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2021.12.03
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【試聴レビュー】小型USB-DAC「Cayin RU6」はR-2Rラダー構成!?他とはひと味違う魅力に迫ります。

【試聴レビュー】小型USB-DAC「Cayin RU6」はR-2Rラダー構成!?他とはひと味違う魅力に迫ります。

中国のオーディオメーカー「Cayin」からスマートフォンに繋いで高音質で楽しめる小型USB-DAC「 RU6」が登場しました。人気の真空管アンプやポータブルプレイヤーを手掛けるCayinだからこそできる「こだわりの中身」をレビューします。

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フジヤエービック(FUJIYA AVIC)
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Cayinとは

Cayin(カイン)は1993年に設立された中国のオーディオメーカーで、特に真空管アンプの人気が高いブランドです。日本でも2000年頃から国内販売を開始、まだまだヘッドホンアンプが一般的ではなかった頃から縦型の名機「HA-1」をリリースするなど、実は長く愛されているブランドでもあります。

ヘッドホンアンプの現行機種 HA-1A MK2

【商品情報】Cayin HA-1A MK2

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近年ではN6iiやN8といったポータブルプレイヤーも人気が高いCayinですが、今回はついにスティックタイプの小型USB-DACを発表しました。「なーんだ、小型USB-DACなんていろんなメーカーから出てるし今さら…」と思った方、ちょっと待った!
今だからこそCayinがリリースする小型USB-DACはひと味違いますよ!今回はこちらのRU6をじっくりとご紹介いたします。

Cayin RU6

パッケージ

RU6のパッケージ
RU6のパッケージ

RU6の外観と付属品をチェック

見た目は普通…?!

まずはRU6の外観からご紹介します。正直、ここは一般的なスティックタイプの小型USB-DACとほとんど変わりません。比較用に500円玉と並べてみましたが、むしろちょっと大きめですらあります。本体の重さは約28g、500円玉4枚分くらいです。

RU6と500円玉のサイズ比較
RU6と500円玉のサイズ比較

フロントパネル

こちらがフロントパネル。左側に1インチの有機ELスクリーンが搭載されており、こちらに音量や再生中のデータ(周波数)など文字情報が表示されます。

RU6のフロントパネル
RU6のフロントパネル

操作ボタン

パネル上面にはボリュームアップ、ボリュームダウン、MODEとボタンが3つ並びます。MODEボタンについてはのちほどご説明しますが、このへんも一般的な小型USB-DACという感じです。

RU6のボタン類
RU6のボタン類

2種類のイヤホンジャック

フロントパネルの右側面には3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2種類のイヤホンジャックを装備しています。4.4mmバランス端子があるのは嬉しいポイントですが、そのぶん厚みが増しているということでしょうか…。

RU6のイヤホンジャック
RU6のイヤホンジャック

USB端子

USB端子はいまや業界標準のType-C。ここも普通。

RU6のUSB端子
RU6のUSB端子

背面にはメーカーロゴと型番などが記載されています。やっぱり普通だ…。

RU6背面

RU6背面
RU6背面

RU6付属品

こちらは付属品一式。両端Type-CのUSBケーブルと、PCで使うためのType-A変換アダプタにマニュアル(日本語表記もあります)と、ここもいたって普通。

RU6の付属品一式
RU6の付属品一式

そう、RU6の”普通じゃないところ”は中身です!

RU6はスティックタイプの小型USB-DACとしては極めて珍しい『R-2Rラダー型抵抗DAC』を搭載したモデルなのです!

ココが違う!R-2Rラダー型抵抗DAC搭載

R-2Rラダー型抵抗DACとは?

R-2Rラダー型抵抗のイメージ図
R-2Rラダー型抵抗のイメージ図

小型USB-DACに限らず、DACは実際のデジタルからアナログ変換を行う回路にESSや旭化成といったメーカーが製造する”DACチップ”を採用、搭載しています。

これにより、複雑なデジタル→アナログ変換処理をチップに任せて省略可できるほか、サイズダウンも可能となっていますが、RU6ではその部分にあえて手間のかかる「R-2Rラダー(はしご)型抵抗ネットワーク」を採用しました。

これはDACチップIなら小さなICひとつで2チャンネル(=左右ステレオ)分の出力が可能であるのに対し、なんと片側1チャンネル分の出力に48個の抵抗器を、左右で合計96個もの抵抗器を使用するという贅沢な回路となっています。

当然ながら抵抗器ひとつひとつの精度はもちろんすべての抵抗器のマッチング精度の高さが求められるため、この『R-2Rラダー型抵抗DAC』は非常に手間がかかる方式です。

反面、素材の選定からサウンドチューニングまで設計者が自由に行えるという利点があるため、Cayinはあえてこの方式を採用しました。実はこの『R-2Rラダー型抵抗DAC』、6月に発売された人気DAPのファイナルバージョン・N6ii-Ti R-2R チタニウム・リミテッドエディションでも採用され話題となった方式でした。

【試聴レビュー】最終形態はチタニウム!Cayin N6ii-Ti R-2R チタニウム・リミテッドエディション登場!

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独自開発のボリュームコントロール

RU6のこだわりはボリューム機構にも発揮されています。既存のボリューム機構ではCayinが求める高精度・低ノイズ・低消費電力といった要望がかなえられない、ということで、なんと独自のディスクリート抵抗アレイ・ボリュームコントロールを開発。

これは9セグメントの抵抗とスイッチングリレーでボリューム機構を構成するもので、透明性のある自然なサウンドが実現できたとのことです。
※ ボリューム変更時にはリレーの切替が必要なため、ディレイ(音途切れ)が発生してしまいますのでご注意下さい。

ディスクリート抵抗アレイ・ボリュームコントロール模式図
ディスクリート抵抗アレイ・ボリュームコントロール模式図

MODEボタン

ボリュームといえば、その横にあった「MODEボタン」も重要です。これは動作時に長押しすることで「ゲイン(High/Low)」「サンプリング」「バックライト点灯時間」の変更が行えるボタンです。

その中から「サンプリング」について画面を見ながらご説明します。

OSモード

OSモードの表示
OSモードの表示

まずは「OS」。これはオーバーサンプリングの略で、スマートフォンなどから入力された音楽データを384kHzにアップサンプリングするモードです。ディティールや周波数の伸びが顕著に改善され、シャープな再生が可能となっています。

NOSモード

NOSモードの表示
NOSモードの表示

こちらは「NOS」、つまりノンオーバーサンプリングです。音源データオリジナルのサンプリングレートで再生されます。

OSとNOSはいつでも切替が可能なので、音源にあわせてお好みでお選び下さい。

Cayin RU6 音質レビュー

SENNHEISER IE 900とCayin RU6

それでは音質のチェックです。今回は3.5mm/4.4mmそれぞれの音を比較しやすいよう、SENNHEISER IE 900を使って試聴しています。

【商品情報】SENNHEISER IE 900

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3.5mmシングルエンドに繋いで試聴

RU6の3.5mm端子にIE 900を接続
RU6の3.5mm端子にIE 900を接続

まずは3.5mmシングルエンドの音から。フラットでちょっと落ち着いた感じの音質傾向ですが、音の階調表現が非常になめらかであることに驚かされます。組み合わせたIE 900のキャラクターも影響しているとは思いますが、音が自然に耳の中に入ってくるような感覚です。

逆にいえばメリハリ感のようなものは薄いので、派手さが欲しい音楽などを聴くとちょっと物足りなさを感じるかもしれません。

サンプリングのOS/NOSも切り替えてみたところ、OSモードでは音のざらつきが若干低減している感じを受けました。音源にもよるかと思いますが、オリジナルがロスレスなどある程度のレベルであれば劇的に音を変化させる性格のものではなさそうです。

4.4mmバランスに繋いで試聴

RU6の4.4mm端子にIE 900を接続
RU6の4.4mm端子にIE 900を接続

続いて4.4mmバランス接続でも聴いてみましょう。音質傾向は変わらないものの、音場がグッと広がり前後左右の空間がふたまわりくらい拡張されたような感覚です。音の粒立ちもよりクッキリとし、バランス接続による変化が非常にわかりやすい製品かと思います。

また、試聴する中でやはりボリューム調整時の音途切れは少し気になるところではありました。音質を追求した結果なので難しいところですが、再生中にはボリュームを変えないようにするなどの工夫は必要かもしれません。

【商品情報】Cayin RU6

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製品仕様

Cayin RU6

Cayin RU6
DAC

24bit Discrete R-2R

USB

Type C USB Audio Input

出力端子

3.5mm + 4.4mm Balanced

ディスプレイ

0.96 inch 128x64 OLED

サイズ

65mm x 25.4mm x 13.7mm

重量

約28g

別売オプション品について

RU6には別売オプションが用意されています。

・専用レザーケース(オレンジ/ブルーの2色)

【商品情報】Cayin RU6専用純正レザーケース オレンジ

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【商品情報】Cayin RU6専用純正レザーケース ブルー

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・CS-L2Cケーブル(Lightning to USB-Cケーブル)
iPhoneユーザーの方は「CS-L2Cケーブル」が必須となりますのでご注意下さい。

【商品情報】Cayin CS-L2Cケーブル(Lightning to USB-Cケーブル)

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まとめ

ポータブル環境でも高音質で音楽を楽しむためのツールとして多くの製品が登場しているUSB-DACですが、そこにあえて『R-2Rラダー型抵抗DAC』を採用してきたCayin。ヘッドホンオーディオの黎明期から一線で活躍してきたオーディオメーカーとしての強いこだわりが感じられます。

今回ご紹介した「RU6」、ならびにオプション品の「RU6専用純正レザーケース オレンジ」「RU6専用純正レザーケース ブルー」「CS-L2Cケーブル(Lightning to USB-Cケーブル)」は12月8日発売、ご予約も絶賛受付中です!

しかも初回入荷分をご購入の方には、通常別売のレザーケース(カラーはランダムとなります)をプレゼント!こちらは数量限定ですので、ぜひお早目のご予約・ご購入をおすすめいたします。

店頭試聴機もご用意しておりますので、まずは聴いてから考えたい…という方もぜひご来店下さい。

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