好きな音楽を良い音で聴きたいけどそのためにスマホとは別にプレイヤーを用意するのはちょっと…という方、スマホで高音質再生が可能になる小型USB-DACが注目を集めているのはご存知ですか?オーディオ専門店スタッフが厳選した15機種を紹介します。
目次
スマホで高音質サブスク音楽配信再生が可能に
高音質(ロスレス)配信とは?
なぜ有線接続が必要なの?
USB-DACとは
なぜ小型USB-DACが注目されているの?
小型USB DACの選び方
小型USB-DACのおすすめ
USB DACとしても使用できるポケットサイズDAPのおすすめ
まとめ
Amazon Music HDやApple Musicロスレス配信など、サブスク音楽配信において高音質で音楽を楽しむことができるようになりました。もちろん、iPhone・Androidスマホでの再生が可能です。しかし、ロスレスで音楽を楽しむには条件が必要になります。その条件と高音質(ロスレス)再生が可能になるおすすめの小型USB-DACをご紹介します。
Apple Musicのロスレス配信とは、圧縮されていないCD音質で音楽を配信するサービスのことです。ストリーミングサービスなどの、サブスク音楽配信でデータを受け取る場合にオーディオ圧縮技術が使われていますが、そのオーディオ圧縮技術はオリジナルの音源ファイルに含まれているデータのうち、一部の損失(ロス)を伴います。
例えばApple Musicロスレス圧縮は、オリジナルのデータをそのまま全部維持する圧縮形式で、AAC に加えて ALAC も使い、16 ビット/44.1 kHz (CD品質) から最高 24 ビット/192 kHz の解像度でエンコードされるようになりました。つまり、Apple Musicで配信されている音楽が、CD音質で楽しめるようになるということです。各高音質サブスク音楽配信サービスに契約すればCD音質の音源やハイレゾ音源をそのまま手軽にスマホで聴くことが可能です。
スマホで音楽配信サービスを聴く場合、ワイヤレスイヤホンや、ワイヤレスヘッドホンで楽しむという方が多いのではないでしょうか。しかし、ロスレス配信を楽しむ場合には注意が必要です。
一般的にワイヤレスイヤホンで使用されている無線技術はおなじみのBluetoothですが、現状Bluetoothで音楽信号をやり取りする際にはデータ量をなるべく少なくするために「人間には聴こえない、あるいは聴こえなくても問題ない」とする部分の音の帯域をカットしています。
そのため、ワイヤレス接続はロスレス(=損失なし)ではありません。ロスレスで音楽を楽しむためには有線での環境構築が必要になってくるわけです。
文字通り「USBで接続するDAC」のことですが、ここでは改めてどんなものなのか?をご説明します。まず「DAC」ですが、正確には「Digital to Analog Converter(デジタルトゥアナログコンバーター)」つまりCDや配信データなどのデジタル信号を人間の耳に聞こえるアナログ信号(=音)に変換する機器のことです。
その中でもUSB-DACはPCなどのUSB端子から接続し、手軽に高音質な音楽を楽しめる機器のことをさします。
このDAC機能は、テレビやゲーム機、スマホなど生活に欠かせないデジタル機器にはほぼ間違いなく搭載されているものです。しかし、コストなどの問題からその品質はさまざまです。
音楽を聴くなら良いパーツを使えばより良く鳴ってくれる!ということで、ロスレス・ハイレゾでのサブスクサービスが始まったここ最近、小型USB-DACが特に注目を集めています。
スマホに繋げるだけで高音質化できるので、手軽に高音質な音楽を楽しみたいというニーズから注目が高まっているのです。なお、この種類の製品にはドングル型DAC、モバイルユースDACなどという呼び方もありますが、ここでは小型USB-DACとしてご紹介します。
CD音源は「44.1kHz/16bit」という数字で表現されますが、ハイレゾ音源は「96kHz/24bit」「192kHz/24bit」というCDの情報量を上回る音楽データの事を言います。
また近年ではDSDと呼ばれるより高音質なデータ形式も広く配信されるようになりました。ハイレゾ音源を楽しむにはこうした音源を再生出来るかスペックにも注目してみましょう。
イヤホン・ヘッドホンへの出力は3.5mmのステレオミニジャックが主流ですが、バランス接続に対応している製品も増えてきています。
バランス接続は左右独立したアンプから正相と逆相の音声信号を送ることで、これによりヘッドホン・イヤホンの駆動力を高めたり、クロストーク(左右の信号が混ざってしまう)現象が起こりにくくなるなどの音質的な利点が得られる接続方法です。お持ちのイヤホン・ヘッドホンやお好みに合わせてチェックしましょう。
入力 | USB Type 1.1以上 | 出力 | アナログ3.5mmミニジャック |
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DAC | ESS ES9281A PRO | 対応形式 | 44.1kHz-96kHz(ネイティブ)、188.2kHz及び192kHzは96kHzにリサンプル |
サイズ | 48mm x 15mm x 10mm | 重量 | 約11g |
【商品情報】Audioengine DAC3
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スタッフレビュー
フジヤエービックスタッフ:唐木
一聴して感じたのは、音の重厚感とクリアさです。音の芯が太く重く、一音一音、密度が濃くなり、臨場感を感じさせます。それでいて、荒っぽさがなくクリアに再生するところが絶妙です。MOONRIVER2 Tiは、前モデルのMOONRIVER2と搭載しているDACチップが同じですが、音のクリアさはMOONRIVER2 Tiの方が高く、音の隅々まで見渡せます。
また、楽器とボーカルの分離感もしっかりと感じられるので、細かな音の動きも明瞭に聴きとれます。(スタッフレビューより引用)続きをみる
入力 | USB-C | 出力 | 3.5mm、4.4mm |
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DAC | シーラス・ロジック CS43198×2基 | 対応形式 | - |
サイズ | 57mm×19.6mm×13.4mm | 重量 | 約30g |
【商品情報】水月雨(MoonDrop)MOONRIVER2 Ti
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スタッフレビュー
フジヤエービックスタッフ:根本
音質としては、雑味がなくなり、よりクリアになりました。縦と横の音の広がりだけではなく、奥行き感もより一層感じられるようになり、サウンドステージがグッと広がった印象です。(スタッフレビューより引用)続きをみる
入力 | USB-C | 出力 | 3.5mm、4.4mm |
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DAC | Cirrus Logic製DACチップ「CS43198」×2基 | 対応形式 | - |
サイズ | 56.3mm x 22mm x 12mm | 重量 | 約19g |
【商品情報】FIIO KA5
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スタッフレビュー
フジヤエービックスタッフ:根本
フラットでちょっと落ち着いた感じの音質傾向ですが、音の階調表現が非常になめらかであることに驚かされます。音が自然に耳の中に入ってくるような感覚です。逆にいえばメリハリ感のようなものは薄いので、派手さが欲しい音楽などを聴くとちょっと物足りなさを感じるかもしれません。(スタッフレビューより引用)続きをみる
入力 | USB-C | 出力 | ヘッドホン出力:3.5mm + 4.4mm Balanced、ライン出力:3.5mm + 4.4mm Balanced |
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DAC | ディスクリート1-Bit DSD DAC | 対応形式 | - |
サイズ | 66mm x 24mm x 12mm | 重量 | 約25g |
【商品情報】Cayin RU7
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スタッフレビュー
フジヤエービックスタッフ:根本
サウンドは低域のアタック感がしっかりとしており、高域の明瞭度もあることからいわゆるドンシャリ型のサウンド傾向となります。また、音場に関しても広いタイプではなく全体的に音が近い印象です。そのため、サブスク等でPOPS系やアップテンポなアニソン系におすすめです。(スタッフレビューより引用)続きをみる
入力 | USB-C | 出力 | 3.5mm 端子 |
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DAC | ES9219C | 対応形式 | - |
サイズ | 40 x 16.5 x 10 mm | 重量 | 約6.6g |
【商品情報】Shanling UA1s
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入力 | USB Type-C | 出力 | 3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス |
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DAC | CS43131×2 | 対応形式 | PCM最大384kHz / 32bit、DSD Native DSD 256(DSD 11.2MHz) |
サイズ | W59 x H23.4 x D12.1 mm | 重量 | 21g |
【商品情報】iBasso Audio DC04PRO
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入力 | USB-C | 出力 | 4.4mmバランス/3.5mmプラグ |
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DAC | ES9038Q2M | 対応形式 | PCM up to 32-bit / 768kHz.DSD up to DSD512 |
【商品情報】ADV.(ADVANCED) INTERCOOLER
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スタッフレビュー
フジヤエービックスタッフ:根本
AK ZERO1と組み合わせて試聴しました。AK ZERO1の持つスッキリ・明瞭なサウンドはもちろんそのままに、バランス出力ならではの力強さを感じさせる中低域の押し出しが加わった印象です。音場は特に左右方向への広がりを感じますが、一音ごとの粒立ちも充分で立体感もしっかりと表現されています。
また、今回試聴に使用したスマートフォンではスマホ本体のボリュームがおおざっぱにしか上げ下げできず調整がしづらかったため、いったん最大ボリュームにした状態で専用アプリ「AK HC」を使って微調整を行いましたが、やや音量のとりづらいAK ZERO1でも「AK HC」上の数値で30前後あれば充分な音量で再生することができました。
このあたりは機器により差異はあるかと思いますが、平面駆動型や静電型といったイヤホンでの使用も問題ないレベルのパワーを持っているようです。(スタッフレビューより引用)続きをみる
入力 | USB-C/Lightning(付属変換コネクター使用) | 出力 | 4.4mm5 極バランス出力 (GND 接続あり) |
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DAC | CS43198(デュアル構成) | 対応形式 | PCM 最大:368KHz/32bit、DSD 最大: DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ |
サイズ | USB プラグ部:W12 x H21x D6.5 mm、ヘッドホン出力部:W22.8 x H60 x D12.1mm | 重量 | 29g |
【商品情報】Astell&Kern AK HC2
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入力 | USB-C | 出力 | 暁 - DAWN (USB Type C to 4.4mm):4.4mm バランス出力 暁 - DAWN (USB Type C to 3.5mm):3.5mm出力 |
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DAC | CS43131 x2 | 対応形式 | 5~87 000Hz(-3d) |
サイズ | - | 重量 | 11.5g |
【商品情報】水月雨(MoonDrop) 暁 - DAWN
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入力 | USB-C | 出力 | 3.5mm ステレオミニジャック |
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DAC | CS43131 x2 | 対応形式 | PCM:最高 384kHz/32bit までのネイティブ再生に対応/DSD:最高 11.2MHz までのネイティブ再生に対応 |
サイズ | W49.4 x H21 x D8 mm | 重量 | 10.5g |
【商品情報】iBasso Audio DC03PRO
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入力 | USB-C | 出力 | 4.4mmバランスヘッドホン出力 |
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DAC | CS43131x2 | 対応形式 | 最高PCM384kHz/32bit、DSD128(DoP)、DSD256(Native) |
サイズ | W40 x H15 x D12 mm | 重量 | 12.3g |
【商品情報】FiiO KA2
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スタッフレビュー
フジヤエービックスタッフ:根本
ややウォーム方向で中低域がグッと前に出てくる感じですが、iFiらしい解像度の高さもあり、細やかな表現もしっかりとこなす印象です。音場も頭の後ろまで回り込むように広がり、特にこのIE 600との組み合わせでは一瞬、スマホと小型USB-DACというお手軽構成であることを忘れさせるほどのサウンドが楽しめます。
Turboモードでは、単純にボリュームを上げて音が出るようになった、という感じではなく、しっかりとイヤホンで聴いた際のサウンドバランスのまま、このMDR-Z1Rでも必要充分な音量で音楽が楽しめるだけの出力が可能です。
さすがに据置のヘッドホンアンプにつないだ時のような余裕までは感じさせませんが、無理やり音量だけ上げて音がひずんでしまうようなことにはならないので、ヘッドホン派の方も安心して使える機能だと思います。続きをみる
入力 | USB-C | 出力 | 4.4mm バランス出力、S-Balanced 3.5mm 出力 |
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DAC | Bit-Perfect DSD & DXD DAC | 対応形式 | 20Hz - 45kHz(-3dB) |
サイズ | W65 x H22 x D13.2 mm | 重量 | 28.5g |
【商品情報】iFi Audio GO bar
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入力 | USB-C | 出力 | 3.5mmピン×1 / Balanced 4.4mmピン×1 |
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DAC | ES9281PRO | 対応形式 | DSD64 /128(DoP) PCM最大384kHz、DXD384 / 352kHz、MQAレンダリング:最大384 kHz |
サイズ | W36 x H14 x D77 mm | 重量 | 51g |
【商品情報】EARMEN COLIBRI
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番外編として、DAP(音楽プレーヤー)の中でも小型でUSB DACとしても使用できる機種を2種紹介します。
※別売り4.4mmバランス変換アダプタ使用でのレビューになります。
まず一聴してShanlingらしいウォームで聴きやすいサウンドだなという印象で、この小型軽量なボディの印象と相まって日常使いに最適と感じました。
しかしながら、バランス出力を使用することで上位モデルのM3Xにも肉薄するようなレベルのサウンドに化けます。全体的な解像感や音場や定位感等がシングルエンドと比較するとかなり向上しますので、有線使用を想定されている方は別売りアダプタのご使用が圧倒的におすすめです!続きをみる
サイズ | 43.8×45×13.8(mm) | 重量 | 約 36.8g |
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ディスプレイ | 1.54インチ 240×240 タッチスクリーン | 対応ファイル形式 | DSD / DXD / APE / FLAC / ALAC / WAV / AIFF / AIF / MP3 / WMA / AAC / OGG / MP2 / M4A / AC3 / CUE / M3U |
出力系統 | 3.5mm / 別売りアダプタ使用で4.4mm | Bluetooth バージョン | Ver. 5.0 |
対応 Bluetooth コーデック | 送信:LDAC / aptX / AAC / SBC、受信:LDAC / AAC / SBC | ストレージ | MicroSDカードスロット×1(最大2TB) |
【商品情報】Shanling M0Pro
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DACチップ | ES9219C | OS | HiBy OS |
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サイズ | H71×W63.1×D12.4mm | 重さ | 70.6g |
出力 | 3.5mm | マイクロSDカード | 最大 2TB |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 | Bluetoothコーデック | UAT、 LDAC、aptX、AAC、SBC |
【商品情報】HiByMusic R2 II
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複雑な設定も必要なく、充電も不要なので使いたい時にすぐ使える非常に便利な小型USB-DAC。ワイヤレス製品と違い音声遅延もないのでスマホでのゲームプレイにもおすすめです。ご紹介した製品を参考にお使いのシーンや用途に合わせて最適なものをお選びください。