国内老舗オーディオブランドDENONからもついにスティック型完全ワイヤレスイヤホンが2機種同時発売!サウンドマスター・山内慎一氏が掲げるサウンドコンセプトとは!?今回はいちはやくAH-C630WとAH-C830NCWの実機レビューを交えてご紹介します。
DENONとは
スティックタイプの完全ワイヤレスイヤホン2機種発表
DENONの完全ワイヤレスイヤホン誕生の経緯とは?
イヤホン本体形状
接続安定性について
ノイズキャンセリング&外音取り込み機能
AH-C630W音質レビュー
AH-C830NCW音質レビュー
まとめ
DENON(デノン)は日本を代表するオーディオブランドのひとつです。その前身である日本コロムビア株式会社(1910年設立)から数えると、なんと110年以上という歴史を有する老舗ブランドでもあります。社名も以前は「デンオン」という読み方でしたが、海外で発音しにくいため呼ばれていた「デノン」が正式な社名となるほど、国内外を問わず人気を集めているブランドです。
特にハイエンドモデルは福島県白河市にある工場『白河ワークス』で生産され、厳しい品質管理を経て市場へと送り出されることで知られています。ヘッドホンでは名機・AH-D9200もこの『白河ワークス』製です。
【商品情報】DENON AH-D9200
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そんなDENONから今回、満を持してスティックタイプの完全ワイヤレスイヤホン2機種が発売決定!10mmダイナミックドライバを搭載するAH-C630W(ブラックおよびホワイトの2カラー展開)と、11×10mmの楕円形ダイナミックドライバに加えノイズキャンセリング機能も搭載するAH-C830NCW(ブラックおよびホワイトの2カラー展開)です。
今回はAH-C630W/AH-C830NCWが誕生した経緯と、実機による音質レビューをまじえて速報をお届けいたします。
DENONが110年以上の歴史を持つブランドであることは触れましたが、実はヘッドホン部門においても55年以上の経験を有するブランドでもあります。そのDENONにおいて、製品のサウンドクオリティを管理するのが『サウンドマスター』と呼ばれるエキスパート。そのひとり、山内慎一氏が掲げるデノンサウンドのコンセプト「Vivid & Spacious」に基づいて開発されたのがこのAH-C630W/AH-C830NCWです。
Vividは「すべての音の表情を色彩豊かに、生き生きと描くこと」、Spacious「音の位置関係、空間の広さと高さ、奥行をありのままに表現すること」をそれぞれ意味しています。
心地よい装着感を実現するために、数多くの耳の形状データを元に3Dシミュレーションを繰り返し、実際に 24の形状サンプルを作成。その中から最も付け心地が良く、落ちにくい形状を選択しました。耳介に自然に沿う形状となっており、イヤーピースだけでなく耳介の広い面でイヤホンを支えることができるため、長時間使用時の耳の痛みに悩まされることもありません。また、スティックタイプなので落としてしまっても転がって行ってしまう心配がありません。
イヤホンの本体重量はわずか約5g(AH-C630Wは片側4.7g、AH-C830NCWは片側5.3g)の軽量設計。着けているのを忘れてしまうような軽量設計で、長時間使用でも耳の疲労や痛みを軽減し、快適に音楽を楽しむことができます。
音楽再生中の不快な音切れやノイズを抑えるために、Bluetooth Ver. 5.0 with LE / Class 1への対応、高性能なFPCアンテナの搭載、通信状況に応じた出力制御などのソフトウェアのチューニングを行い、優れた接続安定性を実現しました。スティック部に配置されているFPCアンテナは全長約25mmにも及ぶ非常に大きなもので、安定した通信に貢献しています
AH-C830NCWには、AH-GC30やAH-GC25NCなど、豊かな開発経験を持つエンジニアのチームが実現した、オーバーヘッドタイプに匹敵する強力なアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載。新世代のアルゴリズムとフィードバック&フィードフォワードの2マイクで効果的に周囲のノイズをキャンセルします。
また、駅や電車のアナウンスを聞きたい時などに、本体のタッチ操作ですぐに有効にできる外音取り込み機能も搭載。装着していない時と同様の自然な聴こえ方を実現します。※AH-C830NCWのみ搭載の機能です。
まずはAH-C630Wから聴いてみましょう。DENON製品に共通する音の柔らかさ、豊かさを継承しながら、サウンドマスター・山内氏の意図する「3次元的に広がる音場の中にシャープに音像がフォーカスされるイメージ」がしっかりと再現されているのを感じます。
装着感についても片側約5gという軽さはあまり気にならず、小ぶりなハウジングが耳の中にしっかりと納まるのでちょっとした動きで落ちてしまいそうな心配もありません。タッチ操作も反応が良く、機能もシンプルなので操作に困ることはなさそうです。なお、残念ながらボリューム操作はAH-C630W側からはできないため、スマートフォン側で行う必要があります。
こちらはイヤーピースを外してみた様子。軸(ステム)がかなり短いため、付属品以外のイヤーピースを使用する際は適合するかよく確認した方が良さそうです。また、充電ケース側のスペースもあまり余裕がないので軸の長いイヤーピースや大型のイヤーピースではしっかり充電ケースに収まらない可能性もありますのでご注意を。なお、付属イヤーピースはS/M/Lの3サイズとなっています。
【商品情報】DENON AH-C630W (ブラック) AHC630WBKEM
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【商品情報】DENON AH-C630W (ホワイト) AHC630WWTEM
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続いてAH-C830NCWの試聴です。「11×10mm」という見慣れない表記のドライバ径ですが、これはドライバ形状が一般的な円形でなく”楕円形”を採用しているため。いわゆる長径が11mm、短径が10mmとなるためこのような表記になっているそうです。
全体的な音のイメージはAH-C630Wと共通するものの、やはりドライバがやや大きくなっていることが影響しているのか、音場や奥行きにひとまわり大きな余裕ができたような印象を受けます。派手さはないものの心地よい音が意図されたところでしっかり鳴っている、という感覚です。
AH-C830NCW最大の特徴、ノイズキャンセリング機能も試してみます。左側のイヤホンをタップするごとにノイズキャンセリング機能ON→外音取り込み機能ON→すべてOFF→ノイズキャンセリング機能ON…と3つの状態が切り替わります。ノイズキャンセリング機能をONにすると、特に低い周波数帯の暗騒音がしっかりと打ち消されている印象です。空調のノイズも気にならないレベルに下がっています。周囲の人の声についても結構ボリュームが下がるような感じになるので、装着時の軽さもあわせてエンジン音や騒音が気になる飛行機や新幹線など長時間の移動時にも活躍してくれるのではないでしょうか。
AH-C830NCWもやはり軸(ステム)が短いため、付属品以外のイヤーピースの選択には充分ご注意を。付属イヤーピースはAH-C630Wと同じくS/M/Lの3サイズです。
なお、AH-C630W、AH-C830NCWとも現時点では専用アプリなどはありません。
【商品情報】DENON AH-C830NCW (ブラック) AHC830NCWBKEM
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【商品情報】DENON AH-C830NCW (ホワイト) AHC830NCWWTEM
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今回ご紹介したAH-C630WおよびAH-C830NCWは本日よりご予約受付開始、発売は10月15日となります。また、こちらの2モデルについては9月19日にオンエアとなる『秋のヘッドフォン祭ONLINE』でも設計担当者の方をお迎えして詳しくお伝えしますので、そちらもぜひお楽しみに!
【詳細情報】秋のヘッドフォン祭 2021 ONLINE特設ページ
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