCA端子) |
【商品情報】Shanling EH3
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