パーソナライズ機能を搭載した話題の完全ワイヤレスイヤホンDENON PerL・PerL Proをオーディオ専門店スタッフがレビューします。実機を使って測定の流れとデノンサウンドが自動的に最適な状態で楽しめる音質についても詳しく紹介します。
目次
DENON PerL / PerL Proとは
聴こえ方測定の流れ
DENON PerL Pro音質レビュー
DENON PerL 音質レビュー
製品仕様
まとめ
本格的な医療技術を応用したパーソナライズ機能を搭載したことで話題となったDENONの完全ワイヤレスイヤホン「PerL」「PerL Pro」、ついに本日発売となりました!
DENON PerL / PerL Pro 発表!注目のパーソナライズ機能搭載のワイヤレスイヤホンとは?
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まずはPerL/PerL Proをしっかりと装着するための準備から始めましょう。付属のシリコン製イヤーチップ(XS/S/M/Lの4サイズ)またはフォームイヤーチップ(フリーサイズ)と、ウィングアタッチメント(2サイズ)からそれぞれ自分の耳に合うものを選んで装着します。
以降、PerL Proを使用してのご説明となりますが基本的にPerLでも同じ流れとなります。
こちらはイヤーチップとウィングアタッチメントをはずした状態のPerL Proです。ステム(軸)の長さ・太さは完全ワイヤレスイヤホンとしては一般的なサイズなので、イヤーチップをお気に入りのものに変更することもできるかと思います。ウィングアタッチメントは装着時の安定性に非常に重要な役割をはたしているので、ここは慎重にどちらのサイズを使うか検討しましょう。
ステムの形状は楕円形で、よく見るとなにやら黄色い素子のようなものが中央に配置されているようです。これで測定を行うのでしょうか。不用意に触れたりしないよう、耳垢ガードを兼ねるメッシュでしっかり保護されています。
あとはPerL/PerL Proを装着してスマホと接続、専用アプリ「Denon Headphones」を立ち上げましょう。アプリは先日、日本語表示にも対応しました。「フィットテストを実行する」ボタンを押すと、手始めにPerL/PerL Proが耳にしっかり装着されているかどうかのチェックが始まります。
なお、測定データは3つまでイヤホン本体に保存可能となっています。個人で使うぶんには充分かと思いますが、4つめ以降を保存したい場合は既存データを上書きする必要がありますのでご注意ください。
フィットテストが無事終わり、装着に問題ないと判断されるといよいよ聴覚プロファイルの測定です。といってもユーザー側で特になにかする必要はありません。
「ピロピロピロ…」という電子音が何パターンか再生されるので、終わるまで静かにじっと聴いているだけでOKです。注意点としては、非常に微細な音を拾うことで測定する仕組みのため、なるべく静かな環境でこの作業を行う、ということくらいでしょうか。
ちなみに測定に際してアナウンス音声が流れるのですが、こちらは現時点では英語音声のみとなっているようです。とはいえなにか操作が必要なわけではないので、聞き流してしまっても問題ありません。
ここでもう一度、このPerL/PerL Proが持つ医療技術を応用したパーソナライズ機能「Masimo AAT(Adaptive Acoustic Technology)」についてご紹介したいと思います。
Masimo(マシモ)はパルスオキシメーターなどの医療機器・各種センサーの開発、製造、販売を手掛ける世界的企業で、昨年アメリカの大手オーディオサプライヤーでありDENONやマランツも所属するSound Unitedグループを買収したことで話題となりました。つまり、MasimoとDENONはグループ会社のような関係なのです。
そのグループ企業としてのネットワークを活用して誕生した「Masimo AAT」は、意思の疎通が難しい乳幼児の難聴検査技術を応用して聴こえ方を測定しています。耳に入った音は中耳にある鼓膜で振動に変わりますが、その振動は内耳の奥にある蝸牛(かぎゅう)に伝わると特定の振動を起こします。その振動は蝸牛から中耳、さらに外耳へと音になって返ってくる(耳音響放射といいます)ため、この音を測定することで個人差の大きな”聴こえ方”を詳細に把握することができる、という仕組みです。
開始から3分ほどで測定は完了します。途中で低音調整機能(イマージョンモード)のオン・オフ、あらゆるステレオコンテンツを没入感のあるサウンドに変換する空間オーディオ技術「Dirac Virtuo」機能のオン・オフ(PerL Proのみ)、そして測定したばかりのパーソナライズ機能のオン・オフをそれぞれ切り替えて効果の具合を確認できるようになっていますが、もちろんこれらはあとから切り替えることも可能です。
なお、アプリ中央の円は時計の12時方向から右回りに低域→中域→高域の聴こえ具合を示しています。この画像の場合、左耳は中低域と中高域部分がよく聴こえている一方で、右耳はどの音域もほぼ均等に聴こえていること、また左右でも結構音の聴こえ方が違うことなどがわかります。
さて、測定もバッチリ完了したところで、いよいよ音の方を確認してみましょう。スマートフォンからサブスク音源を何曲か聴きながら、それぞれの機能をオン・オフにした時の音の違いもチェックしてみたいと思います。
まずはPerL Proから、Dirac Virtuo機能とパーソナライズ機能をオンにした状態で試聴してみます。
中低域の厚みと低域のキレを感じさせる、落ち着いたトーンながらやや硬いイメージのサウンドです。音場も広く、頭を包み込むような立体的な空間表現で、Dirac Virtuo機能がしっかりと効いているのを実感します。映画も再生してみましたが、主人公やその話相手の声はもちろん周囲の人々の声(いわゆるガヤ)もそれぞれの距離感をもって立体的に再現されるので、音楽だけでなく動画・ゲームなどいろいろなコンテンツで楽しめそうです。
ここでパーソナライズ機能をオフにしてみると、各音域にメリハリのない非常にのっぺりとしたサウンドとなってしまいました。フラットといえなくもありませんが、あまり面白味のない音という方が実際の感想になるかと思います。やはり最大の特徴である機能ですし、ここはあえてオフにする必要もなさそうです。
同じく、PerLもしっかりと測定した上で試聴してみました。
PerL Proと比べると低域の押し出し感がちょっと控えめとなりますが中低域の厚みはそのまま、全体的に柔らかなトーンのサウンドです。音場の広さはありますが、Dirac Virtuo機能がないため前後の立体感は薄くなっています。こちらもパーソナライズ機能をオフにするとのっぺりサウンドとなることから、この機能が効果的に働いていることがよくわかります。
音のカスタマイズは個人の好みに合わせて自由に音色を変えられて楽しい一方で、「いろいろいじったけど、これが本当に良い音なんだろうか?」と迷ってしまうこともあるかと思います。そうした時に、メーカーみずからが「この音がデノンの考える良い音です」と”自動的に”設定してくれるこのPerLおよびPerL Proは、安心して音を楽しむことのできる完全ワイヤレスイヤホンになるのではないでしょうか。
PerL |
PerL Pro |
|
ノイズキャンセリング |
ハイブリッド・ ノイズキャンセリング |
適応型ハイブリッド・ ノイズキャンセリング |
外音取り込み |
ソーシャルモード |
ソーシャルモード |
Bluetooth バージョン |
5 |
5.3 |
Bluetooth コーデック |
aptX / AAC / SBC |
aptX Lossless (44.1kHz/16bit) / aptX Adaptive (96kHz/24bit) / aptX / AAC / SBC |
バッテリー駆動時間 |
イヤフォン:6 時間、ケース:16時間 |
イヤフォン:8 時間、ケース:24 時間 |
充電時間 |
2 時間 / 急速充電:10 分間の充電で 1 時間再生可能 |
1 時間 / 急速充電:5 分間の充電で 1 時間再生可能 |
防滴性能 |
IPX4 |
IPX4 |
外形寸法(ケース) |
72.4 x 30.2 x 35 mm |
72.4 x 30.2 x 35 mm |
質量 |
イヤフォン:7.4g、ケース47g |
イヤフォン:8 g、ケース51.2 g |
【商品情報】DENON PerL
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【商品情報】DENON PerL Pro
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DENONがグループ企業のネットワークを活かして生み出した完全ワイヤレスイヤホン「PerL」「PerL Pro」は、
・医療技術を応用したパーソナライズ機能「Masimo AAT(Adaptive Acoustic Technology)」搭載
・あらゆるステレオコンテンツを没入感のあるサウンドに変換する空間オーディオ技術「Dirac Virtuo」機能搭載(PerL Proのみ)
・中低域の厚みと音場の広さを感じさせる”デノンサウンド”が自動的に最適な状態で楽しめる
と、聴こえ方の測定が視覚的に確認できるという面白さと実用的な機能の数々、そして自慢の”デノンサウンド”が誰でも手軽に楽しめる画期的なイヤホンとなっています。
こちらのPerL/PerL Proは本日より発売開始いたしました!店頭デモ機も両モデルともご用意しておりますので、ぜひお手持ちのスマホに専用アプリ「Denon Headphones」をインストールして測定のところからお試しください!なお、店頭にもアプリを入れた端末をご用意しておりますので、こちらでお試しいただくことも可能ですよ。