Pentaconn COREIR mini STAINLESS STEELのオーディオ専門店スタッフレビューです。タイトな音質への変化を手軽に楽しめるステンレススチール製金属コア搭載イヤーピースの特徴と音質について詳しく紹介します。
目次
Pentaconn COREIRとは
特徴
イヤホンに装着してみる
音質
製品仕様
まとめ
イヤホン好きの方であれば「Pentaconn(ペンタコン)」という名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。いまやポータブルオーディオに欠かすことができない「4.4mm5極プラグ」や、イヤホンコネクタ「Pentaconn ear」を生み出した日本ディックスのオーディオブランドが「Pentaconn」なのです。そして登場するやあっという間に人気製品となったのが、金属製のチューブ(コア)を埋め込むことでまるで「金属の音導管を持った」かのようにイヤホンの音を変化させるイヤーピース「COREIR(コレイル)」シリーズです。
日本ディックス COREIRレビュー | ノズル部に金属パーツを埋め込んだ新イヤーピース
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これまでCOREIRシリーズには、黄銅(真鍮)コアを採用した「COREIR BRASS」、アルミ合金コアを採用した「COREIR AL ALLOY」の2種類が存在していました。そして今回新たにラインナップに加わったのが、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)向けである「Pentaconn COREIR mini STAINLESS STEEL」(以下「COREIR mini」)です!
今回は「COREIR mini」について、特徴および音質レビューをお届けしたいと思います。
「COREIR mini」のパッケージ内容は非常にシンプルで、小さな紙箱の中にはブリスターパックに収められたイヤーピースが1組のみ入っています。従来のCOREIRシリーズは各サイズ2ペア(セット品はサイズ違い2種が1ペアずつ)でした。今回の「COREIR mini」は“なるべく手に取りやすい価格にしたい”ということで、1ペア構成に変更となったそうです。
サイズ展開は従来のCOREIRシリーズ同様に、S/MS/M/Lの4サイズとなっています。Sはブラック、MSはブルー、Mはイエロー、Lはレッドと、軸にサイズごとに異なるカラーが施されているのも同じです。ただし、対応するイヤホン側のノズル(ステム)直径は3.6~4.5mmで、従来モデル(4.5~5.5mm)よりも、やや小さくなっています。S/MS/M/Lそれぞれのイヤーピースサイズについては、表をご覧ください。
シリーズ最大の特徴である金属コアは、従来モデルの黄銅(真鍮)、アルミ合金に続き、「COREIR mini」は製品名にも入っている”ステンレススチール製”となっています。ステンレススチールは硬度が高く、音の響き方にも優れているため、COREIRシリーズ特有の効果が発揮できる素材として採用されました。
従来品の「COREIR BRASS」と見比べてみます。左が「COREIR BRASS」、右が今回の「COREIR mini」、サイズはともにMSです。ご覧の通り高さが異なる(BRASSは9.4mm、miniは8.1mm)ほか、実は形状も変更されています。「COREIR BRASS」がストンとした筒状に近い形なのに対し、「COREIR mini」はより裾野の広い山型の形状になっています。これはフィット感を向上することで、完全ワイヤレスイヤホンにありがちな”耳からの落下”を防止するとともに、遮音性を高めるための工夫とのことです。
ひっくり返してみると、軸と金属コアの長さもかなり違っていることがわかるかと思います。従来モデルは完全ワイヤレスイヤホンに装着した際に、「充電ケースと干渉してしまうので使えない…」という声があったとのこと。「COREIR mini」では金属コアの長さを従来比約87%に抑え、これまで使うことの出来なかった完全ワイヤレスイヤホンの約70%(日本ディックス調べ)で使用可能になりました。
実際に「COREIR mini」をいくつかの完全ワイヤレスイヤホンに装着してみます。
まずは、今年1月の登場からすっかり定番モデルとなった「Technics EAH-AZ100」です。若干ノズル部が余るものの、装着はしっかりとできました(装着した様子がわかりやすいよう、カサ部分を裏返しています)。一番大きいLサイズを装着しても、充電ケースのフタが問題なく開閉可能です。
【商品情報】Technics EAH-AZ100
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続いては、交換モジュール「C:02M:02」が発売されたことで再び話題となった「Acoustune HSX1001 Jin -迅-」に装着してみます。ノズルが長めなモデルなので、ややすき間が空きますが装着可能。Lサイズ装着時でも充電ケースのフタ開閉に問題はありません。
【商品情報】Acoustune HSX1001 Jin -迅-
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残念ながら装着が難しい例のご紹介です。「ANIMA ANW01」など、元のイヤーピースが非常に薄いタイプの完全ワイヤレスイヤホンでは充電ケース内部の収納スペースも小さいため、イヤホン本体への装着できても充電ケースに収めた際にフタを閉めることができませんでした。写真はSサイズの「COREIR mini」を装着してからケースに収めた様子ですが、ご覧の通りフタが浮いてしまいます。
お手持ちのモデルで装着できるか心配な場合は、ぜひ店頭サンプルでお試しください。
それでは「COREIR mini」の音質チェックといきましょう。先ほども登場した「Technics EAH-AZ100」に装着し、スマートフォンでサブスク音源を聴いてみます。
「Technics EAH-AZ100」といえば豊かな低域とウォーム感のあるサウンドが特徴ですが、「COREIR mini」を装着することでスッキリと整理され、やや寒色系のサウンドに変化したような印象です。若干おとなしめだった高域にも金属コア特有の響きが乗り、タイトになった低域とともにほど良い刺激を生み出しています。一方で、「Technics EAH-AZ100」特有の音場の広さについては変化がないようですが、低域部がスッキリしたことでライブ感や生々しさは薄れたようにも感じます。個人的には「Technics EAH-AZ100」ではちょっと合わないかな…と思っていたEDMも、この組み合わせなら充分楽しめそうです。
音質面以外のメリットです。「Technics EAH-AZ100」付属のイヤーピースがサラサラとした素材のため、大きく動いた時などは耳から外れてしまいそうになることがありました。この「COREIR mini」はペタペタとした素材でしっかりと耳に密着するので、落下の心配が軽減されるという点が挙げられます。アウトドアでの使用機会が多い完全ワイヤレスイヤホンでは、密着度のアップも非常にうれしいポイントです。
「イヤーピースはイヤホンの音質に大きく影響する重要なパーツ」というのは、イヤホンファンにとって今ではあたりまえの話です。しかし15年ほど前まではそもそも付属品のイヤーピース以外に選択肢がほとんどなく、ごく一部で知られるチューニング方法でしかありませんでした。もしかすると今も「イヤーピースでそんなに音が変わるの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。この「COREIR mini」は、そういった方にお試しいただきたい製品です。
カラー | S(ブラック)、MS(ブルー)、M(イエロー)、L(レッド) | 軸/傘部 | シリコン |
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金属コア | ステンレススチール | イヤホンノズル先端部の対応サイズ | 3.6~4.5mm |
【商品情報】日本ディックス Pentaconn COREIR mini STAINLESS STEEL
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金属コア搭載イヤーピースの人気シリーズ第3弾「Pentaconn COREIR mini STAINLESS STEEL」の特徴と音質レビュー、「COREIR BRASS」との比較を紹介しました。
・リサイズや形状変更など、完全ワイヤレスイヤホン向けに再設計
・硬度が高く響きの優れたステンレススチール製の金属コアを採用
・イヤホンの音をスッキリと整理、寒色系サウンドに変化させ、ほどよい刺激を生み出す
扱いが簡単で効果は絶大。非常におもしろいイヤーピースとなっています。
「Pentaconn COREIR mini STAINLESS STEEL」は本日(5月23日)からご予約受付開始、発売は5月30日を予定しております。店頭サンプルもさっそく全サイズご用意しておりますので、お手持ちの完全ワイヤレスイヤホンで問題なく使えるかぜひお試しください!もちろん有線イヤホンでの使用もおすすめです。