Shanling M1 Plusのオーディオ専門店スタッフレビューです。ESS社の省電力ハイパフォーマンスDACチップ「ES9069Q」を搭載し、シャープかつスピード感のあるサウンドが特徴の持ち歩きやすいコンパクトDAPを紹介します。
目次
ShanlingのMシリーズとは
M1 Plusの特徴
M1 Plusの音質レビュー
製品仕様
まとめ
Shanling(シャンリン)は設立36周年の歴史を持つ中国のオーディオブランドです。
小型USB-DACのUAシリーズやポータブルヘッドホンアンプのHシリーズなど多彩なモデル展開を繰り広げているブランドですが、中でも一番人気のあるジャンルといえばやはりポータブルオーディオプレイヤー(DAP)の”M”シリーズ。
今年5月にはミドルクラスモデルの「M5 Ultra」をリリース、こちらも高い人気を誇っています。
Shanling M5 Ultra レビュー | シャープでエッジの効いたフォルムとサウンド
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そのShanling Mシリーズに最新エントリーモデルが登場します!それがこちらの「M1 Plus」です!
今回はこのM1 Plusについて、詳細および音質レビューをお届けいたします。
M1 Plusのパッケージ内容がこちらです。ディスプレイ保護フィルム、充電およびデータ転送用のUSBケーブル、マニュアル類と非常にシンプル。
なお、残念ながら専用ケースは後日改めて販売予定とのことで、現時点ではご用意がありません。
M1 PlusはM5 Ultraゆずりのシャープな印象を受ける”エッジデザイン”を採用、非常に角ばったボディが特徴です。サイズはタテ86mm × ヨコ61mm × 厚さ17mm、3.2インチ(320×480)のタッチディスプレイを搭載しています。
カラーはブラックおよびシルバーの2色展開で、今回のレビューではブラックを使用しています。
M5 Ultraと並べてみた様子がこちらです。右のM1 Plusにはスクリーン下にブランドロゴがプリントされているという違いはありますが、ほぼそのままギュッとコンパクトにしたような印象ですね。
M5 Ultraの右側面にはボリュームノブのみが配置されています。このボリュームノブは電源ボタンも兼ねており、長押しで電源ON/OFFを行います。
ちなみにボリュームノブ周辺にはライティング機能も備えられています。これは設定からグリーン・ブルー・機能オフが選択可能なほか、充電中はレッドに点灯します。
左側面には「戻る」「再生」「進む」の3つのボタンを配置。
本体上部には4,4mmバランス端子と(写真では黒くつぶれてしまっていますがその右に)3.5mmシングルエンド端子が並びます。
本体下部にはmicroSDカードスロットと、Type-CのUSBコネクタを配置しています。
microSDカードスロットはカバーのないタイプですので、取り出し時にはmicroSDカードの飛び出しにご注意ください。
なお、M1 Plusは内蔵ストレージを持っていないため、音楽データはすべてmicroSDカードに格納して読み込む必要があります。
M1 PlusはOSにAndroidではなく、Shanling独自の「MTouch 2.0」を搭載しています。
電源ONから操作可能になるまでの速さ、タイル状のメニューアイコンや画面上部をスワイプすることで現れるサブメニュー、ストリーミングサービスはTIDAL(日本でのサービス提供なし)にのみ対応している点など、基本的にはM5 Ultraと使い勝手は変わりません。Shanling公式アプリ「Eddict Player」からSyncLinkで接続することで、スマートフォンから操作可能なところも同じです。
USBデジタル出力機能も備えているので、Shanling H2やH5といったポータブルアンプと接続することも可能です。
M1 Plusが搭載するDACチップは、ESS社の省電力ハイパフォーマンスDACチップ「ES9069Q」です。より強力なデジタル・アナログ性能と低消費電力制御を実現し、芯のあるパワフルなサウンドを実現しています。
そのほか、アンプ回路には低ノイズ・ハイスピードレスポンスに定評のあるSG Micro社製「SGM8262-2」をデュアルで採用、661mW @32Ω(バランス端子)というハイパワー出力設計となっているほか、ELNA製 SilmicⅡシリーズ47μF電解コンデンサを4基採用し、温かみのある滑らかなサウンドを生み出しています。
それではM5 Ultraの音質チェックです。今回は以前おこなったM5 Ultraのレビューと比較できるよう、Shanlingの2ダイナミック・3BAイヤホン「ME600」で試聴してみました。
【商品情報】Shanling ME600
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シャープかつスピード感のあるサウンド、アタック感のある中低域と引き締まった低域など全体的な印象はM5 Ultraと非常に似ているように感じますが、高域はこのM1 Plusの方が刺さりが少なく聴きやすいかもしれません。さすがに解像感・立体感などはM5 Ultraの方が有利ではあるものの、まとまり感の良さからボーカルはむしろM1 Plusの方がより際立つようです。
なにしろ名刺よりひとまわり大きい程度というコンパクトさなので、気軽に持ち運ぶDAPとしてはもちろん、ポータブルアンプやDACなどと組み合わせるための出力元として活用するのも面白いのではないでしょうか。
DACチップ | ESS ES9069Q | サイズ | 86×61×17mm |
---|---|---|---|
重量 | 約116g | ディスプレイ | 3.2インチ320×480 HDタッチスクリーン |
OS | 独自OS | Gain機能 | High / Low |
出力 | 3.5mm Phone Out / Line Out / SPDIF Coaxial 4.4mm Phone Out / Line Out | Bluetooth | Ver 5.2 |
【商品情報】Shanling M1 Plus
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